設 立 趣 旨 書

 ユーラシア大陸の東端に位置し、亜熱帯から亜寒帯にまたがる南北に細長い我が国は、国土の大半を緑滴る 森林に覆われ、四方を複雑に入り組んだ海岸線と、黒潮と親潮が交叉する豊穣の海に囲まれている。この豊か な森と海は大小多数の川で結ばれ、相互に密接につながって豊かな国土を形成し、その流域では古来より豊か な自然と共存する人々の営みや文化が育まれてきた。

 しかし、20世紀後半になると科学技術の進歩はめざましく、経済規模の飛躍的拡大と市場原理に基づく経 済活動による環境への影響は甚大となり、地球規模で深刻な環境問題を引き起こすに至った。流域に目を移す と、上流の森では植相の単純化や間伐などの管理が行き届かない放置林が増え、河川では治水・利水を目的と したダム建設や直線的な河川改修が進み、海岸では防災や産業振興を目的に浅海域は埋め立てられ、複雑に入 り組んだ多様な自然海岸はコンクリート護岸で固められた単調な人工海岸に姿を変えた。その結果、流域の森 ・川・海を巡る物質循環のバランスは崩れ、生態系の自己回復能力は損なわれ、豊かで美しい流域の自然環境 はこの半世紀の間に本来の姿を急速に失っていった。同時に、市街地では急速な都市化の進展や土地利用の転 換にともない、それまで当たり前にように身近にあった流域の豊かで美しい風景は一変し、古来より育まれて きた人々の暮らし振りや自然観もまた急速に変貌していった。

 「環境の世紀」と言われる21世紀は、地球環境を破壊しながら発展してきた経済活動を反省し、英知を結 集してかけがえのない豊かな地球環境を回復していかなければならない。これまで森林、河川、海域は行政に よる縦割り管理と同様、研究や保全活動も個別に行われてきた。「豊かな森川海を育てる会」は、流域の森・ 川・海及び人々の生活圏は相互に作用しあって全体を構成しているとの認識に立ち、流域住民、市民団体、研 究者、事業者、行政機関など多様な主体と協働しながら、流域の森・川・海を巡る物質循環のバランスを回 復させ、健全で豊かな流域環境の再生と保全を図るとともに、次世代に豊かで美しい国土を継承し、持続可能 な資源循環型及び自然共生型社会づくりに貢献することを設立の趣旨とする。

2011年 9月18日
                                   特定非営利活動法人  豊かな森川海を育てる会
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