第3章 論理関数(その1)
すべてのディジタル回路は、基本的な論理関数の組み合せにより構成されています。
本章では、代表的な7つの論理関数について学習します。
目次
3.1 論理関数とは
3.2 真理値表と論理式
3.3 基本的な論理関数
3.4 演習問題

3.1 論理関数とは
はじめに、論理関数という用語について定義します。
論理関数は または の値をもち、 以下のような関係があります。

  論理関数 :  Z=F(A,B,C,…)
ここで、 A,B,C 論理変数 と呼び、 これも または の値をとります。
一般の記号論理学では となります。
論理回路では、 High(例えば5V) Low(0V) です。
下の図を見てください。
ランプと3つのスイッチ、電池で構成された回路です。
(スイッチをマウスでクリックすると、ON、OFFと変化しますので、操作してください。)

ランプが点灯するのは、どのような場合でしょうか?
2つのスイッチ が並列に接続され、これと直列にスイッチ が接続されています。

答は、 の少なくとも1方が ON で、スイッチ ON の場合です。

これを真理値表という形で表現すると、図の右のようになります。
ここで、スイッチの ON 状態は OFF で表しており、ランプが点灯した状態が 、消えた状態は となっています。

3.2 真理値表と論理式
上の図では、スイッチの接続関係を見れば、その間の論理関係を導くことが可能でした。
しかし、もっと複雑な回路の場合は、その論理関係を導くことはそれほど簡単ではありません。

一般に、新たな論理回路を設計する場合、最初に行うことはその動作を記述する 真理値表 を作成することです。
次に、この論理を式(論理式)で表し、簡略化するという手順をとります。
真理値表はただ1通りであるのに対し、論理式や実際の回路は様々な形をとることに注意して下さい。
論理式を表現する記号として、 +(プラス、またはオア) ・(ドット、またアンド) を用います。

次節では、代表的な論理関数の表現法について学習します。
真理値表と論理式の関係について十分理解を深めて下さい。

3.3 基本的な論理関数
以下、基本的な論理関数を7つ挙げ、その真理値表とVenn図を示します。
それぞれの違いに注目して、各関数の チェック をクリックしてください。
(入出力のボタンや真理値表の一部をクリックすると、1と0が反転します。)
3.3.1 論理和(OR)
   Z=A+B      (2入力)
   Z=A+B+C    (3入力)
OR の真理値表
論理変数
(入力)
論理関数
(出力)
 ⇒チェック

      OR の Venn図


3.3.2 論理積(AND)
   Z=A・B      (2入力)
   Z=A・B・C    (3入力)
AND の真理値表
論理変数
(入力)
論理関数
(出力)
 ⇒チェック

      AND の Venn図


3.3.3 否定(NOT)
NOT の真理値表
論理変数
(入力)
論理関数
(出力)
 ⇒チェック

      NOT の Venn図


3.3.4 否定論理和(NOR)
NOR の真理値表
論理変数
(入力)
論理関数
(出力)
 ⇒チェック

      NOR の Venn図


3.3.5 否定論理積(NAND)
NAND の真理値表
論理変数
(入力)
論理関数
(出力)
 ⇒チェック

      NAND の Venn図


3.3.6 排他的論理和(XOR)
XOR の真理値表
論理変数
(入力)
論理関数
(出力)
 ⇒チェック

      XOR の Venn図


3.3.7 一致(Inclusive AND)
一致 の真理値表
論理変数
(入力)
論理関数
(出力)
       ⇒チェック

      一致 の Venn図


3.4 演習問題
本章では、基本的な論理関数と真理値表について学習しました。
これらの内容を十分理解するためには、問題を解くのが効果的です。
次の演習問題(全8問)を解き、十分理解してください。

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