パウロはたまりかねて振り向き、その霊に言った。「イエス・キリストの名によって命じる。この女から出て行け。」すると即座に、霊が彼女から出て行った。ところが、この女の主人たちは、金もうけの望みがなくなってしまったことを知り、パウロとシラスを捕らえ、役人に引き渡すために広場へ引き立てて行った。  (使徒言行録161819 

 霊に取りつかれている女奴隷が、パウロたちにつきまとって、「この人たちは、いと高き神の僕で、皆さんに救いの道を宣べ伝えているのです」と繰り返し叫ぶので、標記のように、イエス・キリストの名によって霊を追い出した。すると、この女の雇い主たちは占いの商売が出来なくなったことを恨んで、役人に訴えたので、二人は鞭で打たれた上、牢に入れられ、足枷をはめられることになった。
 イエス・キリストによる救いは、人間を虜にしている悪や罪から解放するが、この世の利益構造を破壊することがある。そのため、利益を享受していた人たちの反発を受けて、教会が迫害を受けたり、自由を束縛されることがある。そこに人間の醜い罪の姿を見る。
 だが、パウロたちが遭遇した不条理な出来事は、人間の罪の大きさを示すだけではない。パウロたちは牢に閉じ込められて、自由を奪われたが、福音までも自由を奪われて身動きがとれなくなったのではない。パウロたちが鞭打たれ、足枷をはめられたこと自体が、イエス・キリストの十字架を指し示す事柄であり、罪からの解放の福音を告げている。「この福音のためにわたしは苦しみを受け、ついに犯罪人のように鎖につながれています。しかし、神の言葉はつながれていません」(Uテモテ2:4)。パウロたちは、牢につながれ、自由を奪われるという苦難の道を通して、真の救いの道を宣べ伝えているのである。

米子伝道所主日礼拝説教 要 旨              2007年5月13日 山本 清牧師 

 聖  書:使徒言行録16:16−24
 説教題:「真の救いの道」              
説教リストに戻る