自転車旅行記

 

はじめに

 

これは友人の思いつきで都内からスタートし、自転車で友人の地元徳島を目指した旅行記です

写真を一度まとめたかったのでざっと整理してみようと思います

思い出したことがあったら追記していくかも

何年前かは秘密です

説明: 体型

スタート日の体型

59キロと思っていた体重が冬に訪れたパスタブームで61キロになっていて焦る

ついでに自称172.9センチの嘘がばれる

いや計測機器が狂っていたのだろう

(まあほらハンターのクラピカが171センチ59キロですしおすし)

(都心からスタート!)

 

某日、朝10時、出立。快晴

都内を出て数時間、一度神奈川方向へ向かいそこからひたすら西へ

出不精なので普段ちょくちょく訪れる場所としては西側の一番はじっこ、八王子

競馬新聞片手に金をドブに捨てるくそな予想を熱く語り合っていると中央線で一瞬の府中も、似たような町並みを延々自転車で進むと案外遠く感じる

(※学生は勝ち馬投票券を買えません。多分妄想です)

全行程の1%未満ですでに無限にこぎ続けても辿り着かないのではという地獄を感じ始める

(当時は現在のように長距離サイクリングの習慣もなく、ランニング2kmで満足していた。ブ○ーワーカー使用前の貧弱な坊やのようなものでした)

道の選択がてきどうだったため都内らしからぬ景観の道路をひた走り、大通りに出たので八王子のマックで昼食

(学生時代は結局この友達としかマックに入ったことがなかった気がする)

もうすでに足ががくがくになり途中でリタイアするだろうと覚悟する

前日まで部屋・トイレ・パン屋の往復のみでパワプロのサクセスに熱中していただめ人間ゲーマーである

しかしあとから考えると「停まると動きたくなくなる現象」だった

休むのが一番疲れる。休んでいる時が一番疲労を実感する。休むと動けなくなる。

自転車あるある。

食後一時間ぐらいは辛かったが、足が慣れてきて急に平気に。ようやく快調な感じ

説明: 歩道が消えた

山奥へ行くと歩道トラップが多くなりますヾ(。θωθ)ノ

 

東京でも山は山。というか東京の奥地はけっこうな山岳

大垂水峠(390m

傾斜度9度の螺旋登坂を延々と

山を二つ越えたところで多少自信がついてきた

峠を走っている自転車レーサーは手を挙げて挨拶をしていく

その挨拶に手を挙げ返すのにも慣れ清々しい気分だ

自分だけママチャリなので微妙にアレではあるが

 

が、山梨に近づくとトンネルでダンプカーに何度も轢かれそうになり自信喪失

大型やトレーラーがスピードを出していると風圧と吸引力がすごい

吸い込まれてカエルのような轢死体になるのではないかと何度も思った

 

中央線の行き先でしか知らない大月

すでに尻全体が痺れるように痛い。尻だけで正座していたみたいだな、と思い、尻だけで正座ってなんだよ!と数分後セルフツッコミを入れるほど疲れている

友人のロードレーサーと交互にチャリを交換していく予定だったが、いざロードバイクに乗ってみると姿勢的に腰が痛い

悲しいことに慣れていないロードレーサーは私にあまりにも向いておらず、以後はママチャリに専念することになる

山登りは手の力も使うため、手のひらが真っ赤でハンドル状に痕がついていた

初日だというのに手帳に人間乳酸飲料とよくわからないダイイングメッセージとおぼしきものを書くほど筋肉から疲労物質が出ている

このときは先の道のりを考え暗澹たる思いにとらわれた

しかし実は肉体的な疲労はこの初日の午後が一つのピークだったかもしれない

このときはまだ脳内麻薬もそれほど出ていなかった

惰性で騙し騙しこぎ続けるという作業を身体がまだ学習していなかったので、非常に無駄な筋力を使っていた

 

最初の長いトンネルを抜けるとそこは大和村だった

よくありそうな名前だなと思った。日本に100個ぐらいありそうな名前だが、たしか日本に村という行政単位自体が500ほどしかないので多分そんなにないであろう

その後小さなトンネルが何度も現れるようになる

トンネル内にも急な下りがあったりでなかなかに侮れない

登りだけではなく下りも危険と理解しながら時速75キロで笹子峠を下る(友人のロードバイクには速度計がついている)

