こう言われているからです。「人は皆、草のようで、その華やかさはすべて、草の花のようだ。草は枯れ、花は散る。しかし、主の言葉は永遠に変わることがない。」これこそ、あなたがたに福音として告げ知らされた言葉なのです。        (ペトロの手紙一1:24,25

 この手紙は使徒ペトロから、小アジア地方の各地に離散して仮住まいをしているキリスト者たちに宛てたもので、当時、彼らはユダヤ教とローマ帝国から迫害を受けていた。「こう言われているからです」とは、イスラエル民族がバビロニア帝国によって滅ぼされ、捕囚の辱めを受けていた時に、イザヤが語った言葉を引用したことを示しており、その忘れることの出来ない経験を通して、迫害の中にある人たちを励まそうとしている。
 「草は枯れ・・・」の言葉は、日本人の私たちにも共感できるが、聖書は「しかし」と言って、永遠に変わることのない神の言葉による命の約束を告げている。栄華を極めたバビロンも、やがて栄華の時が過ぎ去ったことを歴史的教訓として、ローマによって痛めつけられているキリスト者に教えているのであるが、これは現代の私たちにも当てはまる。
 「これこそ」と強調されている。「福音」という言葉は、戦争の前線での勝利の知らせを意味すると言われる。キリストが罪と悪とに戦って、救いを達成された。それがキリストによってもたらされた福音であり、教会はその福音を宣べ伝えている。
 私(田中先生)にとって、この聖句は80年の生涯の原点になっている。私は海軍航空隊にいて、戦友たちが桜の花のように散って行った経験を持つ。終戦を迎えて、それまでの価値観が崩れ、挫折を経験する中で、南原繁夫(東大総長)の「帰還学生歓迎の辞」を聞き、「聞けわだつみの声」の映画の中で出て来たパスカルの言葉「青年が真の目標を持たないとき、どんなに偽りの目標に情熱を注ぐことであるか」に出会って、福音こそ人生の変わることのない目標だということに気づかされ、立ち直ることが出来た。そうして間違いのない目標に向かって、牧師の道に立った。
1017日 田中豁先生による伝道礼拝説教より。要約文責:山本)

 米子伝道所特別伝道礼拝説教<要 旨>   2010年10月17日  田中 豁教師 

 聖  書:ペトロの手紙一 1:22−25
 説教題:「草は枯れ、花は散るが、主の言葉は永遠に変わりなし」
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