ハイテクツアーインヨーロッパ 2
今年の5月にウクライナに行ったばかりなのに、海外旅行に行きたくなった。行き先は旧ユーゴの国である。冬は寒く、旅行に適さず、夏のバカンスが終わった9月が良い。燃油チャージも下がっていることだろう。ベトナム航空が最も安いが、燃油チャージが22,000円する。税金やら諸雑費も入れて82,000円かかった。関空ーホーチミンーパリの往復チケットである。バルカン半島への直行便はなく、パリ、ロンドンで乗換えとなる。ユーロスターでパリからロンドンへは20,000円ほどする。ばか高い。ユーレイルパスを使うこともできるが、70,000円に見合う価値はない。そこで流行のLCC(格安航空会社)が出番である。オンラインで購入、クレジットカード決済である。Ryanair, Easyjet,Wizzair が大手である。Ryanairはメジャーでない空港、フランクフルトはハーン空港、Wizzairはパリはボーベ空港など大変不便な場所にあり、アクセスに時間と金を食うからメリットはない。結局Easyjetを使うことになる。パリはオルリ、ドゴール、ロンドンはルートン、スタンステッド、リュブリアナはブルニック、ブタペストはフェリヘギ空港と非常にメジャーな空港を使っている。パリーロンドン、ロンドンーリュブリアナ、ブダペストーパリの3路線で2時間くらいのフライトで合計15,000円である。購入は早いほど安く、直前であれば正規運賃と変わらない。入念にスケジュールを練らねば成らない。変更、キャンセルは高額な料金を請求される。荷物も多いと料金が加算される。早く搭乗を希望すればこれまた加算される。要するに搭乗すればよいので一切のオプションを省略するのが良い。オンラインで購入手続きを済ます。ついでに搭乗券もプリントアウトする。ベトナム航空が4本、イージージェットが3本で合計97,000円の飛行機代となった。ベトナム航空はリコンファームという手続きをしなければならず、日本にいる間に済ませておいた。 訪問国の概要を示す。フランスを除いて日本よりもいずれも国土は小さい。               
スロベニア クロアチア モンテネグロ セルビアボスニア
首都 リュブリアナ ザグレブ ポドゴリッツア ベオグラードセルビアサラエボ
通貨ユーロ130円 クーナ20円 ユーロ ディナール1.2円マルカ70円
訪問地 リュブリアナ、ボストイナ、ブレッド湖 ザグレブ、プリトビツエ、ドブロクニク コトル、ブドバ、バール ベオグラードモスタル
交通手段 飛行機、バス、列車 列車、バス バス、列車 列車、トラム列車、バス
                 
イギリス フランス ハンガリーベトナム
首都 ロンドン パリ ブダペストホーチミン
通貨 ポンド150円 ユーロ フォリント0.5円ドン1/200円
訪問地 ロンドン パリ ブダペストホーチミン、ミトー
交通手段 飛行機、バス 飛行機、メトロ、列車 列車、メトロ、飛行機飛行機、バス、船、バイク



2009/9/24  関空-ホーチミン
5日間のシルバーウイークの終わったこの日、関空発11時のベトナム航空に搭乗する。廊下側の席にする。海の上で景色は見えず、トイレに便利だからだ。ホーチミン到着は14時である。2時間の時差がある。ベルト着用のサインが消えると、つまみとアルコールサービスの後、食事が出る。豪華ではないが、ワインやコーヒをいただいて満足する。7割くらいの乗客でリラックスする。到着は予定通り。9時間待ちでパリに行くことになる。ミールクーポンをくれるので牛肉入りベトナム麺を食べる。10ドルするらしい。免税ショップを覘いても時間をつぶすのに難儀する。テレビを見るしかない。待ちくたびれてやっとパリ行きの搭乗ゲートに行く。もの凄い乗客だ。フランス人が多い。エアフランスに乗らないのだろうか。おそらく運賃の差なんだろう。機内は満席で奴隷船みたいだ。12時間のフライトに耐えられるのか心配だ。通路側の席でよかった。機内は3-3-3の座席構成、最良は真ん中の列の通路側だ。運がよけれは誰も前を通らない。私は右列だ。隣の2人の乗客が席を立つときは立たねばならない。23時出発のはずが20分遅れた。パリ着が6時20分、ロンドン行きの乗り継ぎ便が8時50分で時間には余裕を持たせてある。機内サービスに時間がかかる。乗客が多いから、当たり前だ。お絞り、アルコール、食事、コーヒだ。隣席はフランス人2人、人がいるということは圧迫感がある。暇だからキャビンに行ってオンザロックを頼む。いい顔をされなかったがウイスキーをたっぷり入れてくれた。つまみもいただく。偏西風の影響か700km/hの速度だ。速度が変化するたびにパリ到着時刻が6時半になったりもっと後になったりする。いったん飛び立ったら過度に遅れることはできない。飛行機はそういう運命なのだ。パキスタン、アフガン、イランの上空では820km/hになった。黒海あたりでは900km/hになった。西に向かっているから常に暗黒の世界を飛んでいる。

