「わたしたちが、神の言葉をないがしろにして、食事の世話をするのは好ましくない。それで、兄弟たち、あなたがたの中から、霊と知恵に満ちた評判の良い人を七人選びなさい。彼らにその仕事を任せよう。」                 (使徒言行録6:2−3より)

 初代教会の信者の数が増えて、色々な背景を持った人たちが加わるようになると、新たな問題が発生した。外地へ離散していたユダヤ人(ディアスポラ)でエルサレムに引き揚げて来た人たちはギリシャ語を用いていて、コミュニケーションに欠けるところがあったためか、日々の分配のことで、やもめが軽んじられているとの苦情が出た。そのため、使徒たちはさっそく、標記のような提案を行なった。
 ここには、教会における最重要使命は神の言葉の宣教であることが示されている。しかし、牧会的課題は付加的であるから、多少疎かになってもやむを得ない、という考えは見られない。役割を分担し合いながら、「御言葉の奉仕」と「日々の分配(奉仕)」の両方の使命を果たさなければならない。
 七人を選出する条件として、@霊に満ち、A知恵に満ち、B評判の良いことが挙げられている。日々の奉仕に当る人だから、実務的能力があればよい、ということにはならない。「霊に満ちた人」とは、現実の生活を神の御心に従って営んでいる人という意味である。「知恵に満ちた人」とは世間的な知恵や知識が豊富であるというよりも、神の知恵を尋ねる人のことである。「評判の良い人」というのも、単に社会的評価が高いというより、その人の生き様なり生活態度が福音の良い証しになっているという意味である。これらの条件は、とてもハードルが高いようにも思われるが、大切なことは、謙遜に神の知恵と力に委ねる信仰を持った人であるかどうかということだけである。神は、教会が新たな段階へと前進する時になれば、そのために必要な人を必ず備えて下さるであろう。

米子伝道所主日礼拝説教 要 旨                2006年6月4日 山本 清牧師 

 聖  書:使徒言行録6:1−7
 説教題:「奉仕の分担」                   
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