問題11〜20

問題 11浄化槽の汚水処理における硝化反応、脱窒反応に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)硝化とは、アンモニア性窒素が亜硝酸性窒素や硝酸性窒素に変化する反応である
(2)脱窒とは、亜硝酸性窒素や硝酸性窒素が窒素ガスに変化する反応である。
(3)硝化反応は、嫌気性条件下で進行する。
(4)脱窒反応には、水素供与体として有機炭素源が用いられる。

正答 ➠ 3
 アンモニアを酸化して亜硝酸、亜硝酸を酸化して硝酸。とにかく酸素が必要。好気性だ。
 
問題 12水分99%の汚泥20㎥と、水分96%の汚泥4 ㎥ を混合したときの汚泥濃度(mg/L)として、正しい値は次のうちどれか。
 ただし、汚泥の比重は1とする。
 
(1)15,000
(2)20,000
(3)25,000
(4)30,000

正答 ➠ 1
 水分ではなく汚泥に着目する。水分99%だから、汚泥は1%で20㎥。水分96%なら汚泥は4%で4㎥。汚泥は合計で1×20+4×4=36。汚泥は全部で24㎥だから、36÷24=1.5% つまり 15,000mg/L
 
問題 13浄化槽における窒素除去に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)硝化液循環による窒素除去率は、循環比が低いほど上昇する。
(2)硝化反応は、水温低下に伴い反応速度が低下する。
(3)脱窒反応の進行に伴い、pH が上昇する傾向がある。
(4)窒素は、生物体への取り込みによって除去されることがある。

正答 ➠ 1
 脱窒の基礎。循環比は高いほど脱窒率は向上する。式なら循環比Rとして、除去率は R/(1+R) になる。
 
問題 14下図は、高度処理型浄化槽で用いられる凝集槽を模式的に表している。図中の[ A ]〜[ D ]に当てはまる語句の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 

正答 ➠ 2
 Aは流入、Dは流出、これで2か4になる。急速と緩速、急速は凝集剤との反応、だから思いっきり撹拌する。そして緩速は凝集域で、フロックが大きくなるよう、ゆっくりと撹拌してやる。
 
問題 15構造基準(建設省告示第1292号、最終改正平成18年1月国土交通省告示第154号に定める構造方法)に示された嫌気濾床槽の構造に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 ただし、処理対象人員は30人以下とする。
 
(1)2室以上に区分して直列に接続するが、2室区分が一般的である。
(2)夾雑物の貯留部を確保するため、第1室の濾材の充填率は約40%とする。
(3)処理対象人員5人の有効容量は1.5㎥ であり、処理対象人員の増加に伴い容量を加算する。
(4)濾床の閉塞や清掃に備え、濾材下部に逆洗装置を設ける。

正答 ➠ 4
 濾床の逆洗は普通設けない。好気性になっても困るし、空気逆洗は悪臭の源になるし……。
 
問題 16構造基準(建設省告示第1292号、最終改正平成18年1月国土交通省告示第154号に定める構造方法)に示されたスクリーン設備の構造に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 ただし、処理対象人員101人〜500人の接触ばっ気方式に用いられるスクリーン設備とする。
 
(1)破砕装置は、自動荒目スクリーンの後段に設置する自動微細目スクリーンの代わりとして用いることができる。
(2)ばっ気型スクリーンでは、荒目スクリーンの下部に設置した散気管からのばっ気によって荒目スクリーンの目詰まりを防止する。
(3)大きな夾雑物を除去するための自動荒目スクリーンは、沈砂槽もしくはばっ気沈砂槽を付設して使用する。
(4)自動微細目スクリーンには、保守点検や故障に備えて、目幅がおおむね5mmのスクリーンを設けたバイパスを付設する。

正答 ➠ 1
 破砕とスクリーンは全く逆の働き。破砕装置の後に自動微細目スクリーンはあり。
 
問題 17下に示した性能評価型小型浄化槽の流量調整方式の模式図(A方式及びB方式)に関する記述のうち、不適当なものをすべてあげている組み合わせは次のうちどれか。
 ただし、二次処理装置として膜分離槽は使用しないものとする。
 
(1)ア、イ
(2)ア、エ
(3)イ、ウ
(4)ウ、エ

正答 ➠ 2
 アは循環装置の揚水量が変動するため、流量調整装置からの移送水量と放流水量はイコールにはならない。エは渦巻き型の水中ポンプなんてどこにも無い。そもそも渦巻き型は大容量でとても小型の浄化槽には使えない。-
 
問題 18性能評価型小型浄化槽に用いられている生物濾過槽に関する次の文章中の[  ] 内の語句について、不適当なものをすべてあげている組み合わせはどれか。
 
 生物濾過槽では、 直径もしくは長辺が[(ア)数㎜〜数㎝]の担体を充填した槽を用いて生物酸化と固液分離を行う。 多くの生物濾過方式では、担体を流動させた濾層上部で[(イ)ばっ気撹拌]による生物酸化が行われ、担体が静置している濾層下部で[(ウ)減圧濾過]による固液分離が行われている。濾層の逆洗は,日1回から数回 [(エ)手動]で行われ、逆洗排水は一次処理装置に移送される。
 
(1)ア、イ
(2)ア、エ
(3)イ、ウ
(4)ウ、エ

正答 ➠ 4
 ウは減圧操作は全く無い。日1回手動だと、この浄化槽には毎日保守点検に行かなくてはならない。
 
問題 19構造基準(建設省告示第1292号、最終改正平成18年1月国土交通省告示第154号 に定める構造方法)に示された接触ばっ気方式における汚泥処理設備に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)処理対象人員51人〜500人に用いる沈殿分離槽では、沈殿汚泥やはく離汚泥を貯留する。
(2)処理対象人員501人以上の浄化槽では、汚泥濃縮設備と汚泥貯留槽を設ける。
(3)汚泥濃縮設備からの脱離液は、接触ばっ気槽に移送する。
(4)汚泥貯留槽の底部は、ホッパー構造としなくてもよい。

正答 ➠ 3
 (八)汚泥濃縮貯留槽の(イ) に、汚泥の濃縮により生じた脱離液を流量調整槽へ移送することができる構造とすること。とある。
 
問題 20JIS A 3302:2000 に規定する浄化槽の処理対象人員算定基準に定められている建築用途と算定単位の組み合わせとして、誤っているものは次のうちどれか。
 
〔建築用途〕      〔算定単位〕
(1)サービスエリア     駐車ます数(ます)
(2)パチンコ店       延べ面積(㎡)
(3)駅・バスターミナル   乗降客数(人/日)
(4)図書館         定員(人)

正答 ➠ 4
 図書館は n=0.08A (Aは延べ面積)である。