美術館ツアーインパリ
中小零細国を除いてほぼ全国家を行き尽した俺はパリに行くことになった。連れは嫁はんと長女。昨年のドイツに味を占めたのか長女の誘いに乗ったわけ。期間はお盆で航空券が最も高いときである。予約は8ヶ月前にした。南米に2月に行ったのでややうんざりだがともかくいくことになった。名古屋発着のエティハド航空でアブダビ経由である。航空券が140,000円、ホテル代が60,000円、その他が33,000円で1人の総費用が8日間で233,000円である。オフシーズンで、ホテルをケチれば150,000円でいける。
2014年8月8日 京都−名古屋−アブダビ
セントレア発は21:30でオンラインチェックインを事前に済ませておいた。並ば無くてもよい。余裕で搭乗する。北京経由で中国人が多い。アブダビには12時間後に着く。エコノミー席でひたすら我慢。
本日の出費6,200円
2014年8月9日 アブダビ−パリ
アブダビには6:20着。ひたすら接続便を待つ。9時発のパリ行きに搭乗。ほぼ満席。14:25シャルルドゴールに到着。市内へはRERと言う列車が安くて早い。長女はキケンだから乗らないと言ってビビる。スーツケースを引っ張っている乗客が一杯いるので安心したらしい。自動販売機があり1人9.75ユーロ、英語の説明がありいとも簡単。ドイツと違って複数割引がない。北駅までノンストップ。何故か客は皆降りてしまった。乗るとき市内まで行くことを確認したのに。ホームに出ると、客は取り扱わないと表示されている。10年以上フランス語をやっているから理解できる。乗り換えると黒い人が増えてきて少し不安。アコーデオンで演奏する人がいる。小遣い稼ぎだろう。目的地はメトロのオデオン、レアールでRERからメトロに乗り換え。それぞれの駅に改札機がある。切符は通しで使える。オデオンは市内のダウンタウンと言った雰囲気でにぎやかである。ホテルはHotel Delavigneという3星である。予約は長女に任せた。チェックインしてマカロンと言うお菓子を買いに行く。くだらんお菓子が15.9ユーロ。モノプリというスーパーでデリカ、酒、果物を買い込む22.55ユーロ。パン屋によって2.7ユーロ。ホテルはトリプルでバスタブがある。食って飲んで寝る。デリカのウサギの煮込みが美味。
本日の出費70.40ユーロ
2014年8月10日 カタコンブ−パッシー−モスク
パリ市内はメトロでどこでもいける。モビリスという1日切符が6.8ユーロ。自動販売機で買う。入り口に改札機があり、出口にはない。カタコンブと言う地下墓地の骸骨を見に行く。あいにく長蛇の列。パリミュージアムパスが使えないのであきらめる。メトロでパッシー地区に向かう。エクトル.ギマールという建築家が設計した由緒ある建物を見に行くのだ。長女のお付き合いだ。ギマールの建築は観光名所でないから分かりにくい。長女が聞きまくって歩き回っている。フランス語も英語も出来ないのにようやる。結構皆親切で丁寧に教えてくれる。英語も話すようだ。スマホなんかで教えてくれる人もいる。4箇所見て疲れた。それぞれ立て看板があり、説明がある。勿論フランス語だ。10年以上勉強している俺は単語を拾っていけば何となく理解した気分だ。フランス語の動詞の活用は複雑で直説法、条件法があり微妙なニュアンスの違いがある。腹が減った。ムール貝を食いに行く。フランスに来た俺の目的はムール貝、ブイヤベース、エスカルゴだ。レオンというファミレスタイプに行く。パリのいたるところにあるチェーン店だ。俺はムール貝鍋、彼女らは何故かムール貝パスタを注文した。待つうちにムール貝鍋が出てきた。真っ黒な貝が鍋一杯。不気味だ。パンは無料。ビールは500mlで7ユーロええ値段だ。貝殻を放り込む桶がムール貝の形をしている。熱々のにんにくの利いた塩味の鍋はおいしい。黄色い肉をがんがん食って殻を捨てる。スープが美味。30個ぐらい貝があった。勘定は3人で68.10ユーロ。本日最後の訪問地モスクへ行く。パリにも回教徒がいるようで髭を生やした信者が結構来ている。観光客もちらほら。回教徒は真面目であまり金持ちではない。俺はイランなんかで嫌ほど見ているので2人だけ入って外で待つ。見学終了後クスクスを食べに行く。北アフリカの庶民料理だ。家族連れが多い。串焼きとサフラン入りの小麦粉の蒸したものとシチュウが出てきた。香辛料がよく効いている。スタッフはモロッコ人のようだ。24.5ユーロ。帰り道でスーパーにより酒などを買う。16.6ユーロ。
ギマールの建築
本日の出費 138.6ユーロ。
