赤谷山〜白はげ山〜大窓〜池の平山〜小窓〜剣〜早月尾根 1986.12.28〜1.4 48歳 CL 高橋 SL 千田、小川よ、竹森、嶋村、下田、鈴木 |
12/28 伊折部落〜馬場島〜赤谷尾根〜1563mの台地で幕営 前夜に車二台に分乗して上市へ。タクシーに乗り、伊折部落の少し先、研修所迄入る。雪は少ないが前日からの雪のためここで降りる。2ピッチで馬場島へ。赤谷尾根には先行パーティーのトレールらしきものがが残っているが、1500mへの急登はきつい。雪は激しく降る一方で1563mの台地で幕営。14:00である。 12/29 1563mの台地幕営〜2000mの台地で幕営 一晩のうちに 1m以上の雪。 2000m 近くになると若干ラッセルは楽になるが、赤谷山の急斜面 は視界も悪く、不安定な雪とあいまってスピードは落ちる。14:30に 2000mの台地で幕営。 12/30 2000mの台地幕営〜赤谷山頂上に雪洞 赤谷山の急斜面はかすかなリッヂ状をたどる。出だしで20mFix。天気は悪くルートは判然とせず。 赤谷山らしきところへ10:30に出るが、ホワイトアウトのため方向が定まらない。偵察パーティーはリングワンデリングしてしまうほど。 その間に、猛吹雪のなか苦労して雪洞を堀。13:00まで待機するが視界は開けず。泊まりとする。 12/31 赤谷山頂上雪洞〜赤ハゲ〜白ハゲの山頂近くの斜面に雪洞 わずかに視界が効き前進。強風の中、青ハゲ、赤ハゲと進むが天候は悪化するばかり。目も開けておれず 白ハゲの下りでルートを失う。猛吹雪で目も開けられなく、すでに状況は最悪となっており行動を中止する。13:10から強風に飛ばされそうになり斜面に3時間あまりかけて雪洞を堀り、もぐる。 1/1 吹雪で停滞 62年元旦。昨日より天気は更にひどい。大型の低気圧が次から次にと通過している。いつでも出発 できるように準備して、花札をしながら待機するが、昼に中止と決定する。先に進める目途が立たず、下ろうにも赤谷の下りは雪崩れそうで怖くて下れない。こんなときは新人の不安を紛らわすために余裕がある振りをするためにも、コンロにシュラーフを掛けてコタツにして、花札に興ずる。風の向きが変わり雪洞が風で削られていき危なくなってきたので、雪洞の改築をする。夕方よりうそのように晴れ上がり剣岳が望まれる。予報より回復が早すぎる。 1/2 白ハゲ山雪洞〜大窓〜池の平山〜小窓〜三の窓〜池の谷乗越で幕営 もうすでに雲が広がっている。少し登り返し、大窓へ下る。あわてて大窓壁を懸垂する奴、ルートを探し歩いて降りる奴と思い思いに下る。軽量化のためにザイルは持たずにトラロープだけである。先行の法大パーティーとすれ違う。(彼らは白萩沢を下ったとか)大窓の肩へ登りだす頃再び天気は悪化。 今日をのがせば4日までに下山できないため。ピッチを上げる。池の平山の下りに2P、Fixし小窓へ(13:00)。 千田が少し調子を崩し始めるが、三の窓を越え池の谷乗越まですすむ。 (16:25)雪稜と化したコルの雪を取り崩してテントを張るが、一晩中除雪とものすごい風でろくろく眠れない。ミゾレ交じりの雪にテントは氷漬け。 1/3 池の谷乗越〜剣岳〜早月尾根〜1400m付近で幕営 稜線は完全にアイスバーン。途中で3度Fixをして、頂上へ(10:20)。早月にはすんなり入り、氷化したルンゼを2P、Fixしてカニのハサミをトラバスし広い斜面に。一時よかった視界も再び悪化し、ここでルートを見失ししばらく様子をみる。方向を決めて下り上手くシシガシラに出る。今日中に馬場島だと急ぐ。2600mを登り返して、伝蔵小屋(15:00)。すでに誰もいない。雪も降り出し寒い。チーフが足を痛めてしまい16:30に1400m付近でテント設営。 1/4 1400m付近幕営地〜馬場島〜上市 ガソリンも非常用のメタも使い果たし、最後はティッシュや燃えるものは全て燃やして水を作る。食料も使い果たし、9:10に出発。昨日の雪でトレースは消えかけているが足取りは軽い。 一時間余りで馬場島に下り、下山報告をしたところで、当会の井上パーティーの遭難を知る。一時間後に出発し1Pで伊折へ(13:20)。タクシーで上市へ。風呂に入り車に乗りかえて富山に出て、駅前のいつもの「美松」で新鮮な魚で打ち上げの宴をはり帰名する。名古屋23:30着。 小川義夫記 |