問題21〜30

問題 21 浄化槽を構成する処理工程(単位操作)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)沈殿分離槽では、汚水中の固形物を沈殿分離・貯留する。
(2)ばっ気槽では、汚水中の汚濁物質を好気性微生物によって分解する。
(3)沈殿槽では、浮遊物質を沈降させ、清澄な処理水を得る。
(4)消毒槽では、微生物を完全に殺滅する。
(5)汚泥濃縮槽では、余剰汚泥を減容化する。

正答 ➠   
 消毒槽では、微生物を完全に殺滅することはできないし、浄化槽ではその必要もない。。
 

問題 22 浄化槽におけるBODの収支は、次式で表される。ただし、浄化槽での生成BOD量は無視した。
 
 容量2.0㎥の浄化槽に1日に流入したBOD量が200g/日、流出したBOD量が20g/日、蓄積したBOD量が20g/日であった。この浄化槽のBOD消滅速度(kg/(㎥・日))として、正しい値は次のうちどれか。
 
(1)0.08
(2)0.10
(3)0.16
(4)0.18
(5)0.20

正答 ➠   
 BOD消滅速度なぁんて、あまり使わないなぁ。まあ、単位をよく見て計算しよう。ブロック図の式から、消滅BOD量は160g 。容量は2㎥だから 消滅速度は160g/2=80g/㎥・日。最後にgをkgに換算する。
 

問題 23 下に示す図1のように、底面積が2㎡、深さが3m の水槽に排水ポンプが設置されており、排水ポンプの起動水位は0.5mであり、1㎥/時の流量で排水する。この水槽の初期の水位が0.5m で、図2に示すように流入水量が時間変化した場合、水槽内の水位の変化を表す図として、最も適当なものは次のうちどれか。
 

正答 ➠   
 ここは消去法で。まず、このポンプ槽の有効容量はどのくらいだろう。底面積×有効水深=2×(3-0.5)=5㎥、最初の1時間に3㎥流入して、1㎥排出されるから2㎥が貯まる。2㎥は水深1m分で、起動水位0.5mを加えて1.5m水深。これを下の水位図でみると、1と4と5が残る。次に2時間後なら、5㎥流入して2㎥排出だから3㎥が残っている。これで水位は1.5m、これに起動水位0.5mを加えて2m。これで1か5に絞られた。ここでハタと気づく、2時間後から3時間までは流入がないのに、5は水位が下がらない。ということで、1に辿り着く、
 

問題 24 生物膜法で出現する微小後生動物に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)輪虫類、貧毛類、昆虫類が含まれる。
(2)活性汚泥法の生物相と比較して多様性が低い。
(3)微生物生態系の栄養段階では、最も高位に位置する。
(4)汚泥生成量を抑制するはたらきがある。
(5)汚水処理の良否を判断する指標となる。

正答 ➠   
 生物膜法の特徴は活性汚泥法と比較して、とにかく生物相の多様性が高いこと。
 

問題 25 水の混合状態が完全混合とみなすことができる装置として、最も適当なものは次のうちどれか。
 
(1)沈殿槽
(2)砂ろ過装置
(3)接触ばっ気槽
(4)オキシデーション・ディッチ
(5)消毒槽

正答 ➠   
 とにかくバシャバシャと前後左右上下に思いっきり撹拌されていること。これが完全混合。
 

問題 26 現行の構造基準(建設省告示第1292号)が昭和55年に制定されてから現在に至るまでの改正の経緯に関する次の文章中の[   ]内の記述のうち、誤っているものはどれか。
 
 放流水のBOD 20 mg/L以下の構造については、昭和63年に[(1)小型浄化槽]の基準、平成3年に処理対象人員 [(2)51人以上500人以下]の基準が追加された。また、平成7年に[(3)高度処理型浄化槽]の構造が追加された。平成12年には浄化槽の性能規定化が図られるとともに、[(4)単独処理浄化槽]の構造が削除された。平成18年には [(5)告示第4及び第5の構造] が削除された。

正答 ➠   
 この年に構造基準の第二及び第三が削除された。第二はBODの除去率が70%以上及び放流水のBODが60mg/L以下である性能。第三は除去率が85%以上及び放流水のBODが30mg/L以下である性能
 

問題 27 店舗・マーケツトの処理対象人員の算定を行う際の留意事項として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)24時間営業の店舗の場合、算定人員は12時間営業の店舗の2倍とする。
(2)建築物の床面積に対しておおむね20%以上を飲食店が占めている場合は複合用途扱いとし、飲食店部分の処理対象人員を別途加算する。
(3)店内に食品売り場や飲食店が併設されている場合は、その汚水も浄化槽に流入させる。
(4)家具等の専門店で、売り場面積に対して客数が非常に少ないことが明らかな場合は、その部分について一般店舗より少ない処理対象人員としてよい。
(5)処理対象人員には、従業員数も含まれる。

正答 ➠   
 平成26年にも同じ出題があった。夜間の買い物客の数が昼と同じというのはあり得ない。一般の飲食店は10時間/日だが、24時間営業は水量が1.5〜2倍になると予想されるので、ここは実態に合わせるのが妥当。
 

問題 28 構造基準(建設省告示第1292号、最終改正平成18年月国土交通省告示第154号に定める構造方法)に示されている嫌気ろ床接触ばっ気方式の浄化槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)嫌気ろ床槽を2室に区分する場合、第1室は第2室より大きくする。
(2)嫌気ろ床槽第1室のろ材の汚泥捕捉性が強い場合、ろ材を比較的浅い位置に充填(じゅうてん)する。
(3)接触ばっ気槽の接触材充填率は、おおむね55%とする。
(4)接触ばっ気槽を2室に区分する場合、第1室の逆洗後のはく離汚泥は、ポンプ等により強制的に移送できる構造とする。
(5)接触ばっ気槽の有効容量が一定の大きさを超える場合、消泡装置を設ける。

正答 ➠   
 オーソドックスな構造基準の問題。2は逆なんだ。捕捉性が強いということは、ろ材上部に汚泥が集中するので、ろ材を低めに充填して、ろ材の上の空間を少しでも大きくする。そんなイメージでいい。
 

問題 29 次のア〜オに示す排水の変動パターン例に対応する建築物の組み合わせとして、最も適当なものはどれか。ただし、共同住宅は4世帯15人、喫茶店の浄化槽は処理対象人員23人、工場の稼働は9時間である。
 
    ア     イ     ウ   エ    オ
(1)共同住宅  喫茶店   ホテル  事務所  工場
(2)喫茶店   共同住宅  工場   事務所  ホテル
(3)共同住宅  喫茶店   事務所  ホテル  工場
(4)共同住宅  喫茶店   ホテル  工場   事務所
(5)喫茶店   共同住宅  事務所  ホテル  工場

正答 ➠   
 これも消去法で。まず簡単なのから考えてみる。オは8時から17時までの流入→工場だ。イは開店してお昼にピーク、夜は流入がない→飲食店=喫茶店だ。これで1か3。ウは夜間にも流入があるのでホテル。これで1に行き着く。
 

問題 30 下式は流量調整槽の必要容量の算定式である。Q =96㎥/日、T=8時間、K=1.0 としたとき、流量調整槽に必要な滞留時間(時間)として、正しい値は次のうちどれか。
 
(1)10
(2)12
(3)14
(4)16
(5)18

正答 ➠   
 与えられた式に数値を入れて出てきた容量は V=64㎥。これから滞留時間は64÷96×24=16時間