2009/9/25 ホーチミンードゴール空港ーロンドン
朝食が出る。ドゴール空港には6時半に着いた。第2ターミナルCだ。空港は途方もなくでかい。イージージェットはBである。同じターミナルでよかった。モニターにゲート番号が出ている。CからBへはバスが連絡している。20分毎にくる。ロンドン行きだから出国スタンプが押される。入国スタンプはないのに、けったいな国だ。8時50分発だが8時にゲートに行く。搭乗を待つだけだ。するとマイクで私の名前を呼んでいるような気がする。スタッフのところにいくと、搭乗手続きが済んでいないのでチェックインカウンターに行きコンファームをするようにとのことである。イージージェットのオンラインで搭乗券をプリントアウトしてあり、それを見せても手続きをしてくれとのことだ。ごちゃごちゃ文句をつけてもしょうがない、後でクレームを権限有る人につけることにしよう。出国審査官にその旨を告げて、デスクに行く。搭乗券を見せるとデータを打ち込んでサイン入りの正式の搭乗券をくれる。安いから文句を言わずに航空会社に言うとおりにせよということなのか。後の2便が思いやられる。ロンドンルートン空港行きは6割程度の乗客で席はどこでも良い。ドーバ海峡を越えて1時間ほどで到着。1時間の時差がある。9時5分に到着だ。イギリスの入国審査は厳格らしいので、丁寧に入国カードに記入する。日本人学生が同じ便で到着ていたので、どこに行くのか聞くとビクトリア、宿舎はピムリコだという。ロンドンのホテルは高く100ポンドはする、ユースホステルでないと財布が空になる。地下鉄は1回600円ほどでとても高い。ビクトリアの近くがよい。それでピムリコ にネットで予約しておいた。なんという偶然、一緒にいくことになる。ルートン空港は市内から50km離れており、バスで1時間半かかる。10時半発である。バス運賃は9.5ポンド、鉄道もあるが倍はする。ルートン空港はライアンエアーも駐機しておりLCC専門空港だ。空港を出たバスはすいすいと飛ばし、風景は田舎そのもの。やがて市内に入ったようでダブルデッカーの赤バスが見え出した。道路も混みだし、信号待ちもある。ビクトリアに近づくにつれてあちこちで曲がるので方向感覚がつかめない。2時間後ビクトリアに着いた。明日のスタンドステッド空港行きのミニバスはここから出る。着いた場所のすぐ隣にそれはあった。しっかりと記憶しておく。ビクトリアは鉄道、地下鉄、バスのターミナルとなっており、スーパー、ホテル、映画館、ブティック、レストランが集中しており、人の往来も頻繁だ。いわゆるダウンタウンだ。彼と一緒にピムリコハウスに向かう。アパートの一部にそれはあった。20ポンド支払う。6人部屋のドーミトリ、3人だけだ。日本人ばかり。早速市内見物に出る。大英博物館、ビッグベン、ノートルダム寺院、ナショナルギャラリーである。足はオイスターカードがお得とあるが、デポジットに3ポンド、切符購入に5ポンドいる。ロンドンは小さな町ではないが、歩いていくことも可能だ。大英博物館へは4km、この区間をバスで行くことにする。2ポンドである。自動販売機はコインのみ受け付ける。赤バスに乗って刻印する。検札にあったときに難癖つけられたら困るからだ。トッテンハムコートロードに着く。少し奥まったところに大英博物館がある。入場料は無料。世界の珍品を強奪してきて、返還要求を無視する大泥棒の国なんだから、それだけの償いをするのはせめてもの罪滅ぼしというものだ。鉄柵に囲まれた4階建ての威厳のある建物。見物人はさほど多くない。天井が高く、通路が広いのでゆったりと見物ができる。ロゼッタストーン、ギリシャの彫刻群、エジプトのミイラを回る。2時間で切り上げて、歩いて30分でナショナルギャラリーに着く。ダビンチ、ゴッホ、マネ、モネの作品が目白押し。結果的にはこちらのほうが良かった。トラファルガー広場はまん前にある。ナポレオンをやっつけたネルソン提督の像がある。ビクトリアへと歩く。テムズ川に出た。観光船が行き交っている。ビッグベンは工事中で意外とちっぽけだ。H型のおなじみのノートルダム寺院はすぐ隣にある。入場料は15ポンド、中には入らず外から写真を撮る。ビクトリア通りを歩く。鉄道駅に着く。夕食はスーパーで購入する。デリカ、肉、魚、野菜、果物なんでもある。ロンドンは物価が高く、レストランで食事をすれば金が吹っ飛ぶ。節約しても8,000円近く使っている。ユースの同室の2人にイチゴを分けてやる。コーヒが無料。シャワー、トイレは清潔だ。天気は良く汗ばむほどだ。


大英博物館



国会議事堂

2009/9/26 ロンドンーリュブリアナーブレッド湖
朝食が付いているということで期待したが、パンと牛乳だけだ。料金を考えれば仕方がない。空港行きバスは9:20発である。ミニバスは定刻に発車、赤バスは黒人ドライバーだったが、こちらは白人ドライバーである。すみわけができているのだろう。市内を渋滞なしに抜けた。土曜日だからかもしれない。舗装道路を快適に飛ばして、11:30に着いた。途方もなく大きな駐車場に車がゆったりと停っている。ルートンはこじんまりとしていたが、こちらはピッカピッカでばかでかい。イージージェットのカウンターに行き搭乗券を見せると、チェックインはすでに済ませているから、ゲートに行ってくれとの返事。当たり前だ、オンラインチェックインとはそういうものだ。パリの奴がぼんくらなだけだ。待合ホールでは多くの人が座っている。豪華ではなく普通の身なりの庶民の空港といった雰囲気だ。リュブリアナ行きは12:35でモニターにその旨表示がある。早めにゲートに行く。ゲートが開き搭乗開始である。チケットチェックは厳重でパスポートと照合するから進みは遅い。タラップをあがったところでもチケットチェックがある。7割ほどの乗客で離陸した。機内はオープンシート、サービスは一切無し、機内販売は一生懸命にやる。新幹線に乗ったと思えばよい。トイレは無料である。ドーバ海峡を越え、フランス、ドイツ、オーストリアを通過する。ヨーロッパは平野が多い。緑のじゅうたんが眼下にある。定刻にブルニク空港に到着。リュブリアナ市内行きのバスの呼び込みが盛んだ。ブレッド湖に行くバスを探す。スロベニアでは土曜、日曜、祝日は極端に交通機関が少ない。クランという町に行き、乗り換えてブレッド湖に行くのが一番安い。今日は土曜日だからこの方法が使えない。仕方なく私営のバンにのる。13ユーロ、30分の距離だ。イージーバスに比べたらずいぶん高い。6人の客を乗せて田舎道を快適に飛ばす。ソベというペンションが散見される。5人は大きなホテルの前で降りてしまった。ドライバーがどこにするか聞いたが、わからんのでバスセンターにつけてもらう。案内所へはブレッド湖に沿って歩いていく。水は透明で、湖中に城があり、後方に雪をいただいた山がそびえている。遊歩道が整備されおっさんが釣りをしたり、観光客が散歩している。榛名湖、野尻湖みたいな雰囲気だ。ただし旅館の看板がないのですっきりとしている。ソベのリストを見せてもらう。40ユーロが最低価格である。ユースは自分で探すようにとのことで地図をくれた。お金持ちの観光客がホテルから出てきた。台湾人だ。バスセンターを経由してTraveler’s Haven(旅人の休息所)が感じよさそうだ。めがねのきれいな姉ちゃんがカウンターに座っている。20ユーロだという。パスポートを見せて支払を済ます。レシートをくれる。部屋に入るときは靴を脱いでくれという。レストランを聞くとホステルにはキッチンがあるからスーパーで食材を買ってきて調理をすればよいじゃないという。なるほど。キーを貰い、部屋に行くとベッドが4つあるドーミトリ。誰もいない。シャワー、トイレは別室にあり、2箇ずつあり、何の問題もない。スロベニアの最高のユースに認定されているのは伊達ではない。ランドリも無料で、洗濯、乾燥機が使い放題。嬉しい。熱いシャワーでサッパリして、着替えを済ませて、洗濯機を回してスーパーに行く。ビール、野菜、ハム、パンなどを買う。野菜、果物は量り売りなのが嬉しい。商品番号がつけてあり、同番号を押して商品を載せると値段が表示される。多品種、小容量のお客は重宝する。日本でもやれないものか。料理に取り掛かる。包丁、まな板、皿、鍋など道具はそろっている。火を使えるのが嬉しい。熱い栄養たっぷりのスープが出来上がる。サラダもできる。ビールを飲み、肉にかぶりつきパン、サラダをどんどん食う。他のホステラーは何を作っているのだろう。彼らは袋から得体の知れない内容物を鍋にぶちまけている。冷凍の豆、野菜が入っているようだ。どろどろの煮込み料理を食っている。包丁、調味料を一切使わない。鍋のまま食っている。洗うのが面倒なのだろう。他のホステラーを見る。ピザをレンジでチンして皿にもいれずにがつがつ食っている。こちらは満腹して鍋と皿をきれいに洗い部屋に戻る。男女のホステラー2人来ている。ベッドに寝ているところを見ると体はでかいのに、子供のように見える。頭が小さいということだ。

