「わたしはあなたたちがエジプトへ売った弟のヨセフです。しかし、今は、わたしをここへ売ったことを悔やんだり、責め合ったりする必要はありません。命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです。」          (創世記4545

 ヨセフがエジプト王の夢を解いたとおり、7年間の豊作の後、激しい飢饉が襲い、ヤコブ一家の住むカナン地方をも襲った。ヤコブは大事な末っ子のベニヤミンだけを残して兄たちをエジプトに買出しに行かせた。彼らがエジプトの高官になっているヨセフの前で地面にひれ伏したとき、ヨセフは一目で兄たちだと気づき、20年前に見た夢が成就したことを知った。だが、ヨセフはそ知らぬ振りをして、スパイの疑いをかけたり、彼らが買って帰った穀物の袋に代金の銀を入れておくなど、困らせるようなことをする。挙句には、シメオンを人質にして、ベニヤミンを連れて来いと迫る。報告を聞いて心配する父に、ルベンもユダも、かつての自分たちの罪を覚えさせられると同時に、責任を感じ、ユダは自分がベニヤミンの身代わりとして奴隷になることさえ申し出て、ベニヤミンを返すこと嘆願する。
 このような兄たちの姿を見て、ヨセフは今の兄たちが、昔、自分を売り飛ばした兄たちとは違うことを知り始め、その背後に神の導きがあることに気づくのである。そして、ついにヨセフはこみ上げるものをこらえきれなくなり、「わたしはヨセフです」と名乗る。驚いて恐れる兄たちに向かって、ヨセフは標記のように語った。ヨセフは人間の罪から来る憎しみを越えて、救いに至らしめられる神の御業を見せられているのである。
 私たちは、自分が受けた仕打ちを赦せない思いに囚われることがある。しかし、自分の憎しみや不幸の小さな物語を越えた神の大きな救いの物語に目を開かれ、自分もその物語の中に置かれていることに気づくとき、私たちは「悔やんだり、責め合ったりする」ことから解放される。私たちはヨセフも知らなかった、イエス・キリストの大きな救いの物語の中に置かれている。そのことを知るとき、私たちの生き方も、周囲の人たちとの接し方も、変えられるに違いない。

 米子伝道所主日礼拝説教<要 旨>     2010年10月31日  山本 清牧師 

 聖  書:創世記45:1−15
 説教題:「神の計画は大きい」
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