問題51〜60

 
問題 51嫌気ろ床槽第1 室の水位が第2室より異常に上昇していた場合の原因として、最も不適当なものは次のうちどれか。ただし、第2室の水の流れは上向流とする。
 
(1)第1室のろ材押え用の網に、ビニル袋等が堆積
(2)第1室ろ材内の汚泥保持量の著しい増加
(3)第1室流出部の堆積汚泥厚の増加
(4)第2室流入部の堆積汚泥厚の増加
(5)第2室流出部への異物の蓄積

正答 ➠   
 この現象は第1室のどこか、もしくは第2室への流入部が詰まっていることが原因だ。なので5だけに行く着く。
 
 
問題 52接触ばっ気槽の槽内水における透視度の経日変化を模式的に示した下図において、①に対応する状況として、最も適当なものは次のうちどれか。
(1)小型の接触材を不規則に充填した場合
(2)槽内の水流が接触材充填部以外で短絡流を形成している場合
(3)槽底部における汚泥の堆積が著しく速い場合
(4)ひも状などSS捕捉性の弱い接触材を用いた場合
(5)接触ばっ気槽の構造不良がある場合

正答 ➠   
 図①は当初は透視度がいいが、途中から急激に透視度が悪化する。これは、小さめの接触材(ろ材と同じ)が、当初は浮遊物を補足して透明度のいい処理水が得られるが、接触材が完全に閉塞すると、ここがデッドスペース(死水域)となり、接触ばっ気槽の見かけの容量が減少し、処理が不十分になる。
 
 
問題 53浄化槽の保守点検作業に必要な器具機材の用途と用具の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

正答 ➠   
 サンプルを採取するのに、スコップやグリースや消毒剤は使わない。簡単に答える。
 
 
問題 54処理対象人員5人の小型浄化槽の接触ばっ気槽(有効容量 1.1m3)において10分間の逆洗を実施した。逆洗後、槽内のはく離汚泥を 30 分間沈殿させたのち、接触ばっ気槽底部の沈殿汚泥を可搬式ポンプを用いて嫌気ろ床槽第1室に移送した。下記の条件において、逆洗ではく離した汚泥に対する移送した汚泥の割合(%)として、最も近い値は次のうちどれか。

  〔条件〕
   逆洗中のはく離汚泥のSS    :2,800 mg/L
   沈殿後に移送した沈殿汚泥のSS :6,000 mg/L
   移送量            :180 L
 
(1)15
(2)20
(3)25
(4)30
(5)35

正答 ➠   
 はく離させた汚泥の量は、1.1m3×2800g/m3=3,080g。沈殿汚泥180Lを移送させたので、その中の汚泥量は 180L×6,000g/m3÷1000=1,080g。なので 1,080÷3,080×100=35%
 濃度の mg/L は g/m3 と同じだとおぼえておくと計算が早い。
 
 
問題 55流量調整移送装置・循環装置等を備えた戸建て住宅用の性能評価型浄化槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)エアリフトポンプと計量調整移送装置を組み合わせた装置は、生物膜が形成されやすく、高負荷の施設においては、安定的な定量移送を長期間維持しがたい。
(2)間欠定量ポンプは、時間ごとの揚水量を一定に保つために用いられる。
(3)循環装置のエアリフトポンプでは、散気用ブロワからの空気の一部が循環水の揚水に充てられる。
(4)ろ過部分の自動洗浄において、はく離した汚泥は沈殿槽に移送される。
(5)二次処理装置は面積が小さいため、槽上部の狭い空間に各配管が張り巡らされる型式が多い。

正答 ➠   
 ろ過部の逆洗は、短時間に多量の汚泥水を排出する。なので、これはピークカットをしてくれる槽に戻す。沈殿槽では沈殿分離処理ができない。
 
 
問題 56混合液浮遊物質(MLSS)濃度をおおむね 3,000〜6,000 mg/Lに保持することが望ましいとされている生物反応槽として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)長時間ばっ気方式のばっ気槽
(2)標準活性汚泥方式のばっ気槽
(3)循環水路ばっ気方式の水路
(4)硝化液循環活性汚泥方式の硝化槽
(5)硝化液循環活性汚泥方式の脱窒槽

正答 ➠   
 「浄化槽法の運用に伴う留意事項について」によると、長時間ばっ気及び循環水路ばっ気は 3,000~6,000mg/l 、標準活性汚泥方式は 1,000~3,000mg/lとある。標準活性汚泥方式は他方式より汚泥濃度を低く保つことだけは覚えておく。
 
 
問題 57小型浄化槽の嫌気ろ床槽におけるろ床内蓄積汚泥の分布状況の点検作業を示す写真として、最も適当なものは次のうちどれか。

正答 ➠   
 汚泥の分布だから、汚泥の中まで透明管を刺さねばならない。1と4は何か電気的な計測器で、2はバキュームホース、3は空気管による洗浄のようにみえる。
 
 
問題 58スロツト型沈殿槽の保守点検項目として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)汚泥返送量の状況
(2)スカムの生成状況
(3)底部汚泥の蓄積状況
(4)流出水の性状
(5)越流せきの水平の確認

正答 ➠   
 スロツト型沈殿槽は沈殿槽下部が前のばっ気槽等とつながっているので、そもそも汚泥返送という概念そのものがない
 
 
問題 59油脂分の多い汚水が装置・設備に与える影響と障害に関する次の組み合わせのうち、最も不適当なものはどれか。
 
   装置・設備        影 響          障 害
(1)ポンプ設備    フロートスイッチに油脂付着  スイッチの作動不良
(2)接触ばっ気    生物膜表面に油膜生成     BOD除去率の低下
(3)スクリーン設備  スクリーンに油脂付着     水流の阻害
(4)ばっ気槽     槽内に乳化油が分散      フロックの肥大化
(5)沈殿槽      スカムの形成         処理水質の悪化

正答 ➠   
 一般的には、ばっ気槽に油脂分が多く流入すると、白濁して微生物のフロックができにくくなる。
 
 
問題 60活性汚泥法における異常な現象とその原因の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
   異常な現象             原 因
(1)活性汚泥の解体     ― 空気供給量の不足
(2)沈殿槽での汚泥の浮上  ― 脱窒の進行
(3)MLSS濃度の低下    ― 沈殿槽からの返送汚泥量の不足
(4)ばっ気槽での異常な発泡 ― 放線菌の異常増殖
(5)活性汚泥の沈降性の悪化 ― 糸状性微生物の異常増殖

正答 ➠   
 活性汚泥の解体は、流入する栄養分(BOD)の不足が考えられる。