ブレッド湖



聖マリア教会


2009/9/27 ブレッド湖ーノバゴリッツアーリュブリアナ
キッチンは8時から使える。熱い紅茶を沸かして朝食をたっぷり。フロントの姉ちゃんが自転車を貸してあげるから、湖を一周したらといってくれる。6kmだからちょうど良い。ブレッド城が崖の上にある。聖マリア教会が島の中央にある。おっさんが投げ釣りをしている。時々車と出会うが邪魔ではない。遊歩道をもっぱら走る。ブレッド湖駅が対岸にあるが分かりにくい。おばさんに聞いて、それは階段を上りきったところにあった。ボーヒン鉄道という景勝路線を走る駅だ。ソベがいたるところにある。緑の景色、透明な水、さすがスロベニアの誇る国立公園だ。パークホテルのある賑やかな通りにきた。時間は10時過ぎ、ホステルに帰りブレッド湖駅への近道を聞く。列車は11:30発のノバゴリッツア行きだ。日曜日ゆえ列車は極端に少ない。駅には10人程度の客がいる。5ユーロで切符を買う。定刻どおり列車が到着する。川に沿って走る。時々トンネルがある。景色は悪くないが、素晴らしいほどではない。大糸線に似ている。1時間半ほどでノバゴリッツアに着く。バスが駅前に待っている。運ちゃんにボストイナ行きのバスがあるはずだと聞くが、要領を得ない。トリノ、トリエステなんか頓珍漢なことを行っている。ノバゴリッツアはイタリアとの国境の町、駅はイタリアにあるということが分かった。駅の裏側に行く。中国人に出会う、英語がわかるから助かる。バスセンターの場所を聞いた。店はすべて閉まっており、太陽が頭の上から照りつける。バスセンターに着いたが、オフィスが閉まり、バスは1台もない。スロベニアは徹底している。時刻表を見るとノバゴリッツア行きのバスは確かにある。日曜日には運行していないのだ。この地に泊まるのか、リュブリアナに引き返すか迷う。利便性の見地から引き返すことにした。ノバゴリッツア発15:24、イエセニツエ乗り換えリュブリアナ18:30着の列車に決めた。運賃は10ユーロほど。イエセニツエには定刻に着いたが、接続列車は30分遅れて到着した。当然リュブリアナに19時に着くことになった。インフォメーションでユースを紹介してもらう。あいにく満室である。駅に戻り、空きを確認して貰って別のユースに到着する。19ユーロ、このユースははずれであった。8人部屋にベッドがぎっしり、トイレはまあまあ、キッチンは壊れている。腹が減っているので買出しをする。20時をすぎている。21:30まで開いているスーパに駆けつける。ホステルに帰り、部屋の中でとりあえず腹に詰め込んだ。シャワーを浴びて満室のドミトリーベッドに体を横たえた。

ブレッド湖駅


2009/9/28 リュブリアナーポストイナーザグレブ
スロベニアではブレッド湖とポストイナ鍾乳洞は欠かせない。鉄道駅のロッカーは2ユーロ、9:32発のICで67kmを1時間で走る。駅にバスが待っているが歩く。30分ほどで市の中心部に着く。コンパスツアーが5%引きの19ユーロの入場券を売っている。鍾乳洞へは歩いていく。バス、乗用車が追い抜いていく。大きな駐車場があり、レストラン、ショップがたくさんある。典型的な観光地だ。日本人グループもいる。12時に入場する。トロッコに乗り2kmほど洞内を進む。その後歩いて見物する。鍾乳洞はヨーロッパ随一だといわれている。なるほど大きい、秋芳洞や桂林と基本的には変わりはない。しかしスケールが桁違いだ。ガイドに連れられ、英語、スペイン語、フランス語班に分かれて見物する。1時間ほどで見物は終わり。バスセンターに向かって歩き始める。観光バスで来ている人が殆どで、人に全然会わない。今日は月曜日、バスは頻発しているはずだ。バスセンターからリュブリアナへ6ユーロ、1時間の距離だ。15時過ぎに鉄道駅に着いた。16:29発、18:56着のザグレブ行きの列車がある。同区間は1日6本の列車がある。ボスニアのモスタルまでの切符を買った。運賃は53ユーロ、900kmを走るから妥当な値段だ。リュブリアナ市内に出て食料の買出しだ。朝から何も食っていない。スーパーはすぐ見つかった。ワイン、ビール、肉、果物、野菜、パンなど次々に買い込み、1,000円ちょっと。重い買い物袋を下げて再び駅へ、おっとロッカーの荷物を忘れないように。30分ほど列車の到着は遅れた。誰もいないコンパートメントで大宴会の始まり。ザグレブまでは景勝路線となっており、川と渓谷が見事で酒のあてになる。国境でスロベニア出国とクロアチア入国のスタンプが押される。チケットチェックはたびたびある。列車は遅れを取り戻し19時過ぎにザグレブに着いた。インフォメーションでバズバックパッカーを聞く。日本人経営のユースだ。見つけるのに難儀したが古いアパートの1画にあった。パソコンが自由に使える。ドミには誰もいない。キッチンは立派だ。18.5ユーロは安い。お茶も飲める。プリトビツエへの行き方を聞いておき、就寝する。