2014年8月11日 クリュニー美術館−モロー美術館−ノートルダム大聖堂
ホテルの朝食は有料。1泊200ユーロ。結構な値段。パリはやはり何もかも高い。モビリスを買ってメトロに乗る。古い建物のクリュニー美術館に行く。ミュウジアムパスが使える。ここの目玉は貴婦人と一角獣のタペストリーだ。あまり美術に興味のない俺には古臭い品物が陳列されているとしか言いようがない。長女は一生懸命に見ている。見学を終えて長女推薦の喫茶店に行く。あまり気が進まないがお付き合いだ。結構歩いてやっと着く。観光客相手のありきたりの店。紅茶、ケーキで33.1ユーロ。ばからしい。次はモロー美術館へ。こぢんまりとした建物だ。長女のお付き合いだ。仕方がない。次はノートルダム大聖堂へ。世界中から観光客が来ており、入るのに超だの列。パスしてサント・シャペル教会。ここでも長い列。やっと入ると客で一杯。ステンドグラスが売り物だ。歩きつかれた。俺はブイヤベースのことで頭一杯。La Mediterraneeと言うレストランがホテルの近くであることを調べておいた。腹をすかせて入る。お金持ちの入る店ではないが清潔そうだ。ブイヤベースは1人33ユーロ。肉料理に比べれば高い。5,000円になる。ビールなんかも外国産しか置いてなく、ハイネケンの300mlが7ユーロ。レオンの倍だ。大根のサラダ、ラスク、パンが出てきて、ブイヤベースが登場。真ん中がくぼんだ皿に魚の切り身があり、スープが注がれる。これが5,000円かとムカッとする。スズキ、鱈の切り身に紅いスープだけ。すぐになくなった。これで店を出るなんてたまらん。スタッフがもっといるかと聞いたような気がする。金を取られたらかなわないから拒否する。しかし何かの本でお代わりし放題と言うのを思い出した。スタッフに確かめるとそうだと言う。手つき鍋にスープのお代わりが出てきた。調子に乗って2回お代わりをした。やや満足。勘定は121ユーロ。相当な値段だ。
クリュニー美術館
本日の出費177.5ユーロ。
2014年8月12日 オルセー美術館−パンテオン−凱旋門−買い物
3泊のホテルをチェックアウトする。600ユーロ。荷物を預ける。本日もモビリスを購入。オルセー美術館へ。長蛇の列ではないが少し並ぶ。ミュウジアムパスを事前購入しているから早く入館できる。JTBのツアー客もいる。ゴッホ、ミレーなんかが展示されている。ゴッホは印象派に属し、精神を病んでいたらしい。生きているうちは認められず不幸な人生を過ごしたようだ。館内は結構な人がいる。数時間を過ごす。
腹が減ってきた。長女の希望で肉のレストランに行く。リブロースステーキにはポテトフライが付く。野菜サラダも注文。日本人の客が居り、料理を教えてもらう。水は無料とのこと。ステーキは硬い。アルゼンチンの肉より硬い。歯の悪い人は困るだろう。サラダがおいしい。レタス、にんじん、ハムが皿に一杯。勘定は55.9ユーロ。食事の後はパンテオンへ。フランスの偉い人の棺おけが並べられている。暗い地下室みたいなところに多数ある。こんなところにも観光客がいる。次は凱旋門へ。シャルルドゴールエトワールのメトロ駅には珍しくトイレがある。アンモニアのにおいがホームに充満している。我慢して地上に上がる。ここでも並ぶ。エレベータで展望台へ。観光客で一杯。デジカメでぱちぱちやっている。放射状に道路が延びている。シャンゼリゼ通りは片道4車線立派だ。エッフェル塔は近くに見える。シャンゼリゼ通りで長女のお買い物のお付き合い。疲れた。帰途スーパによって買い物。22.90ユーロ。ホテルに戻り荷物を回収してHotel de Seineに向かう。歩いていける距離。チェックインして部屋に入ると掃除が不完全である。早速フロントに連絡する。飛んできてカメラに収めている。こんなことはしょっちゅうあるようで、後で業者にクレームを言うのだろう。こちらにはダブルルームを2つ用意すると言う。ドイツでもこういうことがあった。さらにお詫びに明日の朝食をサービスすると言う。先のホテルよりグレードは上のようだ。
凱旋門
本日の出費 99.28ユーロ
2014年8月13日 ベルサイユ宮殿
