“霊”がフィリポに、「追いかけて、あの馬車と一緒に行け」と言った。フィリポが走り寄ると、預言者イザヤの書を朗読しているのが聞こえたので、「読んでいることがお分かりになりますか」と言った。宦官は、「手引きをしてくれる人がなければ、どうして分かりましょう」と言い、馬車に乗ってそばに座るようにフィリポに頼んだ。
               (使徒言行録
82931
 先に「日々の分配」の奉仕のために選ばれた7人の一人であるフィリポは、エルサレムで教会に対して起こった迫害のために、北方のサマリア地方へ行って伝道し、一定の成果を上げていた。ところが、主の天使が「ここをたって南に向かい、エルサレムからガザへ下る道に行け」と命じた。そこは寂しい道であり、なぜそんな所に行かねばならないのかとの思いがあったかもしれないが、フィリポは天使の指示に従って、すぐに出かけて行った。そこには、聖霊が働いていたと言ってよい。
 
フィリポがその道を進むと、エチオピアの女王の宦官が馬車に乗って、エルサレムでの礼拝を終えて帰るところに出会った。ここでも聖霊の指示によって走り寄ると、標記のように、宦官はイザヤ書の手引きを求めて来た。宦官が読んでいたのは、「苦難の僕」について預言されている個所であったので、フィリポは、それが十字架の主イエスであるとの福音を告げ知らせた。主イエスが、「聖霊があなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる」と述べておられたように、ここでもフィリポは聖霊の導きによって、主イエスを証しすることが出来たのである。
 道を進むと、水のある所に来たので、宦官は、「洗礼を受けるのに、何か妨げがあるでしょうか」と言った。この異邦人である宦官にも聖霊が降って、洗礼へと導かれたのだ。洗礼が終わると、主の霊がフィリポを連れ去ったが、宦官は喜びにあふれて旅を続けた。そしておそらく、エチオピアに帰ってから、イエス・キリストのことを宣べ伝えたことであろう。
 このように、一人の異邦人が主イエスと出会って、洗礼に導かれ、異教の地にも福音が伝わるために、終始、聖霊の手引きがあったことを知るのである。山陰の地へ派遣された宣教師バクストンの任命書には、「貴殿の働きは、神の仕事であることを覚えてもらいたい。聖霊の力による以外は何事も成し得ない」と書かれていたと言う。私たち一人ひとりがキリストの福音に出会ったのも聖霊の手引きによるし、この伝道所の営みを通して、更に福音が宣べ伝えられ、救いの御業が拡げられるのも、聖霊の手引きによるのである。

米子伝道所主日礼拝説教<要 旨> 2011年7月10日  山本 清牧師 

 聖  書:使徒言行録8:26−40
 説教題:「聖霊の手引き」
         説教リストに戻る