その夜、パウロは幻を見た。その中で一人のマケドニア人が立って、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」と言ってパウロに願った。 (使徒言行録16:9)

 パウロたちの一行は、先の旅行で伝道した町々を訪れた後、更に西へ進んでアジア州の町々へ行こうとしたが、「アジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられた」。そこで、進路を北にとってビティニア州に入ろうとしたが、またしても「イエスの霊がそれを許さなかった」。「聖霊から禁じられる」とか「イエスの霊が許さなかった」ということが、具体的に何を意味するのか明らかではないが、ともかく彼らの計画を二度にわたって修正せざるを得なかったのである。それでやむなく港町トロアスまで来たとき、パウロが標記のような幻を見たので、マケドニア州へ向けて出発することにした。こうして、パウロたちの思いを越えて、ヨーロッパへの伝道が実現することになったのである。
 伝道とは、そもそも神の計画によって行われるものである。私たちが自分たちなりの知恵をしぼり、努力を傾けて伝道活動を行っても、それが思うように進まなかったり、暗礁に乗り上げてしまうことがある。それは伝道の失敗というより、神の計画とずれて来たことによる軌道の修正なのである。
 米子伝道所の開設15年・集会開始30年の歩みの中にも、多くの方々の思いや熱意や献身が込められているが、それらがストレートに生かされて今に至ったのではなく、色々な苦い経験を通して、神に修正されながら、ここまで来た。この伝道所を開設し、その歩みを導き、支えたのは、あくまでも神である。一人一人は、神の豊かな恵みを受けつつ、御心に従って用いられたのにすぎない。しかし、そのことが私たちにとってのこの上ない幸いではなかろうか。

米子伝道所主日礼拝説教 要 旨              2007年4月22日 山本 清牧師 
(伝道所開設15周年記念礼拝)

 聖  書:使徒言行録16:6−15
 説教題:「幻を見て」                   
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