「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民族のあらゆるもくろみから、わたしを救い出してくださったのだ。」            (使徒言行録1211

 ユダヤ人の歓心を買いたかったヘロデ王(アグリッパT世)は、主イエスの弟子ヤコブを殺したことがユダヤ人に喜ばれたのを見て、今度はペトロを捕らえて牢に入れた。そして除酵祭(過越祭)が明けると、民衆の前に引き出して、殺すつもりでいた。
 ところが、その前夜、厳重な監視下で牢につながれていたペトロのところに主の天使が現れ、鎖をはずし、二重の衛兵所を通り抜けて、門の外へ連れ出した。はじめはペトロ自身も現実のこととは思われず、幻を見ているのだと思ったが、外に出て天使が離れ去ったところで我に返って、標記のように言った。
 教会では、ペトロのために熱心な祈りがささげられていたが、ヤコブの例もあったので、ペトロの生還を殆ど諦めていたようである。解放されたペトロが、一同の集まっている家の門前に立ったとき、取次ぎに出た女中が、ペトロが帰ったと告げても、「あなたは気が変になっているのだ」とまで言った。牢獄の門は既に主が遣わした天使によって開かれているのに、彼らの心の門はまだ閉じられたままであった。
 ペトロがたたき続ける戸を開けてみると、そこにペトロがいた。主は天使を遣わして、牢の門を開いただけでなく、ペトロ自身や教会の人々の不信仰の門を開いて下さったのである。主の御言葉が鎖につながれたままである筈はなかったのだ。

米子伝道所待降節第三主日礼拝説教 要 旨      2006年12月17日 山本 清牧師 

 聖  書:使徒言行録12:1−19/マタイによる福音書1:18−25
 説教題:「天使を遣わして」                   
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