複素フーリエ級数展開
- フーリエ級数展開で扱う信号や係数はすべて実数でした。
- 三角関数の cos と sin も同じ実数です。
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- しかし cos2θ+sin2θ
= 1という関係式から明らかなように、三角関数自体は
- 平面における単位円上の点を2つの方向から観測したものと解釈できます。
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- より直感的に説明するならば、
cos や sinで表される単振動は、1つ次元の高いところから観測すると
- より単純な回転運動に置きかえられるということです。
- ここで複素数(複素平面)が登場します。
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- 一方、フーリエ級数展開において、係数
a0 の扱いが他の係数と異なる点が気になった方も
- おられるのではないでしょうか?
- 複素数を導入すれば、もっと単純かつエレガントな式に書き換えられるのです。
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- 具体的には、オイラーの公式
ejθ=
cosθ + j sinθを用いて、
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- cos θ= (ejθ+e-jθ)/2
- sin θ= (ejθ-e-jθ)/2j
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- を導き、フーリエ級数展開の式に代入します。
- 次に、フーリエ係数
an、 bn
に対して、複素フーリエ係数 cn を導入します。
- その結果を上の図に示します。
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- 係数の値を操作して、複素フーリエ級数展開のイメージをつかんで下さい。
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- 操作法はこれまでのものと同じです。
- なお、スペクトル cn とc-n
が複素共役の関係になっていることに注意して下さい。
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