令和元年 問題1〜10

問題 1流体に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)給水設備における水は、粘性・非圧縮性の流体として扱われる。
(2)層流とは、流体粒子が流線に沿って乱れることなく流れることをいう。
(3)流体には、エネルギー保存の法則が成り立つ。
(4)レイノルズ数は、流体の流れが層流であるか乱流であるかを判定するために用いられる。

正答 ➠ 1
 給水設備、つまり水道の配管設備の計画では、水は非粘性・非圧縮性で扱う。厳密には非粘性の流体などないが、粘性の影響を無視できる範囲で扱っている。
 また、流体の密度は圧力によって変化するが、その変化が無視できる程小さい場合、その流体を非圧縮性流体という。
 
問題 2ポンプに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)ポンプにより発生する送水圧力を全揚程という。
(2)ポンプを運転するために必要な動力は、吐出し量、全揚程、流体の速度から求められる。
(3)水面より高い位置に設置したポンプが水を吸い上げることができるのは、水面に大気圧が作用しているためである。
(4)キャビテーションが生じた状態でポンプを運転すると、エロージョンを起こす原因となる。

正答 ➠ 2  
 ポンプの動力は、浄化槽の汚水程度なら、吐き出し量(揚水量)と全揚程でほぼ決まるが、これに管路抵抗、ポンプ効率が絡む。最後の流体の“速度”がよく分からないなぁ?
問題 3浄化槽に適用されている膜分離に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)分離膜の細孔の大きさによって対象物質を分離する。
(2)分離膜の形状には、平膜型、管状型及び中空糸型等がある。
(3)精密濾過膜は、クリプトスポリジウム汚染対策に効果がある。
(4)精密濾過膜は、溶解性高分子を分離濃縮できる。

正答 ➠ 4  
 精密濾過膜(MF)の孔は限外ろ過膜(UF)よりも大きく、溶解性の高分子は分離できない。クリプトスポリジウムの大きさは4~6μmもあるのでろ過できる。
 
問題 4嫌気濾床槽の有効容量が 1.5 ㎥ のとき、流入水量を 1.0 ㎥/日とすると、平均滞留時間として正しい値は、次のうちどれか。
 
(1)12 時間
(2)16 時間
(3)24 時間
(4)36 時間

正答 ➠ 4  
 槽容量が1.5㎥で、流入量が1日に1.0㎥だから、その滞留日数は1.5日。つまり24時間の1.5倍で36時間になる。このレベルの問題を落とすと合格は望めない。
 
問題 5三相誘導電動機に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)電動機の電源線のうち、2本の線の接続を入れ替えると、回転方向は逆になる。
(2)電動機が同一の場合、回転数は電源の周波数に反比例する。
(3)電動機のトルクは、電源電圧が低下すると小さくなる。
(4)電動機の始動電流は、定格電流より大きくなる。

正答 ➠ 2  
 電動機の始動電流(回り始め)は、定格電流より大きくなる。
 
問題 6下図の片持ち梁 A、Bにおいて、梁の許容荷重の比 Pa/Pb の値として、正しいものは次のうちどれか。ただし、梁 A、Bの材料は同一とする。
(1)0.5
(2)1.0
(3)2.0
(4)4.0

正答 ➠ 3  
 梁の強度は、梁の幅に比例し、梁の高さ(梁せい)の2乗に比例する。なので、幅からいえばBはAの2倍の強さがあるが、高さからいえばAはBの4倍の強さがある。なので、Aが4/2(2倍)強い。
 
問題 7鉄筋コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)コンクリートが圧縮応力を負担し、鉄筋が引張応力を負担する。
(2)常温では、コンクリートと鉄筋の熱膨張率はほぼ等しい。
(3)コンクリートが中性化することにより、鉄筋の腐食を防止できる。
(4)鉄筋は、丸鋼より異形鉄筋の方がコンクリートに対する付着性がよい。

正答 ➠ 3  
 コンクリートは弱アルカリ性なので鉄筋の腐食が防げる。
 
問題 8「公共工事標準請負契約約款」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 
(1)受注者は、工事を完成したときは、その旨を発注者に通知しなければならない。
(2)発注者は、工事完成の通知を受けたときは、通知を受けた日から十四日以内に受注者の立会いの上、設計図書に定めるところにより、工事の完成を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を受注者に通知しなければならない。
(3)工事の完成を確認するための検査又は復旧に直接要する費用は、工事目的物の引渡しを受ける発注者の負担とする。
(4)発注者は、検査によって工事の完成を確認した後、受注者が工事目的物の引渡しを申し出たときは、直ちに当該工事目的物の引渡しを受けなければならない。

正答 ➠ 3  
 第三十一条(検査及び引渡し)の3に、検査又は復旧に直接要する費用は、乙(請負人)の負担、とある。
 
問題 9次の処理法のうち、生物膜法に分類されないものはどれか。
 
(1)嫌気濾床法
(2)回転板接触法
(3)接触ばっ気法
(4)長時間ばっ気法

正答 ➠ 4  
 長時間ばっ気法は活性汚泥法の一つ。他に、標準活性汚泥法がある。いずれも、活性汚泥が槽内を回遊している。
 
問題 10配管内を水が満たされた状態で流れている場合の損失水頭に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)管の内径が小さいほど、損失水頭は小さくなる。
(2)管の長さが長いほど、損失水頭は大きくなる。
(3)管の内壁が滑らかなほど、損失水頭は小さくなる。
(4)管の曲がりの箇所が多いほど、損失水頭は大きくなる。

正答 ➠ 1  
 損失水頭が大きいとは、流れにくくする要素があること。管径が細い、長さが長い、内壁が滑らかでない、曲がりが多い・・・とか。