王は民の願いを聞き入れなかった。こうなったのは主の計らいによる。主は、かつてシロのアヒヤを通してネバトの子ヤロブアムに告げられた御言葉をこうして実現された。   (列王記上1215 

 主はダビデ王に対して、預言者ナタンを通して、「王国の王座をとこしえに堅く据える」と約束された。しかるに、ソロモン王の死後、王国は南北に分裂してしまう。その原因としては、(1)北部と南部では風土や環境の違いがあり、北部は農耕中心で周辺地域の農耕神の影響を受けていて、信仰の一致に破れが出てきたこと、(2)経済的繁栄と諸事業の成功の裏では、重い課税や強制労働が行われていて、その背景にはソロモンの思い上がりがあって、御心に耳を傾けることが疎かになっていたこと、(3)ソロモンが周辺諸国と良好な関係を保つために、それらの国々の女性を王妃や側室に迎えて、彼女たちの国の神々を礼拝する施設を作ったりして、偶像礼拝を禁じる戒めを破るという背信の罪があったこと、が挙げられる。
 実際には、ソロモンの子レハブアムが王位継承にあたり、長老たちの進言を聞かず、若者の意見に従って、北部の人たちの負担軽減の要求を受け付けず、反って重くしたことに反発した北部の人たちが、北部のリーダーであったヤロブアムを立てたことによって分裂したのである。
 しかし、列王記の記者は、標記のように、この分裂は主の計らいによると語る。それは、ソロモンが犯した罪に対する審きという意味で、やがて、北王国、南王国とも滅びることにつながる。けれども、そのことによって、主がダビデに約束されたことが反古になるわけではない。エレミヤが預言したように(エレミヤ331016)、捕囚後にエルサレムの復興が行われる。そして、やがてダビデの子孫にイエス・キリストが生まれ、全ての人の罪からの救いが実現することになる。
 「分裂」は、私たちの身の回りで、友人、仲間、親子、兄弟、同僚の間でも起こるし、教会でも起こる。その原因には人の罪がある。だが、主はそのまま放置されない。そこには、罪を憎み、罪の中から人を救い出そうとされる「主の計らい」が働くのである。

米子伝道所 主日礼拝説教<要 旨> 2012年9月2日  山本 清牧師 

 聖  書:列王記上12:1−24
 説教題:「
主の計らい」         説教リストに戻る