平成27年 問題1〜10

 
問題 1流体に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
 
(1)給水管路内における流れは、通常、層流になっている。
(2)流体力学において、水は圧縮・粘性流体として扱われる。
(3)乱流のレイノルズ数は、層流の値よりも大きい。
(4)流体にはエネルギー保存の法則が適用され、これをトリチェリーの定理と呼ぶ。

正答 ➠ 3  
 レイノルズ数は単位のない無次元数で、乱流では大きい。通常は2,100を越えると乱流とされている。但し、2,100には諸説ある。
 

問題 2自然流下管の接合方法とその特徴の組み合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
  〔接合方法〕      〔特 徴〕
(1)管底接合  ─ 管の埋設深さが浅くてすむ傾向にある。
(2)水面接合  ─ 上流と下流の計画水量に対する水位を一致させる方法である。
(3)管頂接合  ─ 管内の流水は円滑に流れるが、埋設深さが増す傾向にある。
(4)段差接合  ─ 地表面の勾配が小さいとき、マンホール内で段差をつけることで管内の流速を確保することができる。

正答 ➠ 4  
 勾配が小さい時は、マンホール前後でとても段差が付けられない。逆に勾配が大きい時は、マンホール前に副管をつけることで、後ろの配管勾配を緩やかにできる。
 
 
問題 3生活環境の保全に関する河川の環境基準として、定められていない項目は次のうちどれか。
 
(1)pH
(2)大腸菌群数
(3)鉄及びその化合物
(4)ノニルフェノール

正答 ➠ 3  
 鉄には河川の環境基準が定められていない。生活環境の保全に関する環境基準(河川)別表2のイで定められているのは、全亜鉛、ノニルフェノール、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩。どれも体に悪そうな感じがすればそれでいい。
 
 
問題 4汚水処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)DOとは、水中に溶解している分子状の酸素のことである。
(2)消毒とは、処理水中の全ての細菌類が殺滅されることである。
(3)凝集とは、陽イオンを含む物質を添加し、負に荷電している浮遊粒子を集合させ、沈降速度を上昇させる反応である。
(4)生物酸化とは、主として汚水中の有機物質を微生物の作用によって酸化分解させることである。

正答 ➠ 2  
 消毒とは、人体に有害な病原性微生物を死滅させ、感染力を無くし、衛生上安全にすることで、全ての細菌類を殺滅するわけではない。
 
 
問題 5図に示す三相電動機回路の保護装量に関する次の文章中の[ ]内に当てはまる語句の組み合わせのうち、最も適当なものはどれか。
 
 MCCB(〔A〕遮断器)は、幹線及び分岐回路の電路保護を目的とし、2Eで示される保護継電器は、過電流検出機能のほか、〔B〕検出の要素を組み込んだものであり、主回路を開放する指令を発するものである。


  〔A〕     〔B〕
(1)配線用     欠相
(2)漏電      欠相
(3)配線用     逆相
(4)漏電      逆相

正答 ➠ 1  
 この問題は、知っているかどうかしかない。漏電遮断器はELBで、このEは要素(ELEMENT)のことで、
  1E・・・過負荷
  2E・・・過負荷、欠相
  3E・・・過負荷、欠相、逆相
 
 
問題 6鉄筋コンクリート構造の梁に設ける貫通孔に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)梁貫通孔の径は、梁せいの1/3以下とする。
(2)梁貫通孔の上下方向の位置は、梁せいの中心付近とする。
(3)梁貫通孔は、可能な限りせん断力の小さい部分に設ける。
(4)梁貫通孔の径が、梁せいの1/5以下の場合は、補強を省略できる。

正答 ➠ 4  
 建築工事共通仕様書では、孔径が梁せいの1/10以下、かつ150mm未満のものは補強を省略することができる!とある。まず浄化槽の世界ではでてこない数値。
 
 
問題 7鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)鉄筋コンクリートの構造としては、ラーメン構造、壁式構造がよく用いられる。
(2)コンクリートは、弱酸性なので鉄筋が錆びにくい。
(3)鉄筋コンクリートは、主として、コンクリートが圧縮応力を負担し、鉄筋が引張応力を負担する。
(4)鉄筋コンクリート構造は、鉄骨構造に比べて、現場作業の比率が大きい。

正答 ➠ 2  
 これは逆で、コンクリートは弱アルカリ性。だから、内部の鉄筋は錆びない。なので鉄筋は「防さび処理」をしない。これは絶対に憶えておく。
 
 
問題 8「公共工事標準請負契約約款」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 
(1)工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質の表示がされていない場合にあっては、監督員の指示によるものとする。
(2)受注者は、工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
(3)発注者が受注者に支給する工事材料及び貸与する建設機械器具の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
(4)受注者は、設計図書において監督員の立会いの上施工するものと指定された工事については、当該立会いを受けて施工しなければならない。

正答 ➠ 1  
 約款では、(工事材料の品質及び検査等)第十三条 「工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、“中等の品質を有するもの”とする。」とある。よく出る問題。
 
 
問題 9濾過に関する次の文章中の[  ]内の語句のうち、最も不適当なものはどれか。
 
 濾過における[(1)浮遊物質]の捕捉機構は、濾材による[(2)スクリーン作用]、濾材空隙における[(3)拡散作用]、濾材表面への[(4)吸着作用]等である。

正答 ➠ 3  
 これは難しい問題だ。濾材と濾材の隙間(微小空間)で起こる「沈降現象」とされている。深く濾過の勉強をした人しか知らない。
 
 
問題 10生物膜法と比較した活性汚泥法の特徴として、最も不適当なものは次のうちどれか。
 
(1)浮遊している微生物によって汚水を処理する。
(2)生物相の多様性が高い。
(3)汚泥返送が必要である。
(4)MLSS(汚泥濃度)の調整が容易である。

正答 ➠ 2  
 生物膜はその膜の厚みのお陰で嫌気的な微生物も生息できるため、生物相の多様性が認められる。一方、活性汚泥は浮遊する微生物の周辺には溶存酸素が必ず存在するために、好気性微生物に限定される。