序.クリスマスの星

クリスマスおめでとうございます。
 
今日は、先ほど読んだ聖書の箇所を絵本にしたものがありますので、それを見ていただきながらお話しをいたしましょう。絵本の題は「くりすますのほし」となっています。東の国の学者たちが星に導かれて、馬小屋のイエスさまを訪れて礼拝したお話しです。

1.とくべつな星

イエスさまがお生まれになったとき、神さまは特別に大きな明るい星をお造りになりました。

2.新しい星の発見

イエスさまがお生まれになったところから東へ何百キロも離れた遠い国で、星のことを調べている賢い学者たちがいました。この人たちは神さまのことを信じていたわけではありません。ですから、苦しい時や困ったことがあった時に、神さまにお祈りすることを知りませんでした。それで、星を調べて、何か良い知らせのしるしがないか、探していました。そんなある晩、特別に大きな明るい星が現れたのを見つけました。調べてみると、ユダヤの国の王さまになる人が生まれた時には、大きな星が現れるということが分かりました。

3.旅に出かける

この学者たちは考えました。<今度生まれる王さまは、ユダヤの国の人だけを救う王さまでなくて、きっと世界中の人を救ってくださる王さまに違いない>。そう考えて、さっそく、その新しい王さまを拝みに行くことにしました。ユダヤの国まで行くのに、今のように、飛行機も電車も自動車もありません。ラクダに乗って、何日もかかって、砂漠を旅しなければなりません。でも、思い切って、旅の支度をして出かけることにしました。大きな星がユダヤの国の方に光っています。

4.エルサレムの町へ

学者たちは、<ユダヤの王さまになる人なら、きっと今のヘロデ王がいるエルサレムの町で生まれたのに違いない>と考えて、エルサレムに向かいました。何日もかかりましたが、やっとユダヤの国の都、エルサレムの町が見えるところまで、たどり着くことが出来ました。

5.ヘロデ王に会う

エルサレムに着くと、王さまの御殿に行ってヘロデ王に会いました。そして学者たちはヘロデ王に言いました。「ユダヤ人の王さまとしてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東の国で、王さまが生まれたしるしの星を見たので、拝みに来たのです。」でも、王さまの御殿には、赤ちゃんは生まれていませんでした。
これを聞いたヘロデ王はとてもびっくりしました。そして、不安になってきました。<自分の知らない新しい王さまが生まれたら、やがて、自分は王さまでいられなくなる。これは大変なことだ。今のうちに、その子を殺してしまわなくてはならない。> そう考えたヘロデ王はユダヤ中の学者を集めて、新しい王さまがどこに生まれたかを調べさせました。すると、ユダヤ人の学者たちは聖書を調べて、「救い主となる王さまは、ユダヤのベツレヘムという町で生まれると書いてある」と答えました。そこで、ヘロデ王は、東の国から来た星の学者たちを呼んで、言いました。「ベツレヘムに行って、その子のことをよく調べて、見つかったら知らせてくれ。私も行って拝もう」。――でも、これは、ウソですね。本当は新しい王さまになる人を見つけては殺してしまおうという、恐ろしいことを考えていたのです。

6.ベツレヘムに着く

星の学者たちは、聖書の言葉に従ってベツレヘムに向かうことにしました。すると、あの大きな明るい星がまた現れて、学者たちの先に進んで、ベツレヘムに行く道を案内してくれました。でも、星の学者たちがエルサレムに着くまでの旅と、エルサレムからベツレヘムに向かう旅とでは、大きく違うことがありました。エルサレムまでの旅では、学者たちは星のことをよく勉強していたので、新しい王さまが生まれたらしいということが分かって、ユダヤの王さまになる人ならエルサレムにいる筈だと考えたのですが、そこでは新しい王に会えませんでした。星の学者たちの知識だけでは、新しい王さまに会うことは出来なかったのです。ところが、ユダヤの学者たちが、聖書を調べると、新しい王さまはベツレヘムにお生まれになるということが分かったのです。聖書には、神さまのお考え、神さまの御計画のことが書いてあります。だから、聖書の言葉に従って行くと、救い主にもお会いできるのです。こうして、星の学者たちは、自分たちの知識には限界があることを知って、ここからは聖書の言葉に従って旅を進めました。
 
エルサレムからベツレヘムまでは8kmほどで、米子から境港へ行くよりも近いくらいの距離ですから、まもなくベツレヘムに到着することが出来ました。さあ、ベツレヘムの町のどこに、救い主が生まれておられるのでしょうか。

7.馬小屋に星がとまる

 
ベツレヘムの町に近づくと、またあの大きな明るい星が、学者たちの先に進みました。そして、ある所に来ると、ピタッと止まりました。そこは、立派なお家ではなくて、馬小屋のようです。<王さまが生まれる場所にしては、ちょっとおかしいぞ>と思いました。でも、あの星は、<ここに救い主がお生まれになりましたよ>と言いたそうに、みすぼらしい馬小屋の上で、ひときわ輝いています。
 