ぐごごごごぐぁぐぁぐぁ。風がうるさくて、猛烈な速度が出ているせいもあって会話もない

日も暮れて冷たい風の中を弾丸のようなスピードで滑降(実際ブレーキをかけても無益に近いほど滑っていく)すると体感速度はもうジェットコースター以上だ

カーブでふくらみすぎると大型車に轢かれそうになり緊張が続く

下りでトラックとずっと併走しているとあおってきて殺意がわいた

日が暮れるとさらに視界の悪さも加わり難易度の高いレースゲームの趣となっていた

 

わずかに掠めた神奈川を除けば初の県境越え、山梨に入る

道を聞いたおっさんの方言は聞き取りにくいがあったかい感じだ。地名の単語以外何を言っているかわからないが有り難うございますと親指を立てて退散する

あとから思うと東京というのは驚くほど狭かった。平坦だった。平和だったのである

この時点の自分はこんな日が一週間も続くのだろうとそれですら暗澹たる思いだったのだが、まったくスイートな夢を見ていたものだ

そんなこんなでそろそろ野宿ポイントを探しながら走ろうということになる

山ではまったく役に立たない高速中心の地図

 

説明: 山梨はくしゅう説明: http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/road/eki/station/map_gif/map_yama_hakusyu.gif

戦友。アホの子である

この頃はまだ二人とも元気だった。比較的

説明: 野宿

走行距離104キロで夜8時。(しかそこの距離がまったくあてにならない。平地の10キロより急登坂の数百メートルのほうがはるかに地獄だ。平地の200キロならたいした距離に感じない)

そんなこんなでようやく嬉し恥ずかしおそろし初野宿である

しばらく休んでしまうともう一歩も歩けない気がしてくるから不思議だ

一般道の真横のブドウ畑に断熱シートと寝袋

「ぶどうとワインと花の町勝沼町」とでかい看板が見える

高速は遠くに見えるが走ってきた道もバイパスのため、ときおり貨物トラックが猛烈なスピードで通り抜ける

ただしそれ以外は交通量もそこそこでたまにシンと静まりかえる

これから向かう山梨の街の灯が遙か遠くにびっしりと輝いている

素晴らしい景色だが見入っている精神的余裕はさほどない

春だというのにシャツ、セーターの上にダウンを二枚ぶくぶくと重ね着してなおくそ寒い。顔が痛い

そう、これが夜の野外。これが野ざらし

浮浪者の気分が少しわかった**の夜

友人は遠くのほうまで歩きまわり野ぐ○ポイントを探していたが私はそれだけは死んでも御免だった

 

説明: のじゅく2

土のにおいと痛覚のような強烈な寒さで目がさめる

8時半から5時間強は寝ていたようだ

寝直したいが寒くて寝れない。足の指先が異常なほど痛い

半身を起こしてしまうともう寝つこうする気にもなれなくなった

寝袋は思ったより暖かくない。むしろ冷たい。薄っぺらで背中も痛い

起きる前に明るくなって人が通りかかったら通報されそうで恐怖もある

(だって他人様の農地だもの)

