「お灸」について

「お灸」は古くから医療法として確立され、また民間療法としても親しまれてきました。
現代では「煙の出ないお灸」や「火を使わないお灸」など自分で手軽にできるものも多く、セルフメンテナンスに「お灸」を取り入れている方も増えてきています。
肩こり腰痛などはもちろん婦人科疾患や冷え性、さまざまな症状に「お灸」は効果があります。
「お灸」は女性の身体にとても相性がよく、当院でも治療に使用しています。
女性には月経がある関係で血液の流れに関するトラブルが多いため、瘀血(おけつ)と言われる古い血が起こす病や血行不良による冷えに伴う病症が多くあります。
ご自宅で「お灸」を据えていただけるのももちろん、ご自分で手の届かない肩や背中にも重要なツボがたくさんありますし、どこに据えていいのかわからない、などの悩みも多いのでぜひ、治療として「お灸」を受けていただきたいと思っております。

ツボの反応とお灸の種類

実(固い、盛り上がっている、慢性のもの)の所見

少し熱を感じる「お灸」をします。胃の痛みや慢性のコリ、頭部などへの遠隔の「お灸」などがこれにあたります。

虚(力がない、へこんでいる、冷え)の所見

ほんのり温かみを感じる「お灸」をします。広い範囲にふんわりと温かくなりお風呂上りのような気分になります。温かさは長く持続します。

その他 痛みや炎症には「点灸」という半米粒大の「お灸」や、気の滞りには「知熱灸」など、さまざまな種類の「お灸」で状態や症状にあった施術をしていきます。

「お灸」が効くのはなぜ?

「お灸」は「もぐさ」を皮膚表面のツボに付着させ燃焼することにより気・血の乱れ、経絡の変動(身体全体のバランス)を調整し病を治癒へと導く東洋医学における物理療法です。
「お灸」をすると血液中の白血球・赤血球・リンパ球などが増加しその結果、自然治癒力が向上します。これは科学的に証明されています。
これは「もぐさ」の材料であるよもぎの精油成分「チネオール」が熱を加えると皮下に浸透し血液中の白血球が増加して免疫機能が上がるためです。また身体に感じないような小さなやけどをおこさせることで赤血球も増え血流がよくなります。
ぽかぽか温かくていい気持ちよいだけでなく、自己免疫力の向上プラス血流改善が期待できるのです。

「お灸」の歴史

海外の歴史

  • 「お灸」の原料の「よもぎ」は古くからインド医学やチベット医学などで生薬として使われていました。お灸治療は中国北方地方(内蒙古方面)において約3000年前に発明され、その後中国全土で東洋医学の治療法として広まります。

日本への伝来

  • 仏教の伝来とともに西暦411年に漢方医学(鍼灸漢方薬)が入ってきたと言われています。
  • 562年には医書である「鍼灸典籍」が百済より伝えられ、体系づけられています。
  • 701年制定「大宝律令」の中の医療制度には鍼灸が組み込まれていました。
  • 平安時代までは鍼灸治療は一部の高貴な者にのみ行われていたが、鎌倉時代に入ると灸治療・湯治が流行りだし庶民の医療として浸透していきました。
  • 安土桃山時代には鍼も一般庶民に普及していきました。
  • 江戸時代には古今東西秘伝・家伝の言われる灸法を臨床で検討し体系的に医療に組み込まれるようになります。

お灸の原材料

よもぎ・・・キク科の野草でハーブの女王と呼ばれるほどの万能薬。漢方薬にも使われる生薬です。
日本ではよもぎ餅でおなじみですが、よもぎには豊富な食物繊維が含まれ体内の有害物質を取り除いたりコレステロールを低下させる働きがあります。また血液をサラサラにする成分や免疫力を上げる作用もあります。その他止血、胃の調子を整える、下痢や貧血の改善にも役立ちます。
昔から肌に塗り込むことで切り傷やアトピーの改善などにも使用されています。
香りもリラックス効果が期待でき、まさに万能薬。
このよもぎを原料にしたものが「お灸(もぐさ)」です。
よもぎの葉の裏にある毛茸と腺毛(産毛)を乾燥させたものがもぐさとなります。毛茸にはビタミンA、B1、B2、Cが大量に含まれ鉄分やカルシウム・ナトリウムなどの有効成分も含んでいます。精油成分のチネオールが皮下に浸透することでたくさんの効能が得られます。

逆子の「お灸」、安産の「お灸」もおこなっております。
妊婦さんの「はり灸」のページをご覧ください。