このために、弟子たちの多くが離れ去り、もはやイエスと共に歩まなくなった。そこで、イエスは十二人に、「あなたがたも離れて行きたいか」と言われた。         (ヨハネによる福音書6:66,67

 主イエスには十二弟子のほかに多くの弟子たちがついて来ていた。しかし、主イエスが群衆やユダヤ人に、「わたしは天から降って来たパンである」とか「わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は永遠の命を得る」と言われるのを聞いて、弟子たちの多くが躓いた。イエスは弟子たちのつぶやきを聞いて、「命を与えるのは霊(聖霊)である。肉は何の役にも立たない」と、物質的なパンでは本当の命が得られないことを述べられ、「あなたがたのうちには信じない者たちもいる」と指摘された。事実、ここまで主イエスについて来た弟子たちの多くが離れ去ることになった。
 そこで主イエスは、中核となる十二人に標記のように言われた。これは、主が不安になって尋ねられたというより、十二人に自分自身のことを考えさせるためであった。これに対してペトロは、「主よ、わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。…」(68,69)と答える。これこそ霊に導かれた告白である。すると主イエスは、「あなたがた十二人はわたしが選んだのではないか。ところが、その中の一人は悪魔だ」と言われ、選ばれた者たちの中にイエスを裏切る者がいることを明言されたのだ。
 ところで、福音書の記者は、なぜこのような最悪の状況を書き連ねているのか。実は、福音書が書かれた時代も、迫害によって脱落するキリスト者が続出していたのだが、その中で筆者は、かつて主イエスが弟子たちの無理解と裏切りのうちに、十字架に向かわれたことを重ね合わせつつ、キリスト者たちに向かって、福音の真実を描き出しているのである。主は私たちを選んで下さった。しかし、私たちは、その恵みを裏切ってしまう。そのような私たちのためにこそ、主は肉を裂き、血を流して、朽ちないパンを差し出して下さっているのである。私たちはこの人以外のだれのところへ行くことができるのでしょう。

 米子伝道所主日礼拝説教<要旨>       2008年9月21日  山本 清牧師 

 聖  書:ヨハネによる福音書6:60−71
 説教題:「わたしが選んだ」
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