遍路奇行 (1999年 初春)    今回のマップ   全体マップ

 今回も前回同様、夢中で歩いた。 まだ、旅を記録する心構えもなく、ただ「歩けばいいや!」という感じで・・・。 以下に、友人達に送ったメールを貼り付けます。

ただいま〜! 19番てん末記です。
3月27日から30日まで、徳島市の東にある15番から、日和佐町の23番を越えて牟岐町まで歩いてきました。 春が近いというのに、毎日、霙(みぞれ)まじりの冷たい雨と風でした。 桜は2分咲きで止まったままでしたが、町々では花見の準備が進められていました。 19番は関門札所の一つです。 ここまで来て、まだ悔い改めないやつには天罰が下るというやっかいな寺です。 19番を前にして、足が鈍ってしまいました。

煩悩と 燃やせぬゴミは 溜まるだけ

19番の手前に「お京塚」があります。 碑に曰く「夫の暴力に耐えかねたお京が、情夫とともに夫を殺害した。 追手は、お京の髪の毛を寺の鉦(かね)の緒に巻きつけ処刑しようとした。 19番の住職がそれを見かねて、お京を救った」。  しかし、ぼくが持参した遍路の案内書には、「お京の髪の毛がひとりでに19番の鉦の緒に巻き付き、住職がこれを解こうとしたら、頭皮までむけてしまった。 今もその鉦の緒が19番に保存されている」という恐ろしい話が書いてあります。 その夜、阿南市で宿泊し、近くの飲み屋のオバチャンから聞いた話。 「お客さん、立江寺(19番のこと)の住職って知ってはるのん?  夜になるとなー、 腕にローレックスの時計、あっちゃこっちゃ金(Gold)巻き付けて、そんで外車乗り回してんやで」。 う〜ん、さすが19番!

土もぬれ 桜もぬれて お京塚

帰りの飛行機で聞いた牧伸二の漫談(都都逸)を付け足します。

あざがでるほど
つねっておくれ
これをのろけの
たねにする

あざがでるほど
つねってみたが
いろがくろくて
わからねー