「御言葉はあなたの近くにあり、あなたの口、あなたの心にある。」        (申命記3014→ローマの信徒への手紙108

 2009年の年間目標を『御言葉に親しみ、伝える』とした。これは、一人一人が日常生活の中で、聖書に親しむことによって、伝道の使命を果たす力を得ることが出来ると考えたからで、主題聖句の一つとして標記を与えられた。
 この言葉は、パウロが申命記から引用したもので、モーセが、神の言葉である律法が決して難しすぎるものではなく、遠く及ばぬものでもなくて、身近にあることを述べたものである。ユダヤ人は律法をいつも口ずさみ、日常生活において実行することに努めていたのであるが、形式化に陥って、自分たちの義を誇る材料にしてしまって、律法が本来求めていることから遠く離れてしまっていた。そのことに心を痛めていたパウロは、キリストが律法の目標(完成、終り)になられたことを述べた(104)上で、モーセが語っていた「律法による義」はキリストによって「信仰による義」とされたと解釈して(1057)、標記の言葉はキリストによって実現したと理解しているのである。つまり、「御言葉はあなたの近くにある」ということは、これから私たちが励まなくてはならない目標なのではなくて、実は、既にクリスマスに、神の言葉であるキリストが来られたことによって現実となっているのである。
 「御言葉に親しむ」という私たちの課題も、一つの律法になってしまっては、反って御言葉が遠のいてしまう。私たちが御言葉にいかに近づくか、ではなくて、既に私たちに近づいて下さったキリストを見ること(聴くこと)が、「御言葉に親しむ」ことなのである。そして、そこから、「口でイエスは主であると公に言い表し(告白し)、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じる(109,10)ことが自然に起こり、様々な困難の中にあっても、「主を信じる者は、だれも失望することがない」(1010)との御言葉が、私たちの上に実現するのである。

 米子伝道所新年礼拝説教<要旨>        2009年1月4日  山本 清牧師 

 聖  書:ローマの信徒への手紙10:5−21
 説教題:「御言葉はあなたの近くに」
         説教リストに戻る