学者たちは、また自分たちの考えで、ちょっとおかしいぞと考えてしまいましたが、輝いている星を見ていると、学者たちの心の中にうれしい心が湧き上がって来ました。この絵には、最初に出て来た天使たちも描いてありますね。天使たちも、<ここが救い主のお生まれになった場所ですよ>と言っているようですね。きっと天使たちも学者たちの心に働きかけたのでしょうね。学者たちの心は喜びに溢れて、馬小屋に向かいました。(猫ちゃんと鶏さんもお迎えです。)

8.贈り物を献げる

 馬小屋に入ると、そこは家畜の糞の臭いがしたり、寒い風が入ってくるようなみすぼらしい場所でした。けれども、学者たちには、こういう所こそ救い主となられる新しい王さまの誕生にふさわしい場所に思えて来ました。馬小屋にはマリアさんとヨセフさんと、飼い葉桶に寝かされた幼子のイエスさまがいらっしゃいました。
 
学者たちは、飼い葉桶に寝かされたイエスさまを見て、救い主となる新しい王さまにお会いできたことをとても喜びました。この小さな赤ちゃんが、世界中の人々を救うお方になるのかどうか、見ただけでは分かりませんが、学者たちは、明るい星と聖書の言葉に導かれて、ここまで来ることが出来たので、<この幼子こそ、救い主になるお方だ>と信じることが出来ました。あのお星さんも、学者たちをイエスさまのところに案内出来て、とても満足そうです。
 
学者たちはひざまづいて、東の国から持って来た宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物としてイエスさまに献げました。これらの宝物は、学者たちがとても大切にしていたものに違いありませんが、イエスさまにお会い出来たので、もうちっとも惜しいとは思いませんでした。それより、少しでもイエスさまのお役に立てたらよいと思いました。

追.別の道を帰った

この絵本はここで終わっていますが、聖書には、この後のことが少し書かれています。
 
この後、学者たちに夢の中で神さまからのお告げがありました。それは、「ヘロデ王のところへ帰るな」というお告げでした。ヘロデ王は、「その子が見つかったら知らせてくれ」と言っておりましたが、学者たちはヘロデのところへは寄らずに、別の道を通って東の国へ帰って行きました。学者たちは、新しい救い主の王さまにお会いできたので、もうヘロデ王の言葉に従う必要はありません。神さまのお言葉に従って、別の道を通って帰ったのです。それで、幼子のイエスさまがヘロデ王に殺されることはありませんでした。

結.イエスさまの星に導かれて

 
さて、今聞いた物語で、私たちが忘れてならない大切なことは何かを、もう一度考えてみましょう。
 
星の学者たちは、大きな明るい星を見て、救い主となる新しい王さまが生まれることを知りましたね。そして、その新しい王さまに会うために、長い旅に出かけましたね。では、皆さんの心には、明るい大きな星が見えていますか。そして、お生まれになったイエスさまにお会いしたいという心を持っていますか。皆さんの心には、他の楽しいことや関心があることに心がいっぱいで、イエスさまのことを忘れていませんか。あの学者たちは明るい星を見るまでは神さまのことを知りませんでした。でも、星に導かれて、神さまが送って下さった救い主のイエスさまにお会いすることが出来ました。私たちも、星の学者たちのように、イエスさまにお会いする旅に出かけたいと思います。
 
その時に忘れてならない、大事なことを、今日の物語は教えてくれていました。最初、学者たちは、新しいユダヤの王さまは、エルサレムで生まれたに違いない、と勝手に考えてエルサレムに行きましたが、そこでは救い主は生まれていませんでした。聖書の学者が聖書を調べると、それはベツレヘムだということが分かりました。救い主のイエスさまにお会いするには、自分の考えではなくて、聖書に書かれている神さまのお言葉に耳を傾けなければならない、ということです。そうでないと、せっかくイエスさまにお会いしようと思っても、間違った所に行ってしまいます。
 
ですから、私たちは、心に救い主を求める星が見えていることと、教会に来て聖書の神さまの言葉を聴き続けることが大切です。そうすると、星の学者たちのように、イエスさまにお会い出来て、大喜びでイエスさまを礼拝することが出来るのです。
 
お祈りいたしましょう。

祈  り

私たちのためにイエスさまをお送り下さった父なる神様!
 
クリスマスに教会に来て、救い主がお生まれになったことを示す、大きな明るい星を、私たちも心で見ることが出来て、ありがとうございます。どうか、これからも聖書の言葉に導かれて、イエスさまといつもお会いすることが出来ますように、お導き下さい。
 
暗い夜にも大きな明るい星が輝いたように、大震災や困ったことがいっぱいあって暗い気持ちになりがちな世の中ですが、どうか、多くの人々が救い主イエスさまに出会って、希望で満たされ喜びに溢れることが出来るようにして下さい。
 
主イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

*絵本「くりすますのほし」は、文/スー・ボックス、絵/エステル・コーク、訳編/女子パウロ会、2011年女子パウロ会発行。


米子伝道所 クリスマス合同礼拝説教<全原稿(前)>   2011年12月25日  山本 清牧師 

 聖  書:マタイによる福音書2:1−12
 説教題:「星を見て喜ぶ」
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