ポストイナ鍾乳洞入り口


2009/9/29 ザグレブープリトビッツエーザグレブ
クロアチアではプリトビツエとドブロクニクは欠かせない。ユースの前からバスセンターへはトラムがあるが、歩いたほうが早い。昨晩散々道に迷ったから、最短距離で着く。9:30発のバスがあり、78クーナの運賃。発車すると市内をすぐに通り抜け、鉄道に沿ってひた走る。ソベが散見され2時間ほどで公園入り口に着く。110クーナの入場券はずいぶん高いが仕方がない。多くの老若男女がたむろしており、世界的な観光地であることがわかる。クロアチアではユーロは使えずクーナに替えねばならない。両替所があり至れり尽くせりである。朝から食っていないので空腹だ。レストランは観光地プライスで手が出ない。少し歩くとミニスーパがあり、パンと牛乳を買う。水分補給は欠かせない。12時をすぎている。帰りのバスは17時である。ザグレブに戻らずにシベニク、スプリットなどアドリア海に沿ってドブロクニクに行くこともできるが、鉄道がなくバスに長時間揺られなければならない。トイレ、食事なんかもわずらわしい。列車はすいているし、車内で宴会もできるし、なんと言っても横になれるのが一番だ。5時間を見物に当てることにする。チケットを見せて中に入る。ここは水と緑の国立公園だ。中国の九寨江と似ている。滝があり、湖が点在しており木道を歩く。魚や水鳥がいる。魚がうようよしており、手でつかめそうだ。鱒の類だ。透明な美しい水だ。石灰は含んでいないようだ。徒歩、エコロジーバス、船を使って観光する。天気がよく空の青が一段と景色を華やかにしている。一通り観光して休憩するところを探す。大きなホテルがある。金持ちおばさんがぺちゃくちゃやっている。ボーイがスーツケースをバンに積み込んでいる。人間はかくも大きな荷物を持たなければならないのかと、あきれてしまう。洗濯もせず、服を見せびらかすにはこれほどの荷物がいるということだ。トイレも何もかも済まして、バス停に行くとちょうどバスが来た。列車は遅れるが、バスは早く来るということだ。ザグレブまでは72クーナ、行きと帰りの運賃が違うのが面白い。クロアチアは九州より少し大きい国、車窓からの景色は一面の畑、ジャガイモ、小麦だと思う。じりじり照りつける太陽で汗が出てくる。 2時間ほど乗っていると車が増え、信号が出てきて、人も見られるようになり、バスセンターに無事到着した。今夜の列車は21:25発のサラエボ行きだ。21時までにユースを出発しなければならぬ。大急ぎでスーパーで食材を買ってきて調理に取り掛かる。この日の食事は朝のパンと牛乳だけだから、栄養をつけねばならぬ。2時間ほどを食事の時間に当てる。ソーセージを鍋に入れてスープを作る。野菜サラダを作る。ワインを飲み、鳥の照り焼きにかぶりつく。ユースのマスターにワインを分けてあげる。調味料は塩、こしょうで充分だ。鍋いっぱいのスープがすぐなくなった。ドレッシングはないが、トマト、たまねぎからエキスが出るのでサラダは美味だ。紅茶、コーヒはユースの無料サービスだ。パン、チーズなんかどんどん食って、ついに腹いっぱいになった。鍋、皿、包丁、しゃもじ、スプーン、カップをきれいに洗いラックに戻す。礼を言ってユースから駅へまっしぐら、列車に乗り込む。車内は誰もいない。あとは寝るだけ。
 

プリトビツエ国立公園


プリトビツエ国立公園の鱒


2009/9/30 ザグレブーサラエボーモスタルードブロクニク
列車はクロアチアを越えてボスニアに入ったようだ。パスポート検査はあるがスタンプは押さない。切符のチェックはある。計4回起こされることになる。サラエボには6:20に着いた。モスタルへは乗換えだ。6:45発の列車はトンネル、峡谷を通る景勝路線だ。終点のプロチェまで日に2本あるが、もう1本は夜行だ。女学生とおっさんが乗ってきて6人席のところ7人になった。英語のできるおっさんが、こちらの職業、年齢、収入なんて聞いてくる。日本では妻は4人持てるのかととんでもない質問もある。女学生はびっしり書き込みのノートを読んでいる。9時にモスタルに着く。殆どの乗客はここまで。バスセンターが駅の隣にある。ドブロクニク行きは10時と12時半だ。後者のバスの切符を15ユーロで買う。ボスニアの通貨はマルカ、1マルカは0.5ユーロ。ボスニアヘルツエゴビナと長い名前の理由を聞くと、ボスニアはサラエボ、ヘルツエゴビナはモスタルなんだそうな。モスタルの見所はスターリモストただ1つ。ネレトバ川に沿って1本道を行くと到着する。この橋を境にクロアチア人地区とムスリム人地区がはっきりと分かれている。赤い屋根のクロアチアの家、石の色そのままのムスリムの家の相違は明瞭だ。帰路はお土産屋の並ぶ石畳の道を歩く。暑いくらいの太陽の下、そよ風に吹かれてゆっくりと歩く。銀行なんか出てきて駅に戻る。モスタルはこれで終了だ。昼食はスーパーでビール、パン、野菜、ハム、果物なんか購入する。バスの中では食えないだろうから、座るところを探す。みんな大きな石の台の上に座って、タバコすったり、食ったりしている。定刻どおりバスは発車、0.2マルカ残った。ポンド、ユーロ、クーナ、マルカを使ってきて頭が混乱してきた。外貨は残らないようにしたいが、ゼロにはできない。2時間ほどしてクロアチアに入った。パスポート検査はない。海岸沿いをバスはゆるゆると走る。アドリア海は波1つない。入江と岬が交互に現れる典型的なリアス式海岸だ。15時半にドブロクニクに着く。気温は28度、バスの回りに呼び込みのおばさんが来る。強引そうなおばさんのセールスポイントは、ユースでも20ユーロはする。しかも共同部屋だ。こちらは25ユーロで2人部屋を独占できるというもの。おばさんの車に乗り宿舎へ。おじいさんが留守番役。荷物を置き早速旧市街へ行く。坂道が多く、いくつもの道が旧市街に向かっている。行きは簡単だが、帰りは迷いそうだ。近道をたどって細い通路と階段を使って、降りていく。ピレ門から旧市街に入る。観光客がぞろぞろ。クロアチア屈指の観光地だ。両替屋がある。レートは悪くない。ドルをクーナに替える。石造りの建物、石畳の旧市街、レストラン、カフェがいっぱい。400クーナのディナーなんてざら。人ごみの中を歩く。2時間ほどぶらぶらして帰途に着く。途中海の見える高台に来た。赤い屋根、青い海のコントラストが見事だ。帰途は案の定迷った。進むにつれて道が分かれているのだ。とにかく上の道を目指す。大きな道に出た。店や駐車場は見覚えがある。宿の近くに来ているが、なかなか見つけられない。おばさんに名刺を貰っているので聞きまくるが要領を得ない。すると手招きをする女の人がいる。近所の人だろう。1分ほどで宿に連れて行ってくれた。外国人の来る宿ということで彼女は承知なのだろう。洗濯をして物干し台を探しているとおじいさんが持ってきてくれた。大いに重宝する。スーパーに買い物に行く。24時間営業の大きな店がある。キッチンが使えないのでデリカ、果物なんかを買う。ヨーロッパでは500mlの缶ビールは1.2ユーロぐらい。宿は私1人である。部屋の窓から向かいの家の灯りとテレビの音が聞こえる。うるさくはないので酒に酔って就寝。

