令和2年 問題1〜10

問題 1換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)機械換気システムは、室内で発生した熱、湿気、臭気や排ガス等の汚染物質の排除を目的として計画される。
(2)臭気や湿気の室外への拡散防止には、第3種換気方式が用いられる。
(3)ボイラ室において燃焼用空気の供給が必要な場合は、第2種換気方式が用いられる。
(4)自然換気は、第1種換気方式に含まれる。

正答 ➠ 4
 換気方法には「自然換気」と「機械換気」の二つある。自然換気は文字通り、自然の通風や空気の温度差による効果を利用するもの。機械換気の中には第1種換気として機械を使用して給気・排気を行うもの、第2種換気として排気は自然換気、給気を機械で行うもの、第3種換気として給気は自然換気で排気は機械で排風するものがある。

問題 2金属の腐食・防食に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)乾食は、金属が水や酸素と反応して錆び、表面が変化し損耗することをいう。
(2)孔食は、均一腐食に含まれる。
(3)湿食は、金属原子がイオン化することで起こる。
(4)防食設計は、腐食が起こる前の段階で最小限の被害に留めることを考慮したものである。

正答 ➠ 2  
 腐食を大別すると均一腐食と局部腐食に分けられる。均一腐食は全面に均一に腐食が進行し、腐食の速度は比較的緩やか。一方、孔食腐食のような局部腐食は均一腐食に比べて狭い範囲で速く進行する。

問題 3 富栄養化が進行した湖沼における変化として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)表層水における溶存酸素濃度の低下
(2)藻類の増加
(3)透明度の低下
(4)懸濁物質の増加
 

正答 ➠ 1  
 富栄養湖ではプランクトンや藻類が異常増殖し,懸濁物質が増加して透明度が低下する。ところが表層水中では、光合成により酸素が水中で生成するため、溶存酸素濃度が上昇する。

問題 4浄化槽において、BOD 210 mg/L、水量 150㎥/日 の生活排水を処理したところ、処理水のBODは 18 mg/L となった。この浄化槽の BOD除去量 と BOD除去率 の組み合わせとして、正しいものは次のうちどれか。
 
 〔BOD除去量〕  〔BOD除去率〕
(1)20.0 kg/日    80%
(2)28.8 kg/日    86%
(3)28.8 kg/日    91%
(4)31.5 kg/日    91%

正答 ➠ 3  
 まず、BOD除去量を求めると(210-18)×150=28800g つまり 28.8kg。ここで、mg/L = g/㎥ を憶えていると単位の換算が簡単になる。次にBOD除去率は (210-18)÷210=0.914 なので91.4%。
 BOD除去に関する基礎式の中の基礎式。これを落としたら、まず合格はない。

問題 5電気設備の機器と機能に関する語句の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
  〔機 器〕        〔機 能〕
(1)進相コンデンサ─ 欠相保護
(2)電磁接触器─ 電路の開閉
(3)配線用遮断器─ 短絡保護
(4)漏電遮断器─ 感電防止

正答 ➠ 1  
 進相コンデンサとは、交流回路において力率を改善するために挿入するコンデンサ。じゃー力率とは「電力を有効に使える割合」のこと。有効電力と無効電力を合わせたものを「皮相電力」といい、力率90%のとは、有効電力が90%、皮相電力が100%である。

問題 6下図に示す片持ち梁に集中荷重Pが作用する場合の曲げモーメント図として、最も適当なものは次のうちどれか。
 

正答 ➠ 2  
 分からなかったらまずは消去法で! 4は等分布荷重だからNG。3は固定端が最小になっているのでNG。1は自由端にもモーメントが発生しているのでNG。

問題 7鉄筋コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)コンクリートのワーカビリティーは、スランプ値が大きくなると低下する。
(2)鉄筋の折り曲げは、鋼材としての性能を変化させないため冷間で加工する。
(3)コンクリートが中鉄筋の重ね継手の長さは、鉄筋の径により異なる。
(4)水セメント比は、コンクリートの圧縮強度に影響する。

正答 ➠ 1  
 スランプ値は大きいと作業性は向上する。それだけ柔らかいコンクリートだ。

問題 8「公共工事標準請負契約約款」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 
(1)発注者は、監督員を置いたときは、その氏名を受注者に通知しなければならない。
(2)監督員は、設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成及び交付又は受注者が作成した詳細図等の承諾を行う権限を有する。
(3)発注者が監督員を置いたときは、約款に定める請求、通知、報告、申出、承諾及び解除については、設計図書に定めるものを除き、監督員を経由して行うものとする。
(4)発注者が監督員を置かないときは、約款に定める監督員の権限は、発注者と受注者とが協議して定める。

正答 ➠ 4  
 監督員は注文者の代理人として、請負わせた工事が設計図書に従って施工されているか否かを監督するもの。約款第九条の6に「甲が監督員を置かないときは、この約款に定める監督員の権限は、甲に帰属する。」とある。

問題 9生物膜法と比較した活性汚泥法の特徴として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)汚水の流量変動の影響を受けにくい。
(2)ばっ気槽内を浮遊している微生物によって汚水を処理する。
(3)沈殿槽で分離された汚泥をばっ気槽に返送する。
(4)微小後生動物のような大型の微生物が少ない。

正答 ➠ 1  
 活性汚泥法で一番難しいのが、汚泥(微生物)と水の分離。なので、分離工程でもっとも嫌なのが沈殿工程を狂わす流量の変動だ。

問題 10ばっ気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)ブロワからの空気を槽内に送り込む操作を、ばっ気という。
(2)酸素溶解速度は、溶存酸素濃度が低いほど小さくなる。
(3)飽和溶存酸素濃度は、水温が低いほど高くなる。
(4)ばっ気強度とは、槽の単位容量当たりの空気供給量である。

正答 ➠ 2  
 ここは簡単に逆だ。酸素が溶解する速度は、すでに溶存している酸素濃度が低いほど大きくなる。
 ホームに入ってきた電車が空いているほど乗り込みやすくなるのと同じ。