難読漢字


鑁阿寺(ばんなじ)
栃木県足利市にある寺院の名前。足利氏の館が鎌倉時代初期に寺院となった。
閖上(ゆりあげ)
宮城県吊取市付近の地名。「閖」(ゆり)と言う字については、昔、伊達綱村(仙台藩四代藩主)が寺の山門内から「ゆりあげ浜」と呼ばれる遠くの浜を見た際に、門の内に水(海面)が見えたことから「閖」と言う字をつくった、と言う説がある。
(がけ)
埼玉県八潮市にある地名。崖(がけ)に近い意味をもつ「圻(音:キ、訓:きし、さかい)」と言う漢字が変化して「垳(訓:がけ)」になった、などの説がある。
犍陀多(かんだた)
小説「蜘蛛の糸」の主人公の名前。なお、犍の本来の読みは「ケン」である。
矗立千尺(ちくりゅうせんせき)
極めて高く真っ直ぐに立っていること、を表す四字熟語。また、「矗矗(ちくちく)」と言う熟語は、「高く聳えるさま」や「垂直に伸びるさま」などを表す。なお、「矗」と言う漢字は、意味が「そばだつ」・「高く真っ直ぐ聳え立つ」など、音が「チク」、訓が「なお(い)」であるが、人名で用いる場合の読みには「しげる」・「ただし」・「なお」・「のぶ」などがある。ちなみに、南極観測で有吊な白瀬中尉の姓名は「白瀬 矗(しらせ のぶ)」である。
羿(げい)
古代中国の伝説上の人物。帝尭の代に、十個の太陽が空に上って地上が猛烈な暑さとなった。そこで、弓の吊手の羿は、九個の太陽を次々と射落とし、一つの太陽だけの世界に戻した。さらに、多くの悪獣の退治も行った。ちなみに、羿の妻の嫦娥(姮娥)は、上老上死の薬を独り占めして月へ逃げたため、その報いで蟾蜊(ひきがえる)になってしまう。一方、夏王朝の代に、后羿と言う者が相(夏の5代目の王)を追放して夏王朝の領土を一時的に支配した、と言う伝説もある。
蘞味(えぐみ)
蘞(えぐ)い味のこと。醶味とも書く。ちなみに、「蘞辛っぽい」と書いて、「えがらっぽい」または「いがらっぽい」と読む。
醲肥辛甘(じょうひしんかん)
濃い味の(コクのある)お酒、肥えた肉、辛い味の料理、甘い味の料理を表す文字を並べた四字熟語。出典は「菜根譚」。
生酛(きもと)
日本酒の製法の一つで、「生酛造り」とも言う。伝統的な酒造りの方法で、さまざまな菌や酵母の生存競争を巧みに利用して、最適な酵母だけを増殖させてゆく、と言う特徴がある。
粔籹(おこし)
和菓子の一種。加熱加工した穀物(米・粟等)や落花生・胡麻などを混ぜ水飴などを絡めて造る。東京浅草の「雷粔籹(かみなりおこし)」が有名であるが、日本各地でさまざまな種類の粔籹がある。ちなみに、「興(おこし)」とも書く。
餺飥(ほうとう)
山梨県の郷土料理。饂飩(うどん)と似ている。
楤木(たらのき)
ウコギ科の落葉低木であり、楤(たら)とも呼ばれる。その新芽は楤芽(たらのめ)と呼ばれ、天麩羅などの食材となる。
蕺草(どくだみ)
コショウ目ドクダミ科の多年草。蕺菜や蕺とも書かれる(「蕺」は音が「シュウ」で訓が「どくだみ・しぶき」)。熟字訓には「毒溜」、「十薬」、「羊麻草」などがある。
(ゆずりは)
ユキノシタ目ユズリハ科の常緑高木。雌雄異株である。「交譲木」、「譲葉」とも書く。
(はまち)
鰤(ぶり)は、体の大きさによって名前の変わる出世魚である。ふつう、体長が80cm以上のものを鰤と呼び、体長がおよそ40~60cmのものは、関西では魬(はまち)、関東では鰊(いなだ)と呼んでいる。
魴鮄(ほうぼう)
カサゴ目ホウボウ科の魚類。熟字訓は「竹麦魚」。体長およそ40cmの食用魚である。
(むつ)
スズキ目ムツ科の魚類。体長およそ50cmの食用魚である。「鱁」、「花鯡」とも書く。
(セン)
「魚類」、「少ない」、「新しい」、「活魚」などの意味をもつ漢字で、中国語では「鮮」の繁体字に相当する。
獬廌(カイチ)
古代中国における想像上の動物いわゆる神獣である。天の意思によって地上に出現する獬廌は、人間界における物事の正否などを判断できる神獣である。
(キ)
古代中国における龍神・神獣あるいは伝説上の人間である。まず、殷代において、夔は夔龍(キリュー)とも呼ばれ、降雨に関わる一本足の龍神として 銅鏡に描かれている。その後、夔は夔牛(キギュー)とも呼ばれる一本足の牛の形をした神獣に変化し、その姿は山海経の中に描かれている。また、書経によれば、 舜帝の配下に、夔(キ)と呼ばれる音楽を司る人間が登場する。なお、日本の山梨岡神社には、夔神(きのかみ)の像(絵)が収蔵されている。

(意味:マグネシウム)
中国や台湾では、1つの元素は1文字の漢字で表される。まず、金属元素の場合、かねへん(釒)の漢字で表され、例えば、鎂はマグネシウム(Mg)を表す。同様に、鋰はリチウム(Li)、鈉はナトリウム(Na)、鉀はカリウム(K)、鉭はタンタル(Ta)、鈾はウラン(U)をそれぞれ表す。
(意味:沃素)
上記と同様、中国や台湾で使用されている漢字。常温で固体の非金属元素の場合、いしへん(石)の漢字で表され、例えば、碘は沃素(I)を表す。同様に、砷は砒素(As)、硒はセレン(Se)をそれぞれ表す。
(意味:臭素)
上記と同様、中国や台湾で使用されている漢字。常温で液体の元素の場合、さんずい(氵)の付く溴は臭素(Br)を表し、したみず(水)の付く汞は水銀(Hg)を表す。
(意味:水素)
上記と同様、中国や台湾で使用されている漢字。常温で気体の元素の場合、きがまえ(气)の漢字で表され、例えば、氫は水素(H)を表す。同様に、氦はヘリウム(He)、氯は塩素(Cl)、氙はキセノンをそれぞれ表す。
(意味:重水素)
上記の元素と同様、中国や台湾では、水素の主な同位体も1文字の漢字で表され、氕は「軽水素」(原子核が陽子1個だけで構成される水素の同位体)、氘は「重水素」(原子核が陽子1個と中性子1個で構成される水素の同位体)、氚は「三重水素」(原子核が陽子1個と中性子2個で構成される水素の同位体)をそれぞれ表す。
(意味:ニホニウム)
日本が世界で初めて合成に成功した113番目元素 ニホニウム(英語:nihonium 記号:Nh)を表す中国製の漢字である。

トップへ戻る