スターリーモスト



ドブロクニクピレ門


2009/10/1 ドブロクニクーコトルーブドバ
今日も快晴。おばさんが庭でタバコをすっているのが窓越しに見える。8:30に起こされた。バスは10:30発だからゆっくりできると思っていたが、チケットを買わねばならぬから9:30に出発するとのこと。部屋を掃除するのでコーヒでも飲んでおいてくれという。バスターミナルに送ってもらい、モンテネグロのコトルまで110クーナ。乗車時間は2時間ほど。日本並みに高い。旧ユーゴではクロアチアが一番高い。乗車したバスはアルバニアの国境の町ウルチンジまで行く。8割ほどの乗客だ。リアス式海岸をバスはゆっくりと走る。景色は良い。バスが止まり、ポリスが来てバスポートを集める。上に積み重ねてゆく。返すときにひっくり返して前から返却するのだろう。クロアチアとモンテネグロのスタンプが押してある。ヘルツエグノビがモンテネグロ最初の町、1時間ほどで着く。コトルにはさらに1時間後。バスターミナルに荷物を預けて旧市街へ。コトルはドブロクニクより小さい城壁に囲まれた町。入り口でおっさんが釣りをしている。大きく切れ込んだ湾の奥にこの町がある。船が浮かんで絵のようだ。城壁内は石造りの建物、通路のオンパレード。聖トリプン大聖堂に入る。フレスコ画、祭壇が売りらしい。フランス人の団体が来ている。2時間ほどのフライトで来れるのだ。城壁の出口にマーケットがある。肉、魚を売っている。レストランはない。調理して売ればよいのに。牛乳、パンで食事を済ませる。バスセンターでブドバかバールのどちらでホテルをとるのが良いか聞いてみる。ブドバだという。3ユーロのバス料金で、1時間で着く。旅行社がバスセンターにあり、ねえちゃんに20ユーロのソベを紹介してもらう。彼女は英語が完璧で飛び切りの美人である。こんな田舎町においておくのはもったいない。やがて兄ちゃんが迎えに来てくれ10分ほどで着く。ツインベッドの清潔な部屋だ。ブドバは小さい町。地図があればどこでも簡単に行ける。城壁の旧市街の見物を終えて散歩する。海に面した町なので漁師が魚を売っている。キッチンがあれば料理をしてご馳走を作ることができるのに。海岸沿いのレストランはやや高め。秋刀魚の塩焼き風が5ユーロ。焼き方がもう一つで食欲をそそらない。ソベに戻る途中で地元のおばさん、おっさんが食っているレストランが見える。スープ1ユーロ、メイン4ユーロ、手ごろな値段だ。カラマリスというシーフードの意味がイタリア語でいかということが後でわかった。皿一杯やりいかの胴と足が別々に盛ってあり、フライドポテト、ほうれん草のソテーが山と添えられている。にんにくの隠し味が絶妙だ。ソースの味が独特だ。パンが食べ放題。コーヒが0.5ユーロ、言うことなしの大当たりのレストランだ。大満足で宿へ戻る。明日の予定を考える。モンテネグロ目玉のバール鉄道の発車は10:05、バールまでバスで30分、8時には宿を出なければならぬ。列車はベオグラードまで10時間、朝、昼、晩の3食必要だ。マキシムという大手スーパーが7時から24時まで営業している。列車内で快適に過ごすために、バラエティ豊かな食材をそろえなければならない。ワイン、ビールは必須。海の幸ボイルえび、鯛のフライ、ローストチキンを買う。パンも買うとずっしりとした重さだ。人間は食うために生きていることを実感する。宿に帰ると21時になっている。雲行きが怪しく、雷、稲光が頻繁。雨の音がやかましい。

