電話はどのようにして繋がるのでしょうか?
電話システムは、左図1のように 端末(電話機等)、伝送路、交換機 の3要素からなります。
多数の加入者の中から、目的の人へ繋げるのは交換機の役目となります。
交換機の歴史と方式の遷移についてご説明します。
1.手動交換(磁石式) 1890年~
磁石式電話機に付いているハンドルを回すことにより発電し、交換手へ発呼を知らせます。
交換手が発呼者が繋がれているジャックへ紐のついたプラグを差し込んで応答し、接続先を聞き、反対側のプラグを被呼者が
繋がれているジャックへ差し込んで交換接続する方式です。
2.ステップ・バイ・ステップ交換機 1926年~
回転式ダイヤルが付いた電話機でダイヤルを回し戻る時に、その番号の数だけダイヤルパルスが発生します。
ステップ・バイ・ステップ交換機は、そのダイヤルパルスで直接動作する方式で、回したダイヤルの桁毎にその番号帯へ一歩一歩接続していきます。
機械の動作上、ダイヤルパルスを発生させる戻り回転スピードは10PPS(1秒間に10パルス)の遅い方式のみでした。
3.クロスバー交換機 1955年~
通話路はマーカと言う制御装置でクロスバースイッチ(縦横のバーを電磁石で動作させ交差点の接点が閉じる方式)を動かいて行う方式で、
番号の受信はレジスタと言う専用の装置にて行います。
このため、ダイヤルは回転の速い20PPS(1秒間に20パルス)やピ・ポ・パのPBMF信号も受信できるようになりました。
4.デジタル(時分割)交換機 1982年~
アナログ音声をデジタルに変換し、時分割多重の上、時分割スイッチ(メモリの書込み・読込みタイムスロットの変更)により通話路の交換を行う仕組みで
機械動作部がなくなり完全電子式となりました。
ISDN電話機が登場し、音声と共にデータもモデムなしでデジタル信号のまま電話線で通信可能となりました。
5.IP電話交換 2003年~
インターネット技術を使用した交換方式で、発呼端末からの電話番号データを音声サーバにてIPアドレスに変換し交換制御を行います。通話は直接
端末間でIPパケット化しインターネットプロトコルで行います。そのため伝送路はインターネットと共用の光ケーブル等が利用できます。
IP電話機や電話ソフトを入れたパソコンで通信が可能。なお、従来の電話機もVoIPアダプタ経由で利用可能となっています。
6.動作の詳細説明
- 下記に、各方式の動作説明をします。図をクリックすることにより拡大し、拡大図の左右(< >)クリックで図をめくることができます。
- 手動交換の動作説明図
- ステップ・バイ・ステップ交換機の動作説明図
- クロスバー(XB)交換機の動作説明図
- 時分割(TD)交換機の動作説明図
- IP(インターネットプロトコル)交換の動作説明図