ホテルサービスの朝食を食べる。フロントが来てトリプルルーム1部屋をダブルルーム2部屋使ってくれと言う。了解する。ジュース、牛乳、シリアル、パン、バナナ、バター、ジャムなんでもある。昼飯分も詰め込んでおこう。ベルサイユ宮殿はRERで簡単にいける。運賃は3.45ユーロ。メトロに乗りベルサイユ行きの電車に乗り換える。RERは地上を走るから景色がよく見える。メトロと違って左側通行だ。市内では市民はアパートに住んでいるが、郊外に出ると一戸建て住宅が見えてくる。1時間弱で到着。終点になっている。世界中から観光客が来ており、おみやげ屋やら呼び込みなんかあり、俗っぽい感じ。宮殿ははるか遠くに見えるが、とぐろを巻く見物人にびっくりした。入場するために並んでいるのだ。ミュウジアムパスを持っているから少しは時間を短縮できる。やっと入場できたと思ったら、荷物検査が厄介だ。空港並み。宮殿内に入る。人の波にまぎれて進む。暇に任せて建てたから確かに豪華である。調度品、装飾、天井画なんか反吐が出る。玉座、天蓋ベッドうんざり。座椅子、ソファでテレビ見るほうがよっぽど快適だ。皆デジカメで写真だ。最後のハイライト鏡の部屋に来た。馬鹿でかいだけの品のない部屋だ。ごてごてした天井画、ラブホテル級のガラス張りの壁。ここで何をやっていたのだろう。飯を食って、踊っていたのだろう。貴族の生活なんて退廃そのものだ。この宮殿は糞尿宮殿と呼ばれ、辺りにもの凄い悪臭を放っていたらしい。トイレを探すのに苦労した。一箇所しかない。しかも長蛇の列。男は早いが女は可愛そうに、男便所にも来ている。許そう。ベルサイユ宮殿を堪能して庭園に出る。よく整備されている。大きいだけだ。離宮、トリアノンは省略して駅に戻る。切符を買いたいがカードしか受け付けない。ヨーロッパで感じるのは現金よりもカードが便利ということだ。仕方がない窓口で買う。当然待たされる。乗車すると検札がある。珍しい。個人でベルサイユへは楽勝でいけるのに日本のツアーは22,000円。ぼったくりだ。俺なら3,000円でお釣りが来る。見物して、乗って、歩いて疲れた。果物を買って、中華料理28.04ユーロ食ってホテルでバタン。
鏡の間
本日の出費 52.74ユーロ
2014年8月14日 ルーブル美術館
カルネと言う10枚切符を買う。13.7ユーロ。ルーブル美術館へ。ここでも並ぶ。ベルサイユほどでない。フランスは宣伝が上手い。内容がないのにツーリストを集める。物価は高い。パリはもう飽きた。ミュウジアムパスのお陰ですんなりと入れた。お目当てはモナリザ、ミロのビーナスだ。デジカメでぱちぱちやっている。皆分かってるのか。世界3大美術館の一つらしく、仰山の絵がある。ようこんなに集めたものだ。トイレがたくさんあるのがよい。ナポレオンの戴冠式は10m四方もある馬鹿でかい絵だ。絵の具どのくらい使ったのだろう。絵を見て、人を見て腹が減ってたまらん。最後のエスカルゴを食わんといけない。ところがお目当ての店が休んでいる。むかついてムール貝のレオンに行く。やけくそだ。俺はムール貝鍋、嫁はんはムール貝サラダ、長女はムール貝パスタ。2回目は感激が少ない。塩からい。勘定は52.6ユーロ。カルフールで果物8.36ユーロ。最後の飯はクレープ屋で乾杯。41.50ユーロ。明日は帰国パッキングする。
モナリザ
本日の出費118.16ユーロ。
2014年8月15日 パリ−成田
RERで空港へ。エティハド航空のカウンターへ。チェックインだ。ところがアブダビ行きが遅れて日本への接続便に間に合わないから、切符を買ってくれと言う。勿論無料だ。長いこと待たされた。全日空の成田直行便で16:30発だ。6時間待つことになる。ミールクーポンを出せばよいのに。20時間ウンザリさせられるより、10時間ばかりの直行便のほうが余程よい。ラッキー。広い広いシャルルドゴール空港で無為の時間をつぶす。ゲートに行く。雷にあったみたいで1時間出発が遅れるとのこと。やれやれ。疲れ果てて機内の人となる。スーペリアエコノミーと言ってエコノミーの1.5倍増しの席だ。足が伸ばせる。ピッチが広い。エティハドありがとう。食事が違う、スタッフが何回も来てくれる。エコノミー席を見る。いわしの缶詰だ。熟睡はしなかったがサービスと食事で感動した。金の威力をマザマザと見せ付けられた。今後海外旅行はビジネスだと言われたらどうなるのだろう。
本日の出費 29.25ユーロ
2014年8月16日 成田−名古屋−京都
1時間ほど遅れて成田に到着。名古屋往きまで数時間待つ。待つことに疲れた。美術館、宮殿、飛行機、パリなんか行くものか。お盆だから満席。当たり前だ。セントレアから名鉄、JRで京都に22時ごろ到着。お疲れ様。豪雨があったみたいでJRも遅れた。やれやれ。
あとがき
8月10日に台風が来るという予報が出ており、ぎりぎりの出発であった。9日は空港が閉鎖になったとのことである。無事に出発できたことと帰りには全日空直行便に乗せてもらえたので今回の旅行はまずまずであった。お疲れ様でした。