コトルの町



ブドバ旧市街


2009/10/2 ブドバーバールーベオグラード
もの凄い雨、今回の旅行で始めて傘を使う。バスターミナルが近いので助かる。重い食料を持って歩く。バールまではミニバスだ。鉄道のレールが見えてきたと思ったら少しはなれたターミナルに着く。鉄道駅はどこかと通行人に聞くと、タクシーで行けとでたらめを言う。ネットで調べておいたことが役に立つ。しっかりした人から聞き100メートルはなれたところに鉄道駅がある。駅前に少しばかり食料を売っているがとても満足する品揃えでない。前日の買出しが効果を発揮するだろう。窓口で切符を求めると、29ユーロ、少し高いかなと思って切符を見ると1等となっている。道理で親切にのり方を説明してくれたわけがわかった。1等の客にふさわしい人物に見られたと変に満足する。10時間ほど乗るのだから日本に比べたらずいぶん安い。列車はすでに入線している。ドアがしまっているので乗れない。やがて車内へ。1等と2等はあまり変わらない。定刻に発車して30分毎に停車する。首都のポドゴリッツアに着くと、多くの人が乗ってきた。昨晩の雨の影響か、車外は霧に覆われている。故チトー大統領が国家の面子にかけて建設したこのバール鉄道はなるほど景色は良い。山の中を突き進むからアップダウンがある。はるか下に道路があり車が芥子粒のようだ。工事をしているようで、2車線の道路が半分しか使えないので渋滞している。昼前になり朝から食っていなくて、空腹を感じてくる。12時をすぎているのに他の乗客はミネラルウオーターやパンを食っていて、本格的な食事を取るものは誰もいない。猛烈に腹が減ってきて、怒りさえ覚える。おもむろにワインをぐびり、湯でえびをパクリ、鯛のから揚げをむしゃむしゃ、こんなにも美味なるもの食ったことはないほどのおいしさだ。。もう止まらない。仕上げはローストチキン。ワインはカラッポ、ビールに手が伸びる、パン、野菜、果物なんでもかんでも腹に入る。 いつしかセルビアに入ったようだ。パスポートチェックがあるがスタンプは押さない。19時になっている。みんな退屈して居眠りやら、タバコをふかしている。列車は1時間ほど遅れてベオグラード駅に着いた。隣のホームにブタペスト行きの列車が止まっている。明日はこの列車の乗客となるはずだ。駅のインフォメーションはしまっている。腹は減っていない。寝るだけだ。ユースのビラが置いてある。食料はすべて平らげたので荷物は軽い。年配のおっさんが声をかけてきた。12ユーロで俺のアパートに来ないかという。駅前のユースに泊まることにしていたが、おっさんに変更した。トラムで20分ほど揺られる。運賃はおっさんもち。古臭いアパートに入る。エレベータで部屋に入る。おっさんにピストルを突きつけられたら一巻の終わり。しかしそういうことにはならなかった。12ユーロきっちり支払おうとしたら、おっさん手持ちのディナールを処分したいというので、15ユーロを渡し3ユーロ分に相当する300ディナールを釣りとして受け取った。おっさんの部屋に泊まった日本人のギャルの写真をいっぱい見せる。ギャルから10セントコインが50枚、5ユーロ分をユーロ紙幣に替えてくれないかという。コインではディナールに替えることができないからだ。次の訪問地ハンガリーではユーロコインは使えないが、最終訪問地フランスでは使える。コインは重くていやだが、5ユーロ紙幣に替えてやった。 おっさん合計25ユーロの紙幣を獲得してにんまり。 おっさん半年間ほどずっとこの機会を待っていたんだそうだ。上機嫌でテレビを見ろという。100チャンネル見られるという。おっさんコーヒを出し、解説をしてくれる。もう真夜中の12時をすぎている。隣の部屋のベッドにもぐりこみ就寝する。

バール駅



バール駅


2009/10/3 ベオグラード市内観光ー夜行列車でブダペストへ
昨日はブドバ、今朝はベオグラードとよく移動した。窓からトラムが見える。おっさん8:30だよと挨拶に来る。実際は出て行ってほしそうだ。洗面、トイレを済ませトラムの切符を貰って出発。彼は今晩家族のところへ行くんだそうな。トラムに乗っていても地図を貰っているので市内のどこにいるかよくわかる。大きな川を渡ると駅が見えてくる。ブタペスト行きの列車の切符を買う。20ユーロで350kmの距離だ。荷物を預け市内観光に出発だ。カレメグタン公園は外国人なら必ず行くところだ。途中に民族博物館に入る。見学というよりトイレに入るためだ。3階建ての建物は立派で、展示物も面白い。漁業、農業が昔は基幹産業だったようだ。衣類、住居の展示もある。ワインが盛んのようでずいぶんと丁寧に説明されている。英語の説明があるのでよくわかる。カレメグタン公園は市民の憩いの場でもある。子供連れの訪問者が多い。入り口に案内所があり別嬪さんが達者な英語を話す。道は上り坂でサバ川とドナウ川が合流しているのを見下ろせる場所に来た。川沿いに高級レストランがある。アベックが写真を撮っている。テニスコートではダブルスをやっている。ラリーが続かないようですぐにプレーがストップする。サーブアンドボレーが主体のようだ。昼飯時をすぎており、公園を出るとレストランがある。値段と今日のスペシャルのメニュウを見てはいる。パン、肉の煮込み、サラダ、デザートで400ディナール、ビールをまずぐっと飲む。肉はパプリカで味付けがしてある。コーヒを飲んで終わり。会計は650ディナール。ブドバのほうがずっと美味だ。大聖堂、リュビッツア姫の屋敷を外から見る。列車は21:20発で、現在は17:00もう何もすることがない。金を使わずに座るところで言えば鉄道駅の待合室ぐらい。しけたおっさんが暇そうに座っている。レストランや喫茶店にいけば金を取られる。外気温は20度くらい。結構冷える。冬だったら凍死する。駅の前の公園で露店商人のおっさんが小便をたれている。商品を監視せねばならないから、この商売も楽でない。いよいよすることが無くなった。隣にバスターミナルがあり、結構人の出入りはある。マクド、ケンタッキー、サンドイッチ屋があるが、外で食わねばならぬ。寒いのでいやだ。自動車売り場のねえちゃんにスーパーを聞いて買い物をする。牛乳とパンを買う。公園に戻りベンチに座りわびしく食事する。20時にやっとなった。いよいよ冷えてきた。風邪をひいたら大変だ。駅の待合室に行く。荷物を取りミネラルウオーターを買い、トイレに支払ってディナールを使い切った。やっと列車が入ってきた。おばさんが真っ暗な車内にドアをこじ開けて入っていった。私も続く。寒さから開放され、座るところも確保できほっとする。発車間際に若い男女が乗車して満員になった。クロアチアとセルビアは巨人の国、コンパートメントに入るのに頭をぶつけるやつが何人もいる。こんなやつらと喧嘩しても勝ち目はない。頭で勝負するしかない。出発は定刻だ。検札がありすぐに若者はいなくなった。誰もいない個室、まるで幽霊列車だ。国境に着きパスポートにセルビアのスタンプが押される。検札が再びある。髭だらけの乞食みたいなのが入ってきた。車掌が話をしたと思ったら、次の駅で駅員が降ろしてしまった。切符を持っていないのだろう。うとうとするも列車は 快適に走っている。

