「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。               (コリントの信徒への手紙二129

  パウロは自分が経験した神秘体験(24節)については「過大評価」を恐れて(67節)控えめに語る。むしろ、自分の身に「一つのとげ」が与えられていることを述べ、それを離れさせてくださるように、神に何度も祈ったが、神の答は「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」であったことを語り、「大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう」と勧める。最近、<プラス思考>ということが言われる。それは、自分の弱さや欠点をダメなものとして否定し、何とかプラスに考えることだが、ここでは、自分の弱さをありのままに見つめ、その中に溢れ出て来る神の恵みと力を、感謝をもって受け取るという新しい生き方が述べられている。
 更に、「わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています」(10節)と語る。パウロは肉体のとげという自分の内に与えられた弱さを喜んでいるのではなく、また、「侮辱、窮乏、迫害・・・」といった外から与えられる弱さを喜んでいるのでもなく、生ける主イエス・キリストと結ばれて、そのキリストを宣べ伝えるために、労苦していることに満足しているのである。パウロはローマ書7章で、「わたしの肉には、善が住んでいないことを知っています・・・」(1820節)と、自分の中に住んでいる罪について語り、それをキリストが引き受けて、十字架に架かって死んで下さったのだが、そのキリストを父なる神が復活させられたという、〈大いなる逆転〉が起こったことを述べている。十字架という究極の〈弱さ〉が、〈復活の命〉〈永遠の命〉という究極の〈恵み〉の始まりとされたのである。ここにパウロの喜びの源がある。私たちも、この〈大いなる逆転〉に与るのだ。だから自分の弱さを誇ろう。

 米子伝道所特別伝道礼拝説教<要 旨> 2009年5月17日  中家契介牧師 

 聖  書:コリントの信徒への手紙二 12:1−10
 説教題:「自分の弱さを誇ろう」
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