浄化槽概論
浄化槽行政
浄化槽の構造及び機能
浄化槽工事概論

問題1〜10

問題 1 下図は、富栄養化による水質汚濁が起きやすい閉鎖性水域における物質循環を模式的に示している。図中の[ ア ]〜[ エ ]に入る語句の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 
      ア      イ         ウ       エ
(1)動物プランクトン 大型動物     植物プランクトン 細菌類
(2)植物プランクトン 細菌類      動物プランクトン 大型動物
(3)動物プランクトン 植物プランクトン 細菌類      大型動物
(4)植物プランクトン 動物プランクトン 大型動物     細菌類
(5)動物プランクトン 植物プランクトン 大型動物     細菌類

正答 ➠   
 アの左に“光合成”の文字があるので、アは植物性プランクトンだと分かる。イはこれを食するので動物性プランクトンだ。これで4に行き当たる。大型動物というのは“魚”と考えてよい。
 

問題 2 水資源と水利用に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)地球上の淡水のほとんどは、氷河と地下水として存在している。
(2)我が国の年平均降水量は、世界平均値より多い。
(3)水資源賦存(ふぞん)量は、降水量に当該地域の面積を乗じて求めた値である。
(4)我が国の一人当たりの水資源賦存量は、世界平均値より小さい。
(5)我が国の農業用水の取水量は、工業用水の取水量より多い。

正答 ➠   
 いきなりの水資源賦存量、これは人間が最大限利用可能な水の量で、降水量から蒸発量を引いたものに当該地域の面積を乗じて求めたもの。我が国は面積が小さい分、賦存量は小さくなる。
 

問題 3 CO2排出量は、社会・経済の状況に大きく影響される。下表は、我が国の部門別CO2排出量の推移(電気・熱配分後排出量)を示したものである。表中の(ア)〜(エ)の部門の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 
    ア     イ       ウ      エ
(1)産業部門 業務その他部門 運輸部門    家庭部門
(2)運輸部門 産業部門    家庭部門業務  その他部門
(3)産業部門 運輸部門    業務その他部門 家庭部門
(4)運輸部門 産業部門    業務その他部門 家庭部門
(5)産業部門 運輸部門    家庭部門業務  その他部門

正答 ➠   
 難しいなぁ。産業部門や業務その他部門の定義が…………。ウとエが増加で、アとイは減少の傾向。また、数値の大きさからして、アは産業部門(モノづくり)でエは家庭部門かな、と。すると3。
 

問題 4 水質汚濁に関する物質とその影響の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
    物 質        影 響
(1)ミクロキスチン ─ 肝障害
(2)硝酸性窒素   ─ メトヘモグロビン血症
(3)カドミウム   ─ 中枢神経疾患
(4)メチル水銀   ─ 水俣病
(5)フミン質    ─ トリハロメタンの生成

正答 ➠   
 中枢神経疾患とは“脳あるいは脊髄に関する疾患”のことで、代表が脳卒中。すると、カドミウムが原因のイタイイタイ病とは繋がらない。アオコに含まれるミクロシスチンは強い肝臓毒活性を示す。
 この年度の問題1〜4は難しい!
 

問題 5 生活排水処理施設の種類、設置する地域・場所及び設置主体の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 

正答 ➠   
 農業集落排水はおおむね 1,000人 程度の小規模のもの。
 

 
問題 6 ろ過に関する次の文章中の[    ]内語句のうち、最も不適当なものはどれか。
 
 砂ろ過において、ろ過速度(m/時)はろ層両端の圧力差に[(1)比例]し、砂層の厚さに[(2)比例]する。このときの比例係数は[(3)透水係数]といわれる。砂の粒径が[(4)小さい]ほど、また空隙率が[(5)小さい]ほど、ろ過速度は遅くなる。

正答 ➠   
 なんとなくでいいから、砂の層の厚さをが厚くしていけば、抵抗が大きくなり、その結果、ろ過速度は小さくなる(反比例する)ような気がすればいい。
 

問題 7 酸化還元反応に関する次の文章中の[ ア ]〜[ オ ]に入る語句の組み合わせとして、最も適当なものはどれか。
 
 酸化還元反応において、[  ア  ]とは物質が電子を失うことであり、[  イ  ]とは物質が電子を得ることである。次の化学式で示されるように、硫酸イオンは[  ウ  ]な条件下で微生物のはたらきにより[  エ  ]され、有機物質である酢酸が[  オ  ]されることで硫化水素を生成する。
     SO42- + CH3COOH → H2S + 2CO2 + 2OH-

   ア  イ   ウ   エ   オ
(1)酸化  還元  好気的  還元  酸化
(2)還元  酸化  嫌気的  還元  酸化
(3)酸化  還元  嫌気的  還元  酸化
(4)還元  酸化  好気的  酸化  還元
(5)酸化  還元  嫌気的  酸化  還元

正答 ➠   
 アは物質が電子(マイナス)を失ない、プラスサイドに振れるから“酸化”。これで2と4が消える。硫酸イオンはドブ川の川底あたりで嫌気的な条件の元で還元され、酢酸が酸化されて硫化水素(H2S)を生成する。
 

問題 8 微生物が一定の時間ごとに2分裂で増えるとき、異なる時刻 t0t1 におけるそれぞれの微生物濃度X0、X1を測定すると、次式を使って比増殖速度(μ)を求めることができる。
 
 倍化時間(微生物量が2倍に増加するのに要する時間)が20分の場合、(t1 - t0) = 20分で X1/X0=2 となる。このときの微生物の比増殖速度(1/日)として、最も近い値は次のうちどれか。ただし、ln2 = 0.693とし、水温やpH などの環境条件は微生物にとって最適で、微生物の増殖に必要な基質は十分あるものとする。
(1)  5
(2)10
(3)22
(4)50
(5)72

正答 ➠   
 難しい問題だけど、ln2=0.693が提示されているので、式は 0.693=μ×20分 となる。比増殖速度の単位は(1/日)だから、20分を日にして 1/(20÷60÷24)=0.01389日。よって、μ=0.693÷0.01389=49.89(1/日)
 単に式に代入するだけだけど、すごく難しい問題のような気がしちゃう。
 式がある計算問題は簡単に捨てないで、とにかくチャレンジしましょう。
 

問題 9 凝集に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)粘土粒子のような微細な粒子を、コロイド粒子という。
(2)汚濁物質中の多くのコロイド粒子は、その表面に正の電荷がある。
(3)コロイド粒子表面の荷電を中和すれば反発力がなくなり、大きな凝集粒子に成長する。
(4)凝集剤は、コロイド粒子表面の荷電の中和と凝集体の安定化のために用いられる。
(5)凝集粒子がさらに大きな粒子にまで成長することを、フロック化という。

正答 ➠   
 コロイド粒子の表面はマイナスに帯電している。こういうのは、覚えているかどうか?だけの問題。
 

問題 10 単位に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)1nmは、1μmの1,000分の1である。
(2)1mg/Lは、1g/㎥である。
(3)1Aは、1,000 mAである。
(4)1kgは、1,000,000mgである。
(5)1‰は、1%の1,000分の1である。

正答 ➠   
 %パーセントは100分の1で、‰パーミリは1000分の1。つまりミリはセントの10分の1。