『パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せてくださったのだ。』(使徒言行録2724 

 エルサレムでユダヤ人たちから訴えられたパウロは、ローマ皇帝に上訴したので、百人隊長らによってローマに護送されることになり、カイサリアから船出した。途中、季節風が吹く季節になり、激しい暴風に見舞われて、ついに助かる望みが消えうせそうになった。その中でパウロは、天使から告げられた標記の言葉を一同に伝えた。パウロのローマ行きは彼の以前からの願いであった(ローマ110、使徒1921)だけでなく、主が示されたことであり(使徒2311)、主の御計画であったから、必ず達成される。そればかりでなく、同船の者たちも助かることになるのだ。
 この出来事から聴き取るべき第一のことは、この世における教会は社会と運命共同体という側面があるが、御言葉を聴くことによって、社会全体を救うことになるということである。また、教会は船に譬えられるが、そこには主イエスがおられ、主の御言葉に聴き従っているなら、教会が難破することも自壊することもない。教会に問題が起こった時に、自分たちの問題点に気づいて悔い改め、赦し合うことが必要だが、それ以上に大切なことは、神の約束の御言葉を聴くことである。神は御計画に従って、教会を通して救いの御業を進めておられる。
 パウロが遭遇した出来事はまた、私たちが個人生活において出会う危機にどう対応したらよいかを教えてくれる。私たちの人生はいつも順風満帆とは限らず、暴風によって思わぬ方へ流されたり、自分の立ち位置が分からなくなったり、人生の落伍者になるのではないかと望みを失いかけることがある。しかし、神は私たちの人生が目指すところ、生きる目標に向けて、私たちを連れて行こうとしておられる。その目標は私たちが考えているものと異なるかもしれないが、最も相応しい所へ導いて下さる。そこで大切なことは、ここでも私たちが祈りつつ神の御言葉を聴くことである。私たちが神によって救われることは、私たちの周りの人たちも一緒に救われることになる。「元気を出しなさい」(25)。神の御言葉を聴いている者は、キリストを通して与えられる真の命を与えられる。この命がある限り、生きる希望がなくなることはない。

米子伝道所主日礼拝説教<要 旨> 2011年7月31日  山本 清牧師 

 聖  書:使徒言行録27:13−26
 説教題:「嵐の中でも」
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