しかしこんな時間にトラックよりバイクがうるさい

友人は土に顔をつっこんで死体のように眠っている

寝たことで身体の疲労は回復・・されていない

まあ大事なことは眠気を無くすことだ。自転車でも居眠り運転はあるのだ

疲労より肛門と足の付け根がヒリヒリと痛んで困る

膝の皿と皿の下に鈍い痛みがあり、尻まで筋肉痛である

足の親指など爪が割れているんじゃないかというような鋭い痛覚があり恐ろしくなった

靴下を脱いだら壊死しているのではないかと本気で心配したほどだ

立ち上がろうとする激痛が走る。腰砕けになり倒れこむと、靴の上から足の指をおさえて転がるようにしばらくしゃがみこんだ。うめき声もでない

通気のいいメッシュのマラソンシューズのせいか寒さで完全に指先の感覚をやられたらしい

10分近く足先を握りしめてまるまっているうちにようやく足を地面につけられるようになった

まるでリハビリ患者のような足取りで一歩二歩と踏み出す

血流をよくしようと屈伸をするとどこがどう鳴ったのか、ありえないほど全身の節が鳴った

山岳の疲労は平地を300キロ走るよりきついものらしかった

点在する街灯の中、遠くに見慣れないメーカーの自販機が見える

そこに向かうことにした、が、日中ずっと自転車の行軍だったため歩くのがかえってしんどい

ガードレールにつかまりながら病人か?という足取りでよたよた

ようやく辿り着いた怪しい自販機はランプも点いていない錆びた放置自販機であった

痛む膝と足の指先に絶望的な気分になりながらさらに150メートルほど進んだ先の歩道橋を渡ると、不愉快なほど明るい自販機が二台並んで待っていた

温かいコーヒーを買い、ガードレールの台座のコンクリ部分に座る。そこで缶を握った手で足先を握る、という作業を繰り返した

飲んだのは完全にぬるくなってからのことだ

欲しかったのは飲み物ではなく暖であった

雪山の映画で凍傷は指先から壊死していくというのが肌で実感できて幸いである

このときの時刻3:30

結局さらに2本のコーヒーとホットのレモンジュースを購入。2本は懐炉のかわりでぬるくなるまで握りしめていた

歩道橋に座りアツアツのホットレモンを飲み干すとそのまま横にもたれかかって寝そうになる

が、コンクリの階段ではケツが冷たくなってくる

帰り道の150メートルはひどく遠く感じた。いまだ回復しきらない片足を引きずって戻る。膝が痛み、もう自転車にしか乗れない身体らしいと悟る

寝床のぶどう畑に帰ると友人はレジャーシートからはみ出て土を食べるようにうつぶせの状態で深い眠りのままだ

一度財布を取り出したせいか、寝ている間に金を取られる不安が急にわいてきて余計寝られなくなった

ハーレー風のバイクがたまに爆音を鳴らして通過するせいだろうか

それでもなんとかもう半時うつらうつらとしていると空がわずかにしろんできた

辺りが見えるようになると、けっこう畑の奥まで入ったつもりが見通しのいい単なる道端で、まかり間違って朝まで寝ていなくてよかったと胸を撫で下ろす

コーヒーを飲んだせいか小便がしたくなりトラックのライトにでも照らされたら恥ずかしいためさらに50メートルほど

畑の奥に進んで小用を足す。我慢していた感はなかったが異常な量の尿が出てあせる。とまらない

まだ暗くてよくわからないが尿の色も濃い気がする。もっと水分を取ろうと決心する

予備動作もなくむくりと友人が起きたため腹ごしらえをすることになった

野宿セットをたたんで松本方面に進むと、最初のローソンで弁当を買ってその外の縁石に座って食べる

暖かいメシは直接エネルギーに変わるような力を与えてくれた。もっと有り難みを感じたのはトイレで用を足せることであった

そのまま薄暗がりの中を走り出すとようやく長野関連の標識が目立つようになる

しだいに明るくなると気分も高揚しだす

標識には

甲府10

松本108

昨日走った100キロ強ではまだまだ長野ということらしい

高速道路沿い、今までで一番でかい橋をわたる。真っ赤な鉄骨がそびえ幅も雄大なほど広い。笛吹川−石和橋とある

立派な橋だっただけに都市を期待するが、長いバイパスを抜けてしまうとそこからはひたすら山道の登りだった

見上げた山が、薄雲のかかるけぶった空と同化しかけていた

朝の空気の中を疾走すると冷たい空気が心地いい

