平成30年度

問題1〜10

問題 1人の活動とそれが及ぼす影響の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
   人の活動         影  響
(1)地下水の過剰取水   ― 地盤沈下
(2)大規模な下水道整備  ― 都市内河川の流量増加
(3)都市用水の需要の増大 ― 水源の不足
(4)森林の荒廃      ― 森林の保水能力の低下
(5)地表面の人工被覆   ― 地下水の減少

正答 ➠   
 大規模な下水道整備をすると、下水を処理した水は、下流にある処理場からしか排出されないので、その都市の河川は水量が減少してしまう。
 
問題 2下図は、「平成29年版 日本の水資源の現況」に掲載された日本の水資源賦存量と使用量を示したものである。図中の[ア]〜[エ]に入る用語の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
    ア    イ    ウ   エ
(1)生活用水 農業用水 湖沼水 河川水
(2)生活用水 農業用水 河川水 湖沼水
(3)生活用水 農業用水 河川水 地下水
(4)農業用水 生活用水 湖沼水 河川水
(5)農業用水 生活用水 河川水 地下水

正答 ➠   
 次の問題3にあるように、地球の陸地に降る雨量から蒸発散で失われる水量の差を水資源賦存量という。
使用される水はなんといっても田畑の「農業用水」が大きい。なので、アは農業用水、イは生活用水。
 水源別なら、浄水場が近くにある河川水が湖沼水より多いのは何となくでも分かる。
 
問題 3地球に到達する太陽エネルギーの年間平均値は 10,000 MJ/m2であり、このうちの 24.5%が蒸発散に費やされる。また、地球の陸地には年間平均で、 1,200,000億m3/年の雨が降るが、750,000億m3/年が蒸発散で失われている。これらの差が水資源賦存量である。水が蒸発散するときに必要な熱量を 2,450 MJ/m3、地球の人口を60億人としたとき、地球全体の蒸発散量(m3/m2)と1人当たりの水資源賦存量(m3/(人・年))の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 
  蒸発散量   1 人当たりの水資源賦存量
(1)1.0       7,500
(2)1.0      12,500
(3)1.0      20,000
(4)4.1       7,500
(5)4.1      12,500

正答 ➠   
 一人あたりの水資源賦存量は地球全体の水資源賦存量(1200000-750000)億m3/年 を60億人で除した数値、つまり 7,500(m3/(人・年))となる。
 蒸発散量はややこしい。答えの単位にm2があるので、ここは太陽エネルギー量(MJ/m2)から算出する。蒸発散に使われる太陽エネルギーは 10,000 MJ/m2の24.5%だから 10,000×0.24=2,450 MJ/m2。問題から、水が蒸発散するときに必要な熱量は 2,450 MJ/m3とあるから、2,450÷2,450=1.0(m3/m2)となる。問題文は地球全体の蒸発散量(m3/m2)を求めよ! だが分母の単位がm2なので、ここは地球全体で単位面積当たりの蒸発散量(m3/m2)を求めよ、という意味である。
 
問題 4富栄養化現象に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)富栄養化現象は、河川より湖沼で発生しやすい。
(2)赤潮は、プランクトンの異常増殖によって海面の色が赤褐色や茶褐色に変わる現象である。
(3)富栄養湖では、植物プランクトンが多量に増殖して透明度が小さくなる。
(4)アオコは水の華ともいわれ、利水障害の原因となる。
(5)富栄養湖では、夏の日中は表層から底層までの全層で溶存酸素が高くなる。

正答 ➠   
 水に溶ける酸素の量は、水温が上昇するにつれて少なくなるし、まして富栄養湖では栄養過多で溶存酸素は消費されて低下する。
 
問題 5河川の水質汚濁に係る「生活環境の保全に関する環境基準項目」として、誤っているものは次のうちどれか。
 
(1)水素イオン濃度(pH)
(2)化学的酸素要求量(COD)
(3)浮遊物質量(SS)
(4)溶存酸素量(DO)
(5)大腸菌群数

正答 ➠   
 「生活環境の保全に関する環境基準項目」で、河川にはCODはない。これは絶対におぼえる必要がある。COD規制は湖沼と海域
 
問題 6汚水処理に関連する次のア〜エの記述に対応する化学反応の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 
ア.炭酸ナトリウムの水溶液がアルカリ性を示す。
イ.強い酸性を示す汚水にアルカリを加えて調整する。
ウ.タンパク質が酵素で分解されてアミノ酸が生成する。
エ.塩素化イソシアヌール酸が水に溶けて消毒作用を示す。
 
    ア     イ     ウ     エ
(1)中和    加水分解  酸化還元  加水分解
(2)加水分解  中和    加水分解  酸化還元
(3)加水分解  中和    酸化還元  中和
(4)中和    加水分解  加水分解  酸化還元
(5)加水分解  中和    酸化還元  加水分解

正答 ➠   
 アは水溶液がアルカリ性とあるから「中和」はない。エは消毒作用だから「中和」はない。なので、2か5に絞られるが、エの消毒は酸化還元なので、2になる。
 
問題 7汚水処理に利用される精密ろ過膜で分離可能な物質として、最も適当なものは次のうちどれか。
 
(1)細菌
(2)ウイルス
(3)界面活性剤
(4)次亜塩素酸
(5)尿素

正答 ➠   
 あくまでもろ過だから、微小ながらも大きめの個体が分離できる。ウイルスは小さくてスルー、その他は溶解しているのでスルーする。
 
問題 8管内を流れる水がもつ圧力エネルギーは、圧力水頭として次のように定義されている。

   P:水圧、ρ:水の密度、g:重力加速度

 圧力水頭の次元として、正しいものは次のうちどれか。なお、質量、長さ、時間の次元をそれぞれM、L、T という記号で表した場合、水圧(P)の次元はML-1T-2、水の密度(ρ)の次元はML-3、重力加速度(g)の次元はLT-2 となる。
 
(1)L-2
(2)L-1
(3)L
(4)L2
(5)L3

正答 ➠   
 水頭はヘッドのことで単位は高さだからLになる。丁寧に単位(次元)だけの掛け算・割り算をすると、P÷(ρ・g)で L が一つだけ残る
 
問題 9測定値に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)測定値には必ず誤差が含まれる。
(2)213 という測定結果の誤差を士2とすると、一の位の数値の3は5の可能性もある。
(3)誤差の桁よりも小さい桁の数値は信頼できない。
(4)213 という測定結果の有効数字が2桁の場合、測定結果は 2.13 × 102と 表記する。
(5)213 という測定結果の誤差を士2とすると、この測定値の有効数字は2桁である。

正答 ➠   
 有効数字は信用できる数字の桁(けた)数のこと。これが2桁なので上から3つめ数字を四捨五入して 2.1 × 102 となる。
 
問題 10酸発酵で生成する低級脂肪酸に関する次の文章中の[   ]内の語句のうち、最も不適当なものはどれか。
 
 低級脂肪酸は、有機物質の[(1)嫌気分解]で生成し、分子量が[(2)小さく]、室温で[(3)流動しやすい液状]の物質である。低級脂肪酸には[(4)クエン酸]、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等があり、臭気に関する苦情の原因物質となる。また、[(5)硫酸塩還元細菌]の基質ともなる。
 

正答 ➠   
 低級脂肪酸は一般に、小さい分子量(炭素数が2〜4個)で、室温では液状の物質。酢酸、プロピオン酸、酪酸など。