構造−処理方式の実際

 浄化槽の処理方式の実際と構造方法(旧構造基準)

 以上の単位装置を組み合わせて各種の浄化槽が造られている。ここでは構造方法(例示仕様)と絡めて解説する。

小規模合併処理浄化槽

 処理対象人員が50人以下を小規模合併処理浄化槽と呼ぶ。性能はBOD除去率90%以上、処理水のBOD20mg/L以下であり、構造方法第2(BOD60mg/L以下)、第3(BOD30mg/L以下)の大きな合併槽より性能が高く、第6と同じ性能である。

①分離接触ばっ気方式(構造方法第1の1)

 沈殿分離槽が2室に分けられていることは憶える。

 後出の嫌気方式との容量比較では、沈殿分離槽は嫌気濾床槽より5人槽で1.0m3大きいことが重要。5人槽の全容量は 3.8 m3である。


②嫌気濾床接触ばっ気方式(構造方法第1の2)

 小型合併処理浄化槽で始めて出てきたのがこの方式である。沈殿分離槽に濾材が充填された物と見ればよい。この濾材で汚水中の有機物を除去し、この有機物を嫌気的に分解する。従ってこの槽の汚泥は有機物が少なく、汚泥量も少ない。有機物が少なくなることを汚泥の無機化または安定化という。

 以上から、5人槽の場合嫌気濾床槽は沈殿分離槽より1.0 m3 小さい。5人槽の全容量は2.8 m3である。

③脱窒濾床接触ばっ気方式(構造方法第1の3)

 処理フローは上記嫌気濾床接触ばっ気方式と同じであるが、剥離汚泥の移送の他に、接触ばっ気槽のばっ気液を循環させる「循環装置」が追加されている。

 脱窒効率を高めるために、脱窒濾床槽の容量は嫌気濾床槽より5人槽で1.0m3大きく、また接触ばっ気槽も1.5倍に拡大されている。従って、5人槽の全容量は4.3m3と嫌気濾床接触ばっ気方式のおおむね7人槽に相当する容量になっている。

■この時点で5人槽だけは三つの方式の容量を憶えてしまう。できればフローシートを憶えてしまうと後々楽になる。

51人以上の合併処理浄化槽:平成18年2月1日、第2(60mg/L)第3(30mg/L)が削除された。

 ここには、51人の小型のものから、1万人クラスまでの大型まで含まれる。さらに規模によって処理方式が変わるので厄介である。最低でも下のことだけは憶えると有利だ。

(1)流量調整方式は101人以上に限り、それ以下では沈殿分離槽を利用した方式が採用される。
(2)活性汚泥方式の長時間ばっ気法は101人以上に限り、すべて流量調整方式である。
(3)大規模で用いられる標準活性汚泥方式は5001人以上に限られる

接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水濾床方式
 すべてが生物膜法である。規模が同じならこの3方式がそのまま採用できる。下に告示区分、処理水質、処理対象人員別にローシートを示した。
 複雑なので、51人〜500人規模の沈殿分離方式だけは憶えましょう。小型の5人槽と同じだ。

◇回転板接触方式では図の接触ばっ気槽が回転板接触槽に置き代わる。
◇散水濾床方式では図の接触ばっ気槽が散水濾床に置き代わる。

②長時間ばっ気方式(流量調整槽つきの101人以上に限る)
 この方式は活性汚泥法の一種である。従って、流量調整槽のない装置では、ピーク時に汚泥の流出するおそれがあるため、沈殿分離槽を前置したシステムはありえない。この方式のポイントは、汚泥つまり生物量のコントロールである。このため沈殿槽からは、汚泥が常時ばっ気槽に返送されている。沈殿槽の容量・面積は生物膜法よりも大きい。

 長時間ばっ気法の長時間とは24時間を意味している。後出の標準ばっ気方式との違いはこのばっ気時間が長いことである。従って、この方式は建設費や運転動力費では不利であるが、流入水量・水質の変動に強く、余剰汚泥量が若干少ないという利点がある。特にレストラン等で、計画よりBOD濃度が高い場合などには威力を発揮する
 フローシートは省略する。

③標準活性汚泥法(5001人以上に限る。常駐の管理者がいる)
 この方式が長時間ばっ気法と違うのは、ばっ気時間が8時間と短い点である。従って、維持管理への依存度が高く、汚泥の発生量も多いことから、処理対象人員が5001人以上の大きな合併処理浄化槽に限られる。
 フローシートは省略する。

■活性汚泥については何らかの形で出題がある。

新技術(高度処理):構造方法第7〜11

 ここは更に複雑になるので、簡単な説明だけにしておく。

①BODをさらに落とすには:構造方法第7(BOD 10mg/L)

・浄化槽の後ろに“接触ばっ気+砂濾過”を追加する方式(101人以上)
・浄化槽の後ろに“凝集分離”を追加する方式 (51人以上)、の2方式ある。

②CODをさらに落とす:構造方法第8(BOD 10mg/L、COD10mg/L)

・上記①の“接触ばっ気+砂濾過の後ろに、更に“活性炭吸着”を追加する方式
・上記①の“凝集分離”の後ろに、さらに“活性炭吸着”を追加する方式、の2方式がある。

③窒素と燐(リン)を落とす:構造方法第9,10,11

・窒素を除去する方法として、硝化液循環活性汚泥方式や硝化用接触槽と脱窒用接触槽を組み合わせた方式
・また、燐を除去するために凝集沈殿分離方式、がある。

④その他の窒素除去

(1)間欠ばっ気法
 一つの槽で嫌気と好気を時間を区切って行う“回遊式間欠ばっ気”が右図。連続処理が特徴。


(2)回 分 式
 一つの槽で【流入・ばっ気・沈殿・上澄み排出】の4工程を行うもので、流入時には嫌気、ばっ気時には好気状態となる。回分処理なので連続処理はできない。