「今日で十四日もの間、皆さんは不安のうちに全く何も食べずに、過ごしてきました。だから、どうぞ何か食べてください。生き延びるために必要だからです。・・・」       (使徒言行録273334

 パウロの乗った船が暴風に襲われて、望みが消えうせようとしていたときに、神からの天使が「パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せてくださったのだ」(24)と言った。それから更に十日余りアドリア海を漂流して、ようやく陸地に近づいた。そのとき、船員たちが小舟を降ろして自分たちだけ助かろうとしているのをパウロが気付いて、兵士たちが綱を断ち切って船員を逃がさなかった。それは、船員を確保しておかないと操船できなくなるという判断もあるが、先の天使の言葉を信じたからである。神を信じない者は、手近にある救いの手段を用いようとするが、キリスト者は神が用意されている救いの約束を信じるのである。
 次にパウロは、標記のように言って、一同に食事をとらせた。神の救いを信じているといっても、何もしないのではなく、食事をとって体力をつけさせた。キリスト者の本当の救いである天国行きについても同様で、救いは約束されていても、終わりの時まで信仰を持続できるように信仰の体力をつけなければならない。御言葉の糧を得ることと聖餐に与ることが信仰の体力維持には欠かせない。
 入江の砂浜に座礁したとき、兵士たちは囚人が泳いで逃げないように殺そうと計ったが、百人隊長はパウロを助けたいと思って、その計画を思い止まらせ、全員が泳いで無事上陸した。こうして、パウロがいたことで、自分のことしか考えなかった船員や兵士や、罪人である囚人までも、すべての者が救われたのである。ここに、この世におけるキリスト者の働きと存在意義が象徴的に表わされている。
 この世の嵐が吹き荒ぶ中で、教会も行き悩む困難な現実があるが、その中で教会は、御言葉に聴き、聖餐を行ないつつ、世界の救いへの望みを抱き続けるのである。

米子伝道所主日礼拝説教 要 旨            2008年2月3日 山本 清牧師 

 聖  書:使徒言行録27:27−44
 説教題:「嵐の中の食事」                
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