
DFTと回転成分の抽出
- 離散フーリエ変換は、入力となる信号が複素平面上で回転する成分を検出する操作と考えることができます。
- それでは、ある方向に1周期の間に1回転する成分を検出するには、どのようにすればよいでしょうか?
-
- 「1周期の間に信号全体を逆方向に1回転させ、そのベクトル和を求める」というのが答です。
-
- そうすれば、検出したい成分は静止することになり、同じ方向を向くことななります。
- 他の回転成分は、ベクトル的に加算するとちょうど
0
となり、その影響は無視することが可能です。
-
- 以下、下の図を用いて具体的に確認してみましょう。
-
- はじめに、静止した成分について考えます。
- 右側に右を向いた8つのベクトルがあります。これが入力信号です。
- この信号を、時計方向に
0回転、1回転、2回転、…、7回転させながらベクトル的に加算します。
- その結果が左のベクトルで示されるスペクトルであり、X0 が→の8倍となり、他はすべて
0 になります。
-
- 次に、右上の (+) のボタンを1回クリックし、反時計方向に1回転する入力信号を選択します。
- この場合、時計方向に1回転させる
X1の項が→の8倍となり、他はすべて 0
になります。
ボタンの (+) と (-)
を操作して、様々な入力信号について、そのスペクトルがどのようになるか確認して下さい。
⇒ 教材コンテンツ集に戻る