問題11〜20

 
問題 11汚水の浄化に関与する微生物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)原生動物の種類やその数は、生物処理の良否を判定する指標として利用される。
(2)微小後生動物は、処理水の有機物質濃度が比較的高い場合に出現する。
(3)藻類は、酸化池などの太陽エネルギーを利用した排水処理以外では、浄化に大きな役割を果たすことはない。
(4)細菌は、溶存酸素の利用の有無により好気性細菌と嫌気性細菌に分類される。

正答 ➠ 2  
 後生動物は、その名の通り処理工程の最後の方に出現する。となれば、処理はおおかた終了していると思っていい。だから、有機物濃度が低い場合に出現する。
 
 
問題 12含水率98%の汚泥 15 ㎥ と、含水率96%の汚泥5㎥を混合したときの含水率として、最も適当な値は次のうちどれか。
 
(1)96.5 %
(2)97.0 %
(3)97.5 %
(4)97.8 %

正答 ➠ 3  
 含水率が与えられている問題は、とにかく汚泥濃度の方に注目する。この場合なら、汚泥濃度2%の汚泥15㎥と、汚泥濃度4%の汚泥5㎥の混合、となる。
 15×2と5×4を合計して、汚泥量(15+5)=20㎥ で割ればいい。(30+20)÷20=2.5%の汚泥濃度。最後に含水率に換算すると、100-2.5=97.5%となる。
 
         
問題 13高度処理における除去対象物質とその処理方法の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
  〔除去対象物質〕    〔処理方法〕
(1) リンオゾン酸化法
(2) 窒素生物学的硝化脱窒法
(3) 浮遊物質凝集分離法
(4) 色度成分活性炭吸着法

正答 ➠ 1  
 リンは通常リン酸の形で存在している。これを何かを使って酸化しても沈殿するわけではない。通常は、硫酸バンドやPAC(ポリ塩化アルミニウム)等で凝集沈殿分離する。
 他に、微生物に過剰に摂取させる方法(生物学的リン除去法)もある。
 
 
問題 14性能評価型小型浄化槽に用いられている担体流動槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)汚水と生物膜との接触効率が高い。
(2)担体に付着した生物膜によって生物酸化を行う。
(3)タイマ設定により1日数回自動的に逆洗を行う。
(4)生物反応槽の小容量化が可能である。

正答 ➠ 3  
 担体流動法とだけあるので、構造上後ろに濾過部分があるかどうかは分からない。でも、担体から剥離した生物膜は、何らかの方法で除去する必要はある
 
 
問題 15スクリーン設備と流量調整槽を組み合わせた次のフローシートのうち、最も適当なものはどれか。
 


正答 ➠ 2  
 計量して移送させる装置は流量調整の後ろにないとおかしい。なので、2か4になる。
 4だと荒目スクリーンだけなので、計量・移送装置にトラブルが発生するリスクが高い。
 
 
問題 16構造基準(建設省告示第1292号、最終改正平成18年1月国土交通省告示第154号に定める構造方法)の第1に示された浄化槽における嫌気濾床槽の模式図として、最も適当なものは次のうちどれか。ただし、処理対象人員は5人とする。


正答 ➠ 1  
 まずは、第一室の方が容量が大きい、ということ。これで1と3が残る。次に、第一室は下降流だから、夾雑物は濾材の上方に貯まる。この二つから、1に行き着く。
 
 
問題 17日平均汚水量200㎥/日、BOD 200 mg/Lの汚水を接触ばっ気方式で処理するとき、接触ばっ気槽の有効容量として、正しい値は次のうちどれか。ただし、BOD容積負荷を0.5kg/(㎥・日)とする。
 
(1)  20 ㎥
(2)  40 ㎥
(3)  80 ㎥
(4)120 ㎥

正答 ➠ 3  
 BOD負荷率計算の基本の基本。これを落としたら、合格はないと思ったほうがいい。
 まず、流入するBOD量を算出する。この時に、BODmg/LをBODg/㎥にしてしまった方がミスが出ない。 200㎥/日×200g/㎥×1/1000 = 40 kg-BOD/日
 これをBOD容積負荷で割ると、40kg-BOD/日÷0.5kg-BOD/㎥・日 = 80 ㎥
 
 
問題 18ばっ気によって酸素が供給される生物膜法の反応槽として、最も適当なものは次のうちどれか。
 
(1)回転板接触槽
(2)散水濾床
(3)担体流動槽
(4)脱窒濾床槽

正答 ➠ 3  
 ばっ気で酸素供給、とあるから、ブロワを持たない回転板接触槽、散水濾床は消えてしまう。脱窒濾床はそもそも酸素供給はしないもの。
 
 
問題 19汚泥処理設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)汚泥を濃縮する一般的な方法は沈殿濃縮法である。
(2)汚泥濃縮貯留槽の脱離液は、流量調整槽またはばっ気槽に移送する。
(3)汚泥貯留槽には、清掃時に備えて撹拌装置を設ける。
(4)汚泥濃縮槽の底部は、ホッパー構造とする必要がない。

正答 ➠ 4  
 汚泥を濃縮するためには、下部をホッパー形状とする。一旦濃縮した汚泥を、ただ貯留するだけの汚泥貯留槽なら下部ホッパーは不要。
 
 
問題 20下表に示した医療施設関係の浄化槽の処理対象人員算定基準に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、n=人員(人)、B=ベッド数(床)、A=延べ面積(㎡)とする。

(1)処理対象人員の算定式には、外来者や医師、看護師、その他の職員数は含まれていない。
(2)病院等の主な排出源のうち、特に厨房排水と洗濯排水の有無は汚水濃度に大きく影響するため、算定式も異なる。
(3)ベッド数300床による分類は、水質汚濁防止法との関係から設定されている。
(4)手術室、人工透析設備の排水は、浄化槽に流入させてはならない。

正答 ➠ 1  
 誰が考えても、「外来者・医師・看護師・その他職員を抜いてしまった」ら、一体だれの汚水を処理するんだろう。