山道の中、ぽつねんとあるセブンイレブンを発見する

見上げるとこれ以上先にはコンビニがあるとも思えずそこでペットボトルのジュースや食料を買い込む

流川という土地で橋から見下ろした川に雪がまばら

そりゃ寒いわけだ

登りのペダリングも一定のリズムを延々とキープしていると変にテンションが上がってくる

道の駅、大武川、サントリーのウイスキー博物館。巨大なウイスキーのオブジェに座り写真も撮った

富士見市街という標識を見て、不死身なのに死骸ってどういうこっちゃとおかしくて仕方なくなる

麻薬並のランナーズハイ

普通なら頭で考えて思いついてもそこで留めて口にしないようなことをばんばん口にするようになる

昼間っから真夜中のハイテンション状態である

諏訪湖を一望し、諏訪の大社にワンタッチして引き返すことにするがそこで友人のロードレーサーのディレイラーがいかれてしまう

幸運なことに数百メートルも歩くとサイクルショップ飯田の看板が

友人はずっとサイクルメシダと呼んでいた

変に金がかかったら一貫の終わりと思ったが無骨な親父は「ホレ」と自転車を突っ返して金は取らなかった

深々と礼をして立ち去ることに。おっさんあんたええ男やで

諏訪大社に寄るが本当に入りもせず外から写真を撮っただけ

観光じゃないんだ、遊んでいると俺達に明日はない。リアルに

登り、登り、登り

長野は霊峰並び立つ険しい山ばかりだ

当然登れば登るほどその高度ゆえ寒くなる

停まると汗が冷えて気持ち悪いので漕ぐ漕ぐ漕ぐ

説明: ながのの

机入り口にて

説明: ながの

2日目は山道中心の109キロ 走行時間12時間 瞬間最高速度は49キロ

最初は屋根を見つけたとはしゃいで高台にある川岸駅前公園で寝ていたのだが、冷たい雨が降ってくる。遊具の中まで雨が入る

仕方なくもう少し距離を伸ばし、長野の山奥にぽつんとあった無人駅で寝る

岡谷市川岸駅

駅の小汚い木造トイレはほぼ男女共用に近い形で仕切られてもいなかった

しゃがむと身体は隠れるがドアが下半分しかないため顔が出たままであろう女子トイレ

小用をしている男性が振り返ると用を足している女性と目が合うという異様な造りなのだが

こんなものを使う地元女性はいるのだろうか?

田舎の不思議を体験しつつ寝るというより横になる

ひんやりした待合所の板場は眠れない。板きれに囲われていようが寒い。起きていても消耗して時間をロスするだけと午前二時には再出発することに

この旅初の脱糞をしたローソンでホッカイロを手に入れ(ドラクエの重要アイテムゲット気分)雨中行軍の装備を作り込み富士川に沿って川の脇を流れにさからい逆上。あまりの雨でついでに二人とも逆上しながら平地をあらん限りのスピードで走り抜ける

ここいらで、カバンでは浸水してしまうためカバンを捨ててゴミ袋が荷物入れになる。不格好極まりないが旅の恥などかき捨てだ。逮捕されなきゃそれでいい

対向車が来ると幻惑状態でしばらく目が見えない。やけに工事箇所が多く空へ飛び上がるようなバウンドを幾度も体験しながらの夜間走行

どしゃぶりとなり背後から溝の水を大量にはねあげていくくそワゴン

横殴りにぶっかけられた水はバケツでぶちまけられる以上の水圧だが道幅が狭く避けられずどうしようもない

ぽつぽつとしかない暗い街灯、ほぼ完全な闇の中、そんな場所で出してはいけないような速度で走り続けると空が白みはじめ、雨もやんできた

なにかが痛い、と思ったらポッケのカイロがペダリング等による揉みしだき効果と適度な水分のため、

異常なほど発熱していた。あやうく短時間で低温火傷のレベルである

説明: 雨

説明: 四日市

あらためて見るとすごい格好だ

濡れて指がかじかむため軍手の上にゴム手

ダウン二枚の上に雨がっぱ

もはや何をしてる人にも見えず、存在自体が犯罪者の趣である

停車しているとあまりに不審者なためとまらず走る走る走る

フードが飛ばされる。かぶりなおすと水がたまってびちゃびちゃ

便意をもよおしたらコンビニに飛び込み脱糞のみで何も買わずに逃げまた走る

序盤で無駄金を使うわけにはいかない

大雨の中でやけになってキチ○イのように疾走する

長野ローカルのコンビニは品揃えが不気味だ

プラスチックの刀が並んでいた

食材のわからない怪しい弁当をさけておにぎりを食う

睡眠不足と大雨でテンションが危ない

 

