複素フーリエ級数展開


フーリエ級数展開で扱う信号や係数はすべて実数でした。
三角関数の cossin も同じ実数です。
 
しかし cos2θ+sin2θ = 1という関係式から明らかなように、三角関数自体は
平面における単位円上の点を2つの方向から観測したものと解釈できます。
 
より直感的に説明するならば、 cossinで表される単振動は、1つ次元の高いところから観測すると
より単純な回転運動に置きかえられるということです。
ここで複素数(複素平面)が登場します。
 
一方、フーリエ級数展開において、係数 a0 の扱いが他の係数と異なる点が気になった方も
おられるのではないでしょうか?
複素数を導入すれば、もっと単純かつエレガントな式に書き換えられるのです。
 
具体的には、オイラーの公式 e= cosθ + j sinθを用いて、
 
  cos θ= (e+e-jθ)/2
  sin θ= (e-e-jθ)/2j
 
を導き、フーリエ級数展開の式に代入します。
次に、フーリエ係数 an、 bn に対して、複素フーリエ係数 cn を導入します。
その結果を上の図に示します。
 
係数の値を操作して、複素フーリエ級数展開のイメージをつかんで下さい。
 
操作法はこれまでのものと同じです。
なお、スペクトル cnc-n が複素共役の関係になっていることに注意して下さい。
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