問題31〜40

 
問題 31性能評価試験の試験方法に関する下表の内の記述のうち、誤っているものはどれか。
 

正答 ➠   
 (財)日本建築センター発行の「浄化槽の性能評価方法(追記・解説版)」によると、家庭用浄化槽では、処理水量は 2m3/日 以下、とある。
 こういう問題は端から落としてもいいでしょう。メーカーの開発部門が知っているべき知識だ。まあ、恒温短期の評価、とあるから、2〜3人分しかない規模では、心もとない!と感じればそれでいいです。

 
問題 32構造例示型浄化槽のホッパー型沈殿槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)処理対象人員 31人 以上の浄化槽に設置される。
(2)ホッパーは水平面に対し 60度 以上の勾配とする。
(3)有効水深は水面からホッパー部の上端までの水深をいう。
(4)沈殿槽内における水面の日平均上昇速度を表すものが、水面積負荷である。
(5)スカムスキマが設置されている。

正答 ➠   
 沈殿槽のあちこちにこの件は出てくる。とにかく水面からホッパー深さの1/2までを有効水深という。じゃーその1/2の下の部分は何? →ここは汚泥溜まりだ。
 

 
問題 33 構造基準(建設省告示第1292号、最終改正 平成18年1月 国土交通省告示第154号に定める構造方法)の第6に示された処理方式と処理対象人員の組み合わせとして、誤っているものは次のうちどれか。
 
    処理方式     処理対象入員
(1)回転板接触方式  ―   51人以上
(2)接触ばっ気方式  ―   51人以上
(3)長時間ばっ気方式 ― 101人以上
(4)散水ろ床方式   ― 501人以上
(5)標準活性汚泥方式 ― 501人以上

正答 ➠   
 この問題も、5つの選択肢を全部覚えることはないでしょう。過去何回も出ているのは標準活性汚泥法で、これは処理対象人員が5001人以上と大規模のものだ。
 

 
問題 34ある浄化槽の二次処理水の COD を低減するため、5種類の粒状活性炭による COD 吸着特性を求めたところ、下図に示す COD の平衡濃度(mg/L)と平衡吸着量(g-COD/kg-粒状活性炭)の関係が得られた。この結果に基づくと、COD 50 mg/L の二次処理水 100L を COD の平衡濃度 10 mg/L とするための必要量が最も少ない粒状活性炭は、(1)〜(5)のうちどれか。
 

正答 ➠   
 計算問題と思いこんで、すぐ捨ててはいけない。CODを10mg/Lに処理するので、横軸のCODの平衡濃度(mg/L)の10の位置を見る。すると、縦軸が平衡吸着量(g-COD/kg-粒状活性炭)だから、これが最も大きいと、少ない活性炭で効率よく吸着できる。当然ながら、一番上の線の活性炭がもっとも優れている。だから(1)だ。
 

 
問題 35流入側の点検升に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)屋内への臭気の進入を防止するため、すべてトラップ升にしなければならない。
(2)雨水等が入らないように密閉できる蓋を設けなければならない。
(3)起点、屈曲点、合流点に設けなければならない。
(4)直線部分においても管路の点検や清掃が行える問隔で設けなければならない。
(5)内径は、原則 30 cm以上とし、円形または角形にしなければならない。

正答 ➠   
 トラップ升の問題。これは室内側の設備にトラップがない場合に、屋外の升にトラップをつけよ、というもの。だから、室内側にトラップがある場合は必要ない。逆に、つけると“ダブルトラップ”の問題が発生し、臭気が室内に逆流することもある。
 

 
問題 36浄化槽に関する用語とその説明の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
    用 語            説  明
(1)比表面積      接触材やろ材の見かけの体積1㎥当たりの表面積
(2)ドラフトチューブ  旋回流形成のためにばっ気槽の中心部に設ける縦型の円筒
(3)センターウェル   ホッパー型沈殿槽で流入水を均等に分散させるための筒
(4)水かぶり      接触ばっ気槽における接触材押え面と最大汚水流入時の水面との距離
(5)釜場        水や汚泥の引き出しなどのために水槽等の底部に設けるくぼみ

正答 ➠   
 接触材上部と水面よの距離が「水かぶり?」。あまり聞いたことがない用語なので、これは間違いにしよう。なお、沈殿槽のセンターウェル(整流筒)は、ホッパー型に限らず汚泥掻寄機型でも用いられる。
 

 
問題 37下図に示す構造の間欠定量ポンプに関する記述として、最も適当なものは次のうちどれか。
(1)間欠定量ポンプに接続されているブロワは、運転・停止のタイマ制御が行われている。
(2)空気配管途中の調整用バルブの開度を調整することにより、単位時間当たりの移送水量を調整する。
(3)このタイプは、水面の上に設置しても揚水することができる。
(4)ポンプ内に汚水を流入させるためには、空気の供給を止める必要がある。
(5)このポンプの1サイクルは、①、③、②の順である。

正答 ➠   
 タイマや電磁弁は使わないし、シンプルでいい。順序も①②③でいい。満水になったら、空気圧で揚水するから、水面下に設置する必要がある。
 

 
問題 38鉄電解方式のリン除去型小型浄化槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)鉄電極に直流電流を通電する。
(2)陽極から鉄イオンが溶出する。
(3)溶出した鉄イオンは還元される。
(4)鉄イオンとリン酸イオンが反応してリン酸鉄となる。
(5)鉄電極は定期的な交換が必要である。

正答 ➠   
 陽極から鉄イオンFe2+が溶出し、これが溶存酸素でFe3+に酸化される。これがリンPO43-と反応して、不溶性のリン化合物になって沈殿除去される。
 

 
問題 39下に示すア〜オの汚泥脱水機のうち、ろ布を使用する脱水機の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 
ア.多重円盤型脱水機
イ.加圧脱水機
ウ.遠心濃縮型脱水機
エ.ロータリードラムスクリーン
オ.ベルトプレス
 
(1)ア、ウ
(2)イ、エ
(3)イ、オ
(4)ウ、エ
(5)エ、オ

正答 ➠   
 加圧脱水機とベルトプレスは濾布という布を使用する。汚泥ケーキの含水率は、遠心式→真空式→加圧式となるにつれて少なくなるが、その分設備費も高くなる。
 

 
問題 40生物処理による窒素除去方法について、構造基準(建設省告示第1292号、最終改正 平成18年1月国土交通省告示第154号に定める構造方法)に示す処理方式及び大臣認定浄化槽における次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)BOD 除去、硝化、脱窒を同一反応槽で行う方法として、大臣認定浄化槽には間欠ばっ気法がある。
(2)脱窒とそれに伴う BOD 除去を同一反応槽で行い、硝化は別の反応槽で行う方法として、脱窒ろ床接触ばっ気方式、硝化液循環活性汚泥方式がある。
(3)BOD 除去、硝化、脱窒を別々の反応槽で行う方法として、三次処理脱窒・脱リン方式がある。
(4)構造基準告示で示される窒素除去型浄化槽の放流 T-N の性能は、すべて T-N 20 mg/L に設定されている。
(5)構造基準告示で示される窒素除去型浄化槽は、すべて好気条件と嫌気条件を組み合わせた生物処理による硝化・脱窒反応を利用している。

正答 ➠   
 構造基準の告示の第9で窒素20mg/l、第10で15mg/l、第11で10mg/lとなっている。とにかく、告示で示される窒素除去型浄化槽は、すべて『好気条件と嫌気条件を組み合わせた』生物処理による硝化・脱窒反応を利用していることは覚えておく。