サバ川とドナウ川の合流点



カレメグタン公園


2009/10/4 ブダペスト市内観光
ブタペストと大きな声で起こされた。外は真っ暗闇、トイレを済ませて車外に出る。外気は冷える。地下鉄は動いているかもしれないが、こんなに早い時間に動きたくない。待合室は殺風景だが少しは暖かい。列車から追い出された人や、行くところのない人が座っているか、死んだように眠っている。ひたすら外が明るくなるのを待つ。トイレは閉っている。列車で済ませたのは正解だ。6時になってやっと明るくなった。アンダンテユースホステルの場所はわかっている。東駅からデアク駅で乗り換え、オクトゴン駅まで行けばよい。1日券を1,550フォリントで買う。ユーロでない。ユースには9時前に着く。わざとゆっくり行った。予約はしてあるが先方も迷惑だろう。共同アパートの1階にあり教えられた番号を押すとベルが鳴り、ドアのロックが外れる。15ユーロで1ベッド、5ユーロはデポジットとして別途支払う。日本人経営のユースだ。インターネットが使えるのが嬉しい。早速市内見物だ。王宮、マーチャーシュ教会、鎖橋、国立博物館を見学することにする。明日は南駅から空港に列車で行くのでルートを実際に歩いてみる。ユースを出ると両替屋、レストラン、銀行、スーパーなど何でもある。下手なリゾートホテルに泊まると、高い料金のうえ足がないので何かと都合が悪い。王宮へ行くと日曜日のこととて大変な賑わい。歩いて丘の頂上に行く。ブダとペストの町をドナウ川が流れている。屋外で花嫁と花婿が記念撮影をしている。マーチャーシュ教会をすぎて丘を下る。地下鉄で国立博物館に行く。パスポートを見せると割引してくれる。700フォリントの入場料だ。夜行列車で着いてこれだけ回ると疲れる。ユースにもどる。日本人ばかり泊まっている。1週間以上滞在している人もいる。移動するのが面倒であるといっている。洗濯、食事、宿代は必要だ。ゆっくり滞在も悪くない。こちらは急ぐ旅。スーパーに行き買出しだ。キッチンが売り物のユースで非常に重宝する。肉野菜煮込み料理を鍋いっぱいに作る。ホステラーにもおわけする。日本料理を経営するおじさんが、てんぷら、卵焼き、握り飯を差し入れに来た。焼き鮭もある。やはりプロの腕にはかなわない。みんなでわいわい言っていただく。明日は9時の飛行機に乗らねばならない。最低7時には起床しなければならない。ころあいを見てベッドにもぐりこむ。

王宮



ブダペストとドナウ川


2009/10/5 ブダペストーパリ
夜中に何度も起きて目覚ましを確認した。飛行機に乗り遅れたらすべておじゃんになる。コーヒを沸かして握り飯を食っていると、マスターが起きてきて5ユーロ返してくれた。南駅まで徒歩で15分、切符を買いフェリヘギ駅に7時30分に着き、45分に空港に着いた。小さい空港でイージージェットはすぐに見つかった。念のためにプリントアウトした搭乗券を見せると、ご丁寧に普通の搭乗券をくれた。フォリントはチョコレートを買って使い果たした。定時に離陸して7割くらいの乗客だ。素晴らしい天気で緑のじゅうたんが、眼下に広がる。2時間のフライトの後オルリーに到着だ。入国審査はない。パリビジットという鉄道乗り放題のパスを28ユーロで買う。2日間有効で決してお買い得でないが、切符を乗車のつど購入する煩雑さを避け、メトロとRERの乗換えをスムースにするために購入した。オルリーバルというモノレールでアントニー駅に到着後、RERのドゴール空港行きに乗り換える。 案内がしっかりしており、すべてがスムースに行く。シャトレデアル駅でメトロに乗り換える。シテ駅で下車。ノートルダム大聖堂に行く。ロンドンのノートルダム寺院に似ている。H型の建物だ。雨が降っているのにおのぼりさんがいっぱい。傘を差してバッグを持つのはしんどい。早々にメトロ駅へ。RERもメトロも便利だが、車両は日本のほうがよろしい。車内では音楽師が大音響で歌を歌いだす。乗客もなれたもので、無視するかチップをあげている。普通の市民が乗っており、新聞を読んだり、ぼんやり座っている。ロンドンでもここパリでも黒人が見られる。移民を積極的に受けているのだろう。シャトレ駅で乗り換えルーブル美術館に行く。フランス語で王立美術館という駅名だ。今は共和国だが王制の時代に作られたということなのだろう。観光客ばかりだ。バッグを預かってくれるので助かる。ピラミッドの周りはもの凄い人だかり。リシュリ、ドノン、シュリの3館がある。入場料は9ユーロ。3館はつながっているが、移動は簡単ではない。宮殿を使用しているので階段があったり、行き止まりだったりして結構疲れる。地図もあり部屋番号があるのに迷ってしまう。石の通路は足に負担だ。ミロのビーナス、ハムラビ法典、モナリザなどめぼしいところを見て回る。ゴッホ、ルノワールなど名画がたくさんある。天井まで届くような壁いっぱいの巨大な絵画がある。ロンドンの大英博物館、ナショナルギャラリのほうがずっと見やすい。ルーブルは味噌もくそも詰め込んでいる。ともかく3館とも見物してメトロ駅に行きシャトレ駅で乗り換え、11号線終点のメリエデリラ駅に行く。駅に地図があり重宝する。.easyjet.com/asp/en/book/index.asp?lang=EN">サビーネハウスの地図は持参している。階段を上がる。18時をすぎているが明るい。2人ほどに聞いた。最後には親切にも連れて行ってくれた。ハングル文字のある立派な屋敷だ。韓国人経営のゲストハウスだ。ベルを鳴らすとおばさんが出てきて、予約していることを告げると、ドミトリーではなくコンドミニアムに泊まっていきなさいといってくれる。ツインベッド、シャワー、トイレ、キッチンのある立派な部屋だ。靴を脱ぐので清潔だ。25ユーロを支払う。朝食が付いている。明日の飛行機は12:25発で2時間前に空港に着かねばならない。9:25には宿を出なければならない。ベルサイユ宮殿は行けない。別の機会にしよう。夕食の買出しに出かける。肉屋でおいしそうな赤みの肉を買う。9ユーロで500グラムだ。八百屋できゅうり、トマトを買い、パン、ビールも買う。宿に帰り調理をする。早速肉を焼く。調味料は塩と胡椒のみ。焼き立てにかぶりつく。脂肪の少ない肉は何となく物足りない。日本の霜降りではないが、少しは脂身がほしい。最高の肉なのに肉汁がないので、ぱさついている。口の中でとろけるということは決してない。しっかりとかまないとのどを通らない。日本の肉は高すぎて、うますぎるのだ。とにかく腹いっぱいは食った。後片付けをすると22時近くなった。テレビはあるがフランス語なので、ちんぷんかんぷんだ。今夜はゆっくり眠れそうだ。