ぐはははは ぐへへー ぶわっはっは うひひ とりゃあ ひゃっほう へへへへー 

あれあれ きゃっきゃっきゃっ おらおらおらー ぶひゃひゃ

 

こんなんでなぜか友人と会話が成立している。明け方の高速走行はドーパミンがよく出る

うのきという地名があると

「うーのーきーっ、ボンバイエッ」

当然のように叫ぶ馬鹿二人

大島 天竜川 渡ると巨大道路

巨大河川を見下ろすと鴨の群れが休んでいる

ハデな鉄の赤い橋を渡るとまた巨大道路

早朝で人のいない、よく整備された大通りは思いっきり飛ばすと爽快である

国道153号、少し道が細くなる

登り道を時速25キロで快走

大田切川の橋を渡るとなぜか橋の下に自動車教習所

大雨で河が氾濫したら水没してしまいそうだ

やけにのぼりとくだりが連続してまた変なテンションになる

福岡駅 という駅があり二人で同時に「もう九州か?まぎらわしいっちゅうの」突っ込む

霧が晴れないと思いきや高地でもはやこれは雲のような水滴、どうりで寒い

アップダウンの中総合的には相当登っていたようだ

雨をしのげる地下道でひと休み。止まると思い出したように膝がミシミシと痛い

左膝を手で押しながらペダルをこぐ

県道から国道にチェンジするため自転車をもちあげ石段をいく

そこから鬼のように下り坂

雨だというのに57キロという速度が出ている

ごわわわわとダウンジャケットがたなびく

赤坂 桜木町 特の原(?)トンネル

小平は小平というわりに7%の急傾斜だった

県道を進んでいたら登ることになっていたそびえ立つ巨大な山のほうを見やり、選択が正しかったことを実感する

「あのままだったらあの山登ってたの? ばっかみてーじゃのー」

命に関わっていた選択でゲラゲラ笑う

気がつけば空は晴れ渡っていた

田島という土地の歩道でレインコートを脱ぐ

急勾配の山登りを半分自転車を押しながら歩く

久しぶりのコンビニだサークルK。ここをキャンプ地とする

足、かゆい。かゆい、うま。靴下をかえる。靴下、雨がっぱ等の大量のゴミをコンビニのゴミ箱にしれっと捨てる

たまたま売っていた「足カイロ」を使いはじめたせいで蒸れた靴下が汗を何度も濃縮しウ○コよりも臭くなっていた

おにぎりでメシ。おかかサイコー。晴れるとだんだん暑くなってくる

寂れた田舎町を快調に進む。田舎の風景はどこでも和む

山奥にはラブホが点在していた

「HOTEL天空の城」

ドラクエVネタの雑談がはじまる

ビアンカはビッチらしい

ふもとのローカルコンビニは電子レンジがセルフで驚愕する

長野の山奥のコンビニ店員は全員茶髪。しかも黒髪がまだらな汚い茶髪である。どうせ染めるならもっとこまめにちゃんとやれと思う

ゴムで髪をしばってて皆が皆疲れたような顔をしている

説明: 風景

この日の65キロ地点、ようやくみつけたローソンで足の腫れをおさめるためアイシング

飯田市。友人はメシダと呼び続けているが突っ込まない

無人のコンクリートの美しい巨大な橋をめいっぱい左右に蛇行しながら渡りいい気分でいるとタヌキの死体があってブルー

山あいを抜けてくる風が強く吹いている

名古屋143

豊田113

稲武69

少ない数字がない標識は当座の目標にならなくてへこむ

やや都市っぽいところへ出てなんとチェーン店の古本屋をみつける

「本をう〜るな〜ら」のあれがこんなところに

ふらふらと店内に入って二階建ての店内を歩き回りふと荷物になって死ぬと気づいて店内を歩き疲れただけで出る

買いたい本がいくつかあって悔しい限りだ

さらにいくと高い建物も増え道路も整備されていて街っぽくなってくる

同時に暑くなってくる

鼎名古熊 言葉の意味はよくわからんがとにかくパワフルな名前だ

名古熊東

名古熊西

名古熊シリーズはいいがいつにょろり交差点に着くのだ

地図を見て名付けたにょろり交差点がどこかわからなくなる

名古熊交番で道を聞く

「いいてくださいね」イントネーションの変わってる高い声のおまわりだった

健康ランドのような温泉をみつけて飛び込む。阿智村の昼神温泉というらしい

