問題81〜90

問題 81pH 計の取り扱いに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)pH計の校正は、2種類の標準液を用いて行う2点補正法が一般的である。
(2)pHの測定後、電極は乾燥しないように水を入れたキャップをかぶせておく。
(3)電極が汚れた場合には、塩酸、アルコールなどで洗浄する。
(4)電極の内部液の補充には、水酸化カリウム溶液を用いる。
(5)電極の校正に用いる標準液は、できるだけ新しいものを用いる。

正答 ➠   
 電極の内部液の補充には 3.3mol の塩化カリウム溶液を使う。
 

問題 82水面積が3.5 ㎡の直方体の原水ポンプ槽で、測定開始時の水位が1.5 m、60分後の水位が2.5 m、この間の原水ポンプ槽からの流出水量が2.5 ㎥の場合、原水ポンプ槽への流入汚水量(㎥/時)として正しい値は次のうちどれか。
 
(1)1.0
(2)2.0
(3)4.0
(4)6.0
(5)8.0

正答 ➠   
 60分間の水位変動からその水量変動は(2.5-1.5)×3.5=3.5㎥ で、この間にこの槽から流出したのが2.5㎥なので、この間の流入汚水量(㎥/時)は3.5+2.5=6㎥
 

問題 83ORP に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)溶液の酸化力や還元力の強さを表す指標である。
(2)電極は、白金電極と比較電極から構成されている。
(3)電極は、定期的に標準液でスパン校正しなければならない。
(4)ORP 標準液には、フタル酸水素カリウムにキンヒドロンを加えた液等が用いられる。
(5)劣化した電極は、電極の表面を軽く研磨して再生する。

正答 ➠   
 Oは酸化(Oxidation)のOで、Rは還元(Reduction)のR。このORPの測定ではpH計と違い、スパン校正をしない。【重要】
 

問題 84下記のBOD を算出する式における記号の説明について、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
   (a)植種を行わないとき
     BOD(mg/L)=(DO1−DO2)×希釈倍率
   (b)植種を行うとき
     BOD(mg/L)=[(DO1−DO2)−DOA]×希釈倍率
     DOA=植種液のBOD(mg/L)× A/B
 
(1)DO1:希釈試料を調整してから15 分後の溶存酸素濃度(mg/L)
(2)DO2:培養2日目の溶存酸素濃度(mg/L)
(3)DOA:希釈試料中の植種液による溶存酸素の消費量(mg/L)
(4) A :希釈試料中の植種液量(mL)
(5) B :希釈試料量(mL)

正答 ➠   
 DO2だからといって、培養2日目の溶存酸素濃度はないね。BODはとにかく5日間で、BODとも書く。
 

問題 85浄化槽放流水に関する一日の平均水質を知りたい場合、混合試料を用いることが最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)BOD
(2)残留塩素
(3)アンモニア性窒素
(4)全リン
(5)ヘキサン抽出物質

正答 ➠   
 残留塩素は非常に不安定(ここ大事)なので、現地で測定したものがすべて(現場測定項目という)。持ち帰った混合試料での測定はNG。
 

問題 86水温に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)水温は、生物処理に関与する微生物の活性に影響を与える。
(2)飽和溶存酸素濃度は、水温が低いほど高い。
(3)消毒剤の溶解速度は、水温に影響されない。
(4)水温は、透視度、pH、DO とともに現場測定項目である。
(5)容器に採取した試料水の水温を計測すると、外気温や直射日光の影響を受ける。

正答 ➠   
 これは影響を受ける。水道水を沸騰させると塩素が飛んで美味しくなる・・・なんてことを昔からやっている。
 

問題 87塩素消毒に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
 
(1)消毒後に残留塩素が検出されれば、放流水中の大腸菌群は検出されることはない。
(2)処理水中のアンモニア性窒素濃度が高いと、塩素消費量が多くなる。
(3)放流水中に硝酸塩が存在している場合には、残留塩素の測定試薬と反応して類似の呈色をする。
(4)一般に、ウイルスの耐塩素性は大腸菌より低い。
(5)塩素消毒は、クリプトスポリジウムにも効果的である。

正答 ➠   
 塩素はアンモニアと反応するので、これが高いと塩素消費量が多くなる。
 

問題 88通常の使用状態の分離接触ばっ気方式の浄化槽において、除去率の高い順に並べた水質項目の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 ただし、≒ は、ほぼ等しいことを示す。
 
(1)BOD ≒ SS > COD > 窒素
(2)BOD > COD > 窒素 > SS
(3)SS > 窒素 > COD > BOD
(4)SS > COD > 窒素 > BOD
(5)COD > BOD > SS ≒ 窒素

正答 ➠   
 これは難しいなぁ。BODと窒素は比較的勉強する機会が多いが、CODとSSはどうもピンとこない。まあ、浄化槽は有機物処理でその指標はBODだし、流入のSSも高そうだ。それに窒素は単に酸化(硝化)するだけで除去はできない。ということから1に収まる(ちょっと苦しいか?)。
 

問題 89戸建て住宅において、みなし浄化槽(単独処理浄化槽)から浄化槽(合併処理浄化槽)に入れ替えた場合、その住宅から放流されるBOD負荷の減少量(g/(人・日))として、最も近い値は次のうちどれか。
 ただし、浄化槽の設計条件は以下のとおりとする。
 
   〔条 件〕
   し尿のBOD負荷量     :13 g/(人・日)
   雑排水のBOD負荷量    :27 g/(人・日)
   みなし浄化槽のBOD除去率 :65 %
   浄化槽のBOD除去率    :90 %

(1)18
(2)23
(3)28
(4)32
(5)36

正答 ➠   
 双方の放流されるBODを算出する。まず単独では、し尿で 13×(1-0.65)=4.55 これに雑排水の27が加わるので、4.55+27=31.55g。次に合併では、(13+27)×(1-0.9)=4 つまり31.55-4=27.55g が削減される。
 

問題 90みなし浄化槽(単独処理浄化槽)に関する次の文章中の[ ア ]〜[ ウ ]に入る語句の組み合わせとして、最も適当なものはどれか。
 
 [ ア ]は微生物作用によって変化を受けないので、水洗便所における希釈倍率を算定するのに用いることができる。装置の容量は、[ イ ]を標準として決定されており、希釈倍率が大きいとばっ気室における滞留時間が[ ウ ]なり、処理水のBODが高くなる可能性がある。
 
     ア      イ     ウ
(1)塩化物イオン  20倍希釈  短く
(2)塩化物ィオン  20倍希釈  長く
(3)塩化物イオン  50倍希釈  短く
(4)硝酸性窒素   20倍希釈  長く
(5)硝酸性窒素   50倍希釈  短く

正答 ➠   
 微生物作用によって変化を受けないのは塩化物イオンなので、4と5は消える。希釈倍率は50倍なんだけど、これは知らないと解けない。