問題21〜30

 
問題 21汚水処理における物理作用に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
 
(1)比重が水より小さい固形物は、その大きさが小さいほど浮上しやすい。
(2)水中の飽和溶存酸素濃度は、温度が低下すると減少する。
(3)ろ過における浮遊物質の捕捉機構は、ろ材によるスクリーン作用、ろ材空隙における沈殿作用、ろ材表面への吸着作用等である。
(4)活性炭の吸着能力は、処理水量に比例して徐々に増加する。
(5)精密ろ過膜が分離の対象とする物質は、無機イオンである。

正答 ➠    
 とても難しい問題だ。ろ過には、ここに書かれているように3つの作用がある。特に“ろ材空隙における沈殿作用”なんて、勉強したことがないと思いつかない。
 他の4つの間違っている部分をしっかり確認しておくように。ここすごく大事。
 
 
問題 22以下に示す物貿の中で、構成元素が同じで、活性汚泥が分解できるものの組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
 
 a.セルロース
 b.アミノ酸
 c.ブドウ糖
 d.酢酸
 e.硫化水素
 
(1)a、b
(2)a、c
(3)b、d
(4)c、d
(5)d、e

正答 ➠   
 これは難しい。5つの物質の構成元素なんてとても覚えられない。硫化水素はガスで除外。セルロースは構成元素が同じだけど、活性汚泥では分解不可能。アミノ酸はN(窒素)を含むので、構成が違う。
 
 
問題 23水の混合状態が完全混合とみなすことができる装置として、最も適当なものは次のうちどれか。
 
(1)よく整流された沈殿池
(2)オキシデーション・ディッチ
(3)砂ろ過槽
(4)凝集槽第1室(急速撹拌槽)
(5)バッフルによって迂回流構造となっている水路

正答 ➠   
 完全混合だから、内部はグチャグチャ。なので、急速撹拌槽しかない。
 
 
問題 24活性汚泥法と生物膜法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)活性汚泥法では、季節的な負荷変動に対応する方法として、MLSS濃度の調整がある。
(2)生物膜法では、生物膜量は生物量の増加とはく離作用によって変化し、負荷変動に合わせて細かく生物量を調整することは困難である。
(3)活性汚泥法では、低負荷条件においては良好なフロックが形成されにくくなる。
(4)生物膜法では、接触材などに付着した生物膜内において、増殖速度の遅い微生物でも生息可能となる。
(5)活性汚泥法では、余剰汚泥の引き出し量を多くすると、増殖速度の速い微生物から減少する。

正答 ➠   
 増殖速度が遅いので、余剰汚泥をどんどん引き抜かれては、ますます自己増殖が厳しくなる。
 
 
問題 25高度処理の除去対象物質と処理技術の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
  除去対象物質     処理技術
(1)浮遊物質       膜ろ過
(2)色度         活性炭吸着
(3)リン酸塩       凝集分離
(4)有機物質       生物酸化
(5)コロイド粒子     沈殿分離

正答 ➠   
 水溶液の中に脂肪が分散したコロイドで身近なのは「牛乳」。沈殿分離ではまず分離できない
 
 
問題 26処理対象人員180人、1人1日当たりの汚水量 200 L、流入BOD 200mg/Lの汚水を、BOD容積負荷 0.30 kg/(㎥・日)で処理している接触ばっ気槽の有効容量として、正しいものは次のうちどれか。
 
(1)20㎥
(2)24㎥
(3)26㎥
(4)30㎥
(5)36㎥

正答 ➠   
 流入BODは 180×200×200×10-6 これをBOD容積負荷0.30で割ると必要容量が出る。7.2÷0.3=24㎥。単位をじっくり合わせることが大切
 
 
問題 27汚泥の濃縮及び脱水に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)濃縮では、汚泥中の固形物濃度を数%程度まで高める。
(2)浄化槽では、重力式濃縮槽が一般的である。
(3)浮上濃縮では、一般に重力濃縮よりも長い処理時間を要する。
(4)機械濃縮には、遠心分離機による方法がある。
(5)脱水汚泥のことを脱水ケーキという。

正答 ➠   
 浮上分離は思ったより早い時間で処理が可能。粒子と水の比重差による沈降分離より、粒子に吸着された空気と水の比重差が大きいことによる。
 
 
問題 28次のア〜オに示す排水の変動パターン例に対応する建築物の組み合わせとして、最も適当なものはどれか。ただし、共同住宅は4世帯15人、喫茶店の浄化槽は処理対象人員23人、工場の稼働は9時間である。
 
    ア    イ      ウ     エ      オ
(1)共同住宅  喫茶店   事務所ビル  ホテル    工場
(2)喫茶店   共同住宅  工場     事務所ビル  ホテル
(3)共同住宅  喫茶店   ホテル    事務所ビル  工場
(4)共同性宅  喫茶店   ホテル    工場     事務所ビル
(5)喫茶店   共同住宅  事務所ビル  ホテル    工場

正答 ➠   
 図から排水の変動パターンを読み取る。オは時間帯から工場と分かる。エはホテルではない。すると(3)に落ち着く。
 
 
問題 29処理対象人員算定基準(JIS A 3302:2000)において、nを人員(人)、Aを建築物の延べ面積(㎡)としたとき、n=0.075Aが適用される建築用途として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)結婚式場または宴会場を持たないホテル・旅館
(2)店舗・マーケット
(3)玉突場・卓球場
(4)業務用厨房施設を設けている事務所
(5)簡易宿泊所・合宿所・ユースホステル・青年の家

正答 ➠   
 こういうのは覚えているかどうかだけの問題。設備士試験を受けようかという人で簡易宿泊所なんて設計する人はいないな。(5)は 人員=定員 で算出する。
 
問題 30浄化槽で用いられている機材とその説明の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
    機 材            説   明
(1)アワーメータブロワなどの稼働した時間を測定する計測器の一つ
(2)オリフィス配管途中に設ける絞りの一種
(3)スクレーパーし渣を掻き取るための装置
(4)グレーチング水槽の底部に設けるくぼみ
(5)ドラフトチューブばっ気槽などの中心部に設ける縦型の円筒

正答 ➠   
 グレーチングは側溝の上の蓋で、平鋼を格子状に組んだもの。軽量化、見える化、強度確保が図られる。