ノートルダム大聖堂



ミロのビーナス


2009/10/6 パリ
朝食があるのが嬉しい。韓国スタイルで床に座る。あったかいご飯、具たくさんの味噌汁、10品以上の副食、焼き魚、お茶がある。お変わり自由で助かる。副食は大皿から個人の皿に取り分ける。欠食児童のごとく食いまくった。韓国人、日本人、仏人がいる。ただし仏人はパン食。腹いっぱいに動けないくらい食って、お礼を言って宿を出る。メトロ駅からシャトレで乗り換え、RERの乗客となる。市内を抜けると工場、倉庫群が現れる。農地はない。配送センターもある。パリの胃袋の役目をしているのかも知れぬ。ドゴール空港には10時半ごろついた。1,2ターミナルがあり2ターミナルが終点である。ベトナム航空は2ターミナルから出発する。AからF までのゲートに別れているのでBを目指す。これほどの大きな空港なので、2ターミナルのBゲートだとあらかじめ調べておかないと、とんだ目にあう。チェックインすると搭乗券は、ホーチミンまでと、大阪までの2枚くれる。登乗した機内は行きと同じで超満員。通路側を確保できてほっとした。12時間のフライトの始まりで、すぐに昼食が出る。昼から夜への変化は早い。すぐに真っ暗になる。10,000kmあるので平均800kmの時速だ。今朝起床したとき左足のくるぶしに違和感があり、今見てみると大きく膨らんでいる。靴下を脱いでじっとにらむと水ぶくれになっている。靴を履いて歩くのが困難になってきた。靴下のままで機内を歩く。キャビンでワインを頼み、インスタントカップベトナム麺をいただく。3列席の通路側だから隣と窓側の人が通る度に前を空けねばならぬ。そのうちに朝食が出てホーチミンのタンソニエット空港に予定時刻に到着。

2009/10/7 ホーチミンーミトーホーチミン
明日の0:20発まで19時間の待ち時間がある。市内に出ることにする。1ユーロ25,000ドンになる。両替のたびに頭が混乱する。バスは2,500ドン、高いか安いかわからなくなるが、50円ほどだ。30分ほどでペンタインバスターミナルに着く。別のバスに乗り換えミエンタインバスターミナルを目指す。1時間ほどかかる。中国人、ベトナム人の店がぎっしり、車とバイクが道いっぱい、まさにこれがアジアの町という印象だ。埃りっぽく、家もちゃちだ。気候のせいもあるがヨーロッパに比べればインフラ整備は遅れている。セルビアみたいな田舎でも歩行者が安心して歩けるように街づくりはなされていた。道路を横断するのは命がけだ。地元の人はすいすいと渡るが、恐ろしくてまねはできない。信号を無視して車が突っ込んでくる。ミエンタインにやっと着いた。さらに乗り換える。目指すミトーまで32,000ドンの運賃だ。2時間かかる。国道らしいところを走るが、ひどく渋滞している。道路工事をしている、未舗装の区間もある。クラクション、おびただしいバイクの群れ、まさにベトナムの真髄を体験する。やっとのことでミトーに着く。ターミナルは中心部から5kmはあり、バイクタクシーに乗らねばならぬ。バイクタクシーは10分ほどで20,000ドンだ。いい稼ぎだ。ドライバーのためにバスのターミナルを遠くに設置したとしか思えない。ヘルメットをかぶって、荷台に乗る。飛ばされないように運ちゃんの腰にしがみつく。旅行社につけてもらう。ジャングルクルーズは2人、3時間で30ドルとのこと。1人1時間11ドルで交渉成立。旅行社のねえちゃん運転のバイクに乗り船着場へ。ヤマハエンジン付のボートでメコン川を渡って島へ到着する。メコン川は茶色、汚水ではなくてシルトが混じっているからだ。島は完全な観光地で養蜂場があり、蜂蜜酒、飴、茶を味わう。中国人、西洋人観光客が来ている。手漕ぎの船に乗り換えて、狭い水路を行く。ジャングルクルーズというそうな。チップ10,000ドンを渡してくれとねえちゃんは言う。再び島に戻り名物料理の象の耳という、魚のから揚げを注文する。30cmくらいの魚が出てくる。 皿の上に杭があり魚を支えている。泳いでいるような姿で出てくる。ウエートレスが魚肉を切り取って、ライスペーパーに春雨と大葉と一緒に包んでくれる。甘辛いソースにつけて食べる。パリパリ感は心地よいが、味はそれほどでもない。ガシラ、オコゼのから揚げのほうがずっと上手い。ビールを飲んで500円ほど。ミトーに来たのはジャングルクルーズと象の耳なので、用事は済んだ。同じ道を引き返す。ホーチミンには19時頃に着いた。移動で腹が減ってきた。空港のレストランに入る。ビール、スープ、ご飯、肉炒めのセットで800円くらい。20時頃になったのでモニターを見る。関空行きは運行中止となっている。台風のためだという。明日の9:50出発だという。10人ほどの日本人がいる。パリからの乗り継ぎ客に限ってホテルを用意するという。ホーチミンから乗る客はホテル代は自前になる。22時頃にもう一度ベトナム航空カウンターに来てくれという。飛行機会社の世話するホテルは超一流と決まっている。早く行きたいのに待たされるとは。食事は晩、朝あるという。晩飯を食ったことを後悔したが、フライトキャンセルなんて予想もつかない。ラマナホテルへ送ってもらう。おいしそうな料理が並んでいる。バイキング形式だ。無理やり詰め込みたいが、体調を崩したら笑われる。ビールをサービスするという。生きた蟹、海老、貝を調理してもらう。チリソース仕上げで涙が出そうにおいしい。牛肉、スープ、麺、フルーツ、サラダ、デザートを一通りいただく。こんな上手い物が世の中にあるのか、涙が出そうだ。時計を見ると0:00時近くになっている。明日は7:30出発だから6時半には起きねばならぬ。部屋に戻る。お湯をバスタブいっぱいに入れる。時間がもったいない。多すぎるタオル、きれいなテレビ、柔らかな間接照明、これぞ快適空間だ。ただだからなお嬉しい。アメニティグッズ、お茶セットは貰っておく。

ミトークルーズ



ミトークルーズ


2009/10/8
睡眠したかどうかわからん。朝飯を食いにレストランへ。ディナーに劣らずご馳走が勢ぞろい。パン、ジュース、シリアル、チーズ、バター、スープ、ハム、サラダ、フルーツ、ラーメン、八宝菜、肉炒め、どれもこれも絶品。コーヒ、ジュースがぶがぶ、パン食い放題、お粥までいただく。7時をすぎている。心残りであるが部屋に戻り、他の日本人と空港へのバスに乗り込む。足の水ぶくれはさらに大きくなって、靴を履くのが苦痛だ。潰れると化膿の恐れがあるので、そろりと歩く。日本までは5時間のフライトだから機内ではおとなしくして過ごすことにしよう。