「王よ、私は天からの光を見たのです。それは太陽より明るく輝いて、私とまた同行していた者との周りを照らしました。」                        (使徒言行録2613より)

 使徒言行録でパウロの回心のことが記されるのは、これで三度目である。今回は、ユダヤのアグリッパ王の前で弁明した時に語られたものであるが、その特徴は、ユダヤ人に与えられた約束の実現という観点から、「光」として来られたイエス・キリストを証ししようとの意図が色濃く出ていることである。
 まず、ユダヤ人の誰もが希望を抱いていた神の約束が、主イエスの復活によって実現したことを語る(69節)。しかし、そのことはパウロ自身も、初めは信じられないことであった。そのようなパウロを回心に導いたのは、上からの働きかけとしての「天からの光」であった。
 これまでの回心物語では「天から強い光が周りを照らした」と述べられ、目が見えなくなったことが書かれていたが、ここでは「光を見た」と語る。それは光線としての光を見たということだけではなく、「世の光」として来られた救い主なるキリストを見たということを、パウロは言いたかったのであろう。更にパウロは、「民にも異邦人にも光を語り告げ」(23節)、「彼らの目を開いて、闇から光に、サタンの支配から神に立ち帰らせる」(18節)との使命を与えられた、と語る。この使命は私たちキリスト者のものでもある。
 伝道とは、自分の主張を述べることではなく、「天から示されたことに背かず」(19節)、神の指示に従って行なうことであり、それは生き方そのものを自分で選び取らず、神の指示に委ねることであり、そのような生き方を人にも勧めることである。そして、宣べ伝える内容は、「預言者たちやモーセが必ず起こると語ったこと」(22節)、すなわち「メシアが苦しみを受け、また、死者の中から最初に復活した」(23節)との「光」を語り告げることなのである。

米子伝道所主日礼拝(新年礼拝)説教 要 旨       2008年1月6日 山本 清牧師 

 聖  書:使徒言行録26:1−23
 説教題:「光を見た」                
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