あなたがたは、父である神があらかじめ立てられた御計画に基づいて、“霊”によって聖なる者とされ、イエス・キリストに従い、また、その血を注ぎかけていただくために選ばれたのです。                        (ペトロの手紙一 1:2より)

 ペトロの手紙一は、小アジアの諸教会に宛てたものだが、キリスト者のことを「各地に離散して仮住まいをしている選ばれた人たち」と呼んでいる。「離散する」という言葉は、普通は祖国を離れたユダヤ人について用いられるが、ここでは、祖国が天にあるキリスト者は地上では仮住まいだという意味で用いられている。「選ばれた人」の原語は、「引き抜く」という言葉から来ている。キリスト者になることは、金・能力・地位・名誉・健康といったものを拠り所として生きる地上から、神によって引き抜かれて、天に根拠を持つ者とされることである。
 なぜ、キリスト者が選ばれた(引き抜かれた)のか。その理由が標記に三点挙げられている。第一は、父なる神の権威に基づいて決められた御計画によることであって、人間の側に優れた点があるからではない。ユダヤ人が「神の宝の民」として選ばれた理由は、その大きさによるのではなく、その貧弱さにあり、神の愛の対象として選ばれたと申命記(7:68)に記されているのと同様である。選ばれたキリスト者は弱く、過ちや不信仰に陥る。どのようにして神は当初の御計画を貫かれるのか。それは、第二に記されている“霊”(聖霊)の働きによって「聖なる者」(神によって取り分けられた者)とされること、及び、第三に書かれているように、イエス・キリストの十字架の血を注がれることによって、罪が贖われ、キリストに従う者とされるからである。こうして、父なる神と、子なるイエス・キリストと聖霊なる神の三位一体の働きによって、選ばれた者であり続けることが許されるのである。
 最後に「恵みと平和がますます豊かに与えられるように」祈られている。それは、キリスト者が「恵みと平和」を乏しくしてしまっているからである。自らの罪深さを思いたい。

米子伝道所主日礼拝説教 要 旨           2008年6月29日 山本 清牧師 

 聖  書:ペトロの手紙一 1:1−2
 説教題:「選ばれた人」                
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