友人は風呂場に敷き詰められていた綺麗な白い石をどうにか持ち出せないかと思案していたが私は関わらないことにする

それにしても、身体を洗い汚れを落とすことができるというすばらしい効能のある温泉である

3回は身体を洗い尽くした。温泉のゴミ箱にパンツも下着も靴下も捨てる。異臭騒ぎにならなければいいが

3日目はフロ休憩を含めて走行時間14時間、距離101キロ、最高時速は57キロ

健康ランドのくせに露天風呂までついていてすっかり得した気分で外に出るとゆっくりしすぎたのか日が蔭って寒い

まだ薄暗がりだが、この先は峠越えになってしまうので進むのは完全な自殺行為だ

野宿ポイントを探すが川からの風が冷たく、それがしのげるバス亭の待合所でそのまま野宿

見上げた星空がめちゃくちゃ綺麗だ。空気が澄んでいる。星の数も輝きも明るさも街中の数倍はある

寒さで何度も目が覚め、欄干添いをうろついたり家屋のダクトから出る暖かい風を浴びたりする

この日も夜中に出立。ただ居ても体力を消耗するだけの寒さでは仕方ない

にしても深夜の峠は恐怖だ

熊が出そうな怖さがある

狭い山道を螺旋状に登る登る

暗すぎてガードレールに足をかすめたりと気が抜けない

蘭川 川の中のでかい石が美しい

工事が多いが工事の電飾が異常にまぶしい。電気代がもったいないと思う

山の上で夜が明ける

凄まじい絶景。どうにか表現しようと言葉を尽くせば尽くすほどウソっぽくなりそうなほど圧倒される景観だ。写真を撮るのを完全に忘れるほど。何のためのカメラか

螺旋の下りは爽快だがあまりにもなにもない山の中で飲み物が尽き、生命の危機を感じる。自販機すらない

長い不毛な山道を経てようやく民家が見えて安堵する

湿気た冷たい風が顔に当たって涙が止まらない

山の中のダムに、ああ長野だと実感する

山中の道の駅でココア。体温を回復させないと走行中にゴリゴリHPのゲージが減っていくのがわかる

賊母(しずも)のあたりで友人のロードレーサーが軽いギアトラブルを起こす

ようやく麓にたどりついたが「ファミリーマート前進8キロ右側」という超巨大看板に唖然とする

しかしやっと村落まで降りてきた。安堵

建築物が点在するようになり人家のありがたみを痛感する

家サイコーなどと叫ぶ馬鹿二人

喫茶贅沢という怪しい建物を見て「ちょっと贅沢に行こう」とかいうのかななどと思うとおかしくてしょうがない

いい加減にしろ脳内麻薬

 

 

 

説明: ちのし

登る登る登る

 

 

説明: 温泉の近く

長野に二日も泊まることになるとは。前述の野宿ポイントであるバス待合所

前日の山梨ぶどう畑が寒すぎたためか暖かいとまで思えた。だが最初だけだった。でも壁があるって偉大

 

恵那市 ビール瓶やガラスの破片が多く危険。チャリ殺し

ゆるい下り坂になり淡々と淡々と漕ぐ

ガードレールの杭打ち作業をしていた。音すごすぎ

 

説明: せいないじ

長野をなめていた

雪がすごい

上記の写真はそうとうましな箇所で、トンネルを抜けてしばらく行くと路面がいきなり真っ白になった

平地区間がしばらく続いたが、ザラ雪のため漕いで進むことはできなかった

しかし平地はましで、その先からの下りのアイスバーンで何度も死にかけることに

危険すぎてそのあたりの雪の道路は写真を撮る暇もなかった

雪による車両通行止めだったからよかったものの、スキー初心者が上級者コース降ろされ背後から突き飛ばされたような地獄を体験した

10メートル近い横滑りとブレーキをかけっぱなしでもスキー状態の自転車

よく数回の転倒ですんだものだと感心する

感覚的には自転車というより急斜面でソリに乗っているような状態だった

アイスバーンが下りだけだったからよかったものの、逆からの登りだったら確実に迂回を余儀なくされていた。登りようがない

自転車は雪に弱い

それとこの清内路トンネルも不気味だった。1キロをこえるトンネルは精神的にくる

寒さと閉塞感がやばい。大トンネルにしては恐ろしく暗い。自転車のライトがないと単なる薄暗がりだ

自転車が通ることをまったく想定していない造りなのである

説明: ながの

日本アルプスYear!

説明: 長野

雲のような霧の中を爆走する。山奥は舗装がいい加減

こんなとこに住んでる人たちがすごい

仙人ではないのかと訝るほどだ

風にさらされた汗拭きタオルが凍っている

登ったぶんだけ下るわけだが、

下りは寒い、下りは危ない

下り地獄を制すると岐阜に入った

長野は本当に長かった険しく広大だった

説明: トンネル

長いトンネルは入る前に心と体の準備が必要

ビバ岐阜。岐阜は狭い。岐阜は暑い

実際岐阜は一部をかすめるように通っただけに近く印象の残らない県であった

短時間の気温のあまりの変化だけを皮膚感覚がおぼえている

恵那、土岐、多治見とするする通過

厳寒の長野から急に暑くなり体温調節が不調だがかなりの汗をかきながらもペースは悪くない

トンネル内で岐阜から愛知へと変わる

綺麗で明るい平らなトンネルだった。これはよいトンネル

急勾配で暗くてひき殺されそうになるのが悪いトンネル

愛知のど真ん中はごみごみしているだろうと都市部を回避するように進むと地図上の現在地を見失う

信号無視を捕まえていた警察に道を聞くいい歳の迷子二人

道は間違えたが戻らなくてすみそうだ。それにしても地図というものは自転車用にできていなくて困る

なんとか市内に入るも想定していた本道に戻る前にパンク

えびふりゃーうみゃーだぎゃー

ぎゃーぎゃーさわぐなぎゃー

みゃーみゃー

実際にそんなことは言っていないが街のざわめきはそんな感じだ

デパート内の自転車コーナーでパンク修理

一時間のロス、修理代は1050円ですんだ

飛行機が、形のよくわかるほど低いところを飛んでいる

空港が近いようなので行ってみたかったがそんな余裕もなく

マックでバーガーと熱冷ましにバニラシェイク

なんとか体調もよくなり平地の街中をギュンギュン飛ばす

道がいい。あっというまに愛知県一宮市

平地はいい。日中に150キロ以上は楽に走れる

パンクしなければだが

そういえば自転車修理を待つ間にもじゃもじゃの野良プードルと仲良くなった

我々は彼に「最高ですかー?」と名前をつけた

我々と最高ですか−?の間には確実に友情が結ばれた

だが彼は実は野良ではなくあとになって飼い主のババアが連れて行った

別れ際、ババアに抱えられた最高ですかー?はお前らの旅路を応援してるぜ、という熱い視線を送ってきた

いや、明らかにそう口で言っていた

我々は少しおかしくなっているようだ

都市部のため夜でもどこまでもいけそうだったが、結局日暮れに立ち止まった一宮の野球場の隅に野宿

あまりに居心地がよすぎた

風の吹き込む隙間がなくてあったかい

 

と思ったら温度が下がってくるとやっぱ寒い

暖かい紅茶花伝で買ってそれを懐炉がわりに寝る

寝ていても尻が猛烈に痛い。皮もむけた

説明: やすみ

教訓、コンクリは硬い

それでも夜明けまでぐっすり。疲れているのだろう

起きると手袋が片方ない。なぜだ? 坊やだからさ

朝からコンビニを探す。ローソンで弁当にする

食べたかったが肉マンはまだできていなかった

早朝で人もおらず店の前で座り込んで二人弁当をかっこんでいると電動車椅子のおばさんに話しかけられる

えらいねー、若いうちしかできんよー

と自転車旅行を褒められていると

遠くから自転車に乗ってすさまじい声量で狂ったように絶叫している青年が通過していった

息を吸う以外は意味不明な音声を叫びっぱなし。朝の5:30である

おばさんは去っていった

俳優志望の度胸試し、というふうに友人と善意の解釈をしておいたがただの危ない人物だったような気がする。都会は恐ろしい。

気にせず走り出す。愛知は道路が整備されていて走りやすいが風景がどこへいってもあまり変わらない

それでも歩道が広くて自転車でも走りやすいのは有り難い

光川二級河川 日光川二級河川

二両編成の真っ赤な列車が丘の上を走っていく。そんなことよりお腹が痛い。あんこでちゃうう

津島のファミマであんこ。コンビニはもう優良公衆トイレの認識だ

何も買わずにトイレだけ借りるのは申し訳ないと思い(過去に何度かやってきたのだがなぜか急にそう思った)

一番安いパンを買って「お手洗い借りていいですか」とWCを指さす

無論作り笑顔で快諾してくれるが「イヤ」と言われても絶対に無視して借りることは疑いない

限界まで我慢した生理現象はキアヌの乗ったバス以上に止めてはならないのだ

次のファミマでは休憩がてら駐車場でストレッチ。延々と続く平地は上半身固定のせいか肩もこっている

靴下などと一緒に臭くなったニット帽も捨てる。寒さから耳を守り続けたニクい奴だがもう厳寒の地はないであろうという判断である

休みすぎたのか異常に交通量が増えてきた。さすが愛知は都市部だな。歩道が広いからどうでもいいけど。

一般道路が片側四車線は他では都内ぐらいでしか見ない気がする

自分があまり都市に縁がないだけか? あんまり運転したくはない道だなと思う

快調に進んでいると交通事故現場にでくわす

軽自動車がまるまる一台ぺたんこにぶっつぶれ

野次馬していると赤い帽子のじいさんと仲良くなり助言をもらう

「東京がぁ?23?あぶねえよあぶねぇ」

自転車なら1号線だとすすめられる

正直あまり大差はなかった

顔が痛くなってきたので日焼け止めを買う

ロッテリアで平日半額のハンバーガーをもりもり食う

にしても暑い。日光が痛覚だ

全身倦怠、コンビニの鏡に映った目にはくま、酷い日焼け

体調が怪しい気がしてスポーツドリンクアミノバイタル

モスバーガーでエビカツセット

豪勢な栄養補給だが時すでにおそく熱中症でダウン

説明: 熱中症

いつのまにか三重らしかった

コンビニの前で二時間近くぐったりする。完全に失神していた

寝不足のせいもあったのか休むと回復して一安心

トラックがものすごい信号無視をしていって焦る

排気ガスがひどい

目をこすると黒い目やにがとれた

鼻をかむと黒い粉

「こんな空気の悪いところは一気に通過しよう**くん」

「そうですね、四日市全速」

くだらないことをいっていると交通量が異様に減り始めた

軽トラが増えた

畑が多い

Y字路をてきとうに曲がってからさらに道が悪くなった

どんどんどんどん悪くなっていく

 

そんな気はしていた道まちがい

いい歳の迷子

説明: よっかいち

説明: みえ説明: 津説明: 競艇場

津の競艇場はもちろん開催していない

万町 すごーく広くていい歩道

なのに人通りがまったくないのはなぜだろう

津市はシャッター商店街というか閑散としすぎていた

シャッター降りすぎ、テナント募集しすぎ。昔の活気のあった商店街を勝手に想像して勝手に悲しくなる

説明: 津の海

海にもワンタッチ

1分で引き返す

食い物と生き物の見あたらない海に用はない

余計な寄り道のせいでまた道に迷うが結果的にはショートカットになっていた

日も暮れかけた頃、インド人も避けて通りそうな怪しいカレー屋をみつけて当然入る

イエローカレー700円。日本人離れした顔のヒゲの店主が本場の味だというが正直よくわからない

とりあえず福神漬けを食べまくり、らっきょは普段なら絶対食べないが3個食う

700円の元を取ろうと必死な我々だ

 

本日のお泊まりは三重県久居市のローソンの真後ろの畑の中

本当は建設現場のプレハブの裏の物置(開きっぱなし)に寝ていたが隣の事務所に人が来て逃げた

畑の溝はあったかい。枯れ草も生えていてふかふかだ

この旅最高の快