浄化槽概論
浄化槽行政
浄化槽の構造及び機能
浄化槽工事概論

問題1〜10

問題 1人為起源の温室効果ガスや温暖化と気候変動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)人為起源の温室効果ガスとしては、二酸化炭素、メタン、フロン、一酸化二窒素等があげられる。
(2)同一質量であれば、二酸化炭素はメタンよりも温室効果が高い。
(3)浄化槽の製造・設置・廃棄等の各過程において温室効果ガスが排出されるため、浄化槽の小型化は脱炭素化に資するといえる。
(4)世界の平均気温の長期的な上昇傾向が続くと、地域によっては多雨化もしくは乾燥化が生じる。
(5)浄化槽の使用状況によって、メタンや一酸化二窒素が浄化槽から発生する場合がある。

正答 ➠   
 二酸化炭素の分子量はCO2で12+2✕16=44。メタンガスはCH4で12+4✕1=16。同一質量とあるから、44としたらメタンの量は二酸化炭素の2.75倍ある。もともと温室ガス効果はメタンが二酸化炭素の20倍以上あるので、明らかにメタンの方が温室効果が高い。
 

問題 2地球上の水は、降水と蒸発散を繰り返しながら循環している。河川水の存在量が2兆㎥、年間流出量が4.3✕1013㎥ とした場合の河川水の平均滞留時間として、最も近い値は次のうちどれか。
 
(1)2 時間
(2)2 日
(3)2 週間
(4)2 か月
(5)2 年

正答 ➠   
 河川水量2兆㎥を年間流出量4.3✕1013で割ったら何年になるか? 桁が大きいが、計算すると2/43=0.04651年。地道にこれを日数にすると 16.9 日。つまり2週間と3日。
知識云々の問題ではなく、単に日数計算の問題。
 

問題 3貧栄養湖と富栄養湖に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
 
(1)水域の栄養塩類及び生物生産性は、貧栄養湖よりも富栄養湖の方が高い。
(2)底層水の貧酸素化は、富栄養湖よりも貧栄養湖で生じる。
(3)湖沼の透明度は、貧栄養湖よりも富栄養湖の方が高い。
(4)貧栄養湖では藍藻類が、富栄養湖では珪藻類が増殖する。
(5)アオコは貧栄養湖で発生する。

正答 ➠   
 湖沼の栄養塩類と微生物の問題は一つは出ると思ったほうがよい。(2)〜(5)はどれも真逆のことが書いてあるので、直感でこれに行き着く。
 

問題 4ウイルスに関する次の文章中の[   ]内の語旬のうち、最も不適当なものはどれか。
 
 ウイルスは、他の生物に[(1)寄生]し、その[(2)細胞]中だけで[(3)増殖]できる微小な構造体である。それ自体に[(4)代謝機能]はなく、DNAとRNAの[(5)両方]を有する。

正答 ➠   
 ウイルスには高等なDNAはない。これは覚えておく。
 

問題 5河川や湖沼における自浄作用に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)希釈・拡散により汚濁物質の濃度が低下する。
(2)微生物により有機物質が嫌気性分解される。
(3)有害物質が生物濃縮される。
(4)酸化・還元等により汚濁物質が分解される。
(5)汚濁物質が水底に沈殿する。

正答 ➠   
 自浄作用で「有害物質が生物濃縮される」なぁんてことはない。これでは自浄でなくなる。
 

問題 6下式は、パイプ内の流体の流れのエネルギー保存則を表したベルヌーイ式である。次の文章中の[    ]内の語句のうち、最も不適当なものはどれか。
 
   ρ:流体の密度、v:流速、g:重力加速度、
   h:鉛直方向の高さ、p:流体の圧力
 ベルヌーイ式は、流れが[(1)定常]で、流体とパイプ壁との間だけでなく、流体自体にも摩擦が作用しないような場合に成り立つ。式の左辺は、3種類のエネルギーを、水頭という[(2)圧力]で表している。第1項は[(3)密度水頭]、第2項は位置水頭、第3項は[(4)圧力水頭]といわれる。流れが[(1)定常]であるとき、これら3つの水頭の和である[(5)全水頭]が一定であることを示している。

正答 ➠   
 (3)は確かに流体の密度ρの関数だけど、速度の2乗が大きく、これを速度水頭という。
 

問題 7分離膜の種類に関する下表中の[ア]〜[オ]に入る語句の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 
    ア      イ       ウ      エ     オ  
(1)懸濁粒子  ナノろ過膜   限外ろ過膜  無機イオン  1〜10MPa
(2)無機イオン ナノろ過膜   限外ろ過膜  懸濁粒子   1〜10kPa
(3)懸濁粒子  限外ろ過膜   ナノろ過膜  無機イオン  1〜10MPa
(4)無機イオン 限外ろ過膜   ナノろ過膜  懸濁粒子   1〜10kPa
(5)懸濁粒子  限外ろ過膜   ナノろ過膜  無機イオン  1〜10kPa

正答 ➠   
 消去法で、アの精密ろ過では無機イオンは除去できないから、(1)(3)(5)が残る。エの逆浸透膜は高い圧力が必要なので(3)に行き着く。
 

問題 8汚水処理における生物作用と代謝様式の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 

正答 ➠   
 これは難しい。代謝は二つあって、大きな有機物がエネルギーを放出して小さいな無機物になるのが異化(呼吸)。逆に、無機物がエネルギーを吸収して有機物になるのが同化(光合成)。硝酸イオンを還元する時に、同時に有機物を分解して新たな脱窒細菌を作り出すから、これは同化。どうも解説ができない!
 

問題 9汚水処理の過程における沈降分離において、一般に懸濁粒子はストークスの式に従って沈降するといわれている。水中の粒子の沈降速度を示したストークスの式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)重力加速度は一定とみなせるので、沈降速度の変化を説明する因子とはならない。
(2)他の条件が同じならば、水の粘度が大きくなるほど、沈降速度は小さくなる。
(3)粒子の密度が水より小さいときには、浮力が重力より大きくなり、粒子は浮上する。
(4)他の条件が同じならば、粒子の密度が水より大きくなるほど、沈降速度は大きくなる。
(5)ある直径の粒子の沈降速度が 6m/日 であった場合、他の条件が同じで粒子の直径が2倍になると沈降速度は 12m/日 となる。

正答 ➠   
 ストークスの式から、粒子の沈降速度は粒子の直径の2乗に比例するから、(5)は2倍の2倍で24m/日になる。
 

問題 10生活排水処理の過程に出現する原生動物に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
 
(1)すべて 1μm 以下の大きさである。
(2)すべて単細胞生物である。
(3)主に微小後生動物を捕食する。
(4)すべて光合成を行う。
(5)主に汚濁負荷が高いときに出現する。

正答 ➠   
 原生動物は例外はありますが、単細胞生物です。