令和4年 問題1〜10

問題 1配管に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)浄化槽の配管材料としては、一般に硬質塩化ビニル管を使用する場合が多い。
(2)浄化槽に使われる小口径の配管勾配は、一般に管径(mm)分の1程度とする。
(3)配管の起点における土かぶりは、荷重の掛かる場所では一般に20cm以上にすることが望ましい。
(4)配管上の留意点のーつとして、自動車等が通る場合は、スラブ打ちを行う。

正答 ➠ 3
 排水管の土被りは、原則として 20cm 以上で、荷重の掛かる場所では、必要な土被りを確保する、とある。「一般に20cm以上」ということではない。
 
問題 2 原水ポンプ槽に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)この機能は、汚水を一時的に貯留後、所定の位置まで揚水することである。
(2)水深を浅くすると、汚泥の堆積やスカムを形成しにくくなる。
(3)槽底部は、堆積した汚泥などを引き出しやすいように、傾斜を付けるとともに釜場を設けることが望ましい。
(4)原水ポンプ槽には、非常用ポンプを設けることが望ましい。

正答 ➠ 2  
 水深を深くとると、平面積が小さくなり、汚泥が溜まりやすく、その汚泥が圧密化、腐敗してガスを発生し、スカムになりやすい。
 
問題 3水質項目に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)大気と接している水の飽和溶存酸素濃度は、水温が高くなると低下する。
(2)BODは、試料水を20℃で7日間培養して減少した溶存酸素濃度で表す。
(3)CODは、水中の有機物質による汚濁の程度を表す指標として用いられる。
(4)大腸菌群数は、浄化槽内の好気性生物処理の過程で減少する。

正答 ➠ 2  
 BODは20℃で5日間。これは絶対に覚える。なので、昔はBOD5と書く場合もあった。
 
問題 4BOD除去率 95%の浄化槽の放流水のBOD(mg/L) として、正しい値は次のうちどれか。ただし、この浄化槽に流入する水洗便所汚水のBODは260 mg/L、雑排水のBODは180 mg/Lとし、水洗便所汚水量は10 m3/日、雑排水量は30 m3/日とする。
 
(1) 5
(2)10
(3)15
(4)20

正答 ➠ 2  
 まずはこの浄化槽に流入するBODを求める。①水洗便所汚水は10 m3で、BOD量が260×10=2600g。②雑排水は30 m3で、BOD量が180×30=5400g。
 流入BOD合計=2600+5400=8000g。これが10+30=40m3あるから、BOD濃度は8000÷40=200mg/L。
これが95%除去されるから、200×(1-0.95)= 10 mg/L
 
問題 5交流電気回路に設けた進相コンデンサによる力率改善の効果として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)電力供給設備余力の増加
(2)過電流事故の予防
(3)電路及び変圧器内の電力損失の軽減
(4)電圧降下の改善
 
正答 ➠ 2  
 過電流事故の予防はサーマルリレーで、熱動継電器とも言われる。サーマルリレーの役割は、三相モーターなどの負荷を焼損から守る(保護する)こと。
   
問題 6下図に示す等分布荷重を受ける片持ち梁のA点における曲げモーメントと、集中荷重を受ける片持ち梁のB点における曲げモーメントが同じになる梁の長さXとして、正しいものは次のうちどれか。ただし、等分布荷重を受ける片持ち梁と集中荷重を受ける片持ち梁の断面及び材質は同一とする。
 

正答 ➠ 1
 機械系の方でないとちょっと難しい。即、パスしましょう。
 少し粘って、まず左図は等分布荷重を「集中荷重に変換」する。すると、wLの集中荷重が梁の中心にくるので、A点の曲げモーメントは wL×L/2。右図では、B点での曲げモーメントは wL×X、つまり、A点とB点の曲げモーメントが同じになるのは、Xが梁の長さLの半分、L/2の時。
 
問題 7 鉄筋コンクリートに関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)コンクリートのアルカリ性により、鉄筋の錆を防止する。
(2)コンクリートに含まれる空気量は、耐久性に影響する。
(3)コンクリートの単位セメント量が少ないと、水和熱によるひび割れの原因となる。
(4)ジャンカは、鉄筋の錆の原因になりやすい。

正答 ➠ 3
 ジャンカとは、打設されたコンクリートの一部分が充てん不良によって、空隙の多くなった不良部分の事。水漏れ等を引き起こす。
 単位セメント量とは、コンクリートに含まれる1㎥当たりのセメントの質量で、セメントが少ないと十分な強度が得られず、水密性や耐久性の低下、ジャンカの原因にもなる。
 
問題 8「公共工事標準請負契約約款」に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。
 
(1)設計図書には別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が含まれる。
(2)約款に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
(3)契約の履行に関して用いる言語は、発注者及び受注者が協議して定めたものとする。
(4)受注者は、設計図書に基づいて請負代金内訳書及び工程表を作成し、発注者に提出し、その承認を受けなければならない。

正答 ➠ 3
 (総則)第一条の6に、「この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は、日本語とする」とある。
 
問題 9同一規模の浄化槽において、長時間ばっ気方式と比較した接触ばっ気方式の特徴として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)生物相の多様性が高く、食物連鎖が長い。
(2)BOD濃度が低い汚水の処理に有利である。
(3)生物反応槽における微生物の量を任意に調整することは困難である。
(4)沈殿槽で分離された汚泥を生物反応槽に返送する。

正答 ➠ 4
 沈殿槽で分離された汚泥は反応系から除去する。返送すると接触ばっ気槽の流動汚泥が活性汚泥状態になってしまう。
 
問題 10汚水処理に関連する項目と単位の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
  〔項目〕    〔単位〕
(1)電力量  ── kW
(2)圧力   ── Pa
(3)損失水頭 ── m
(4)ばっ気強度── m3/(m3・時)

正答 ➠ 1
 電力量は kWH で、いくらつかったか? だ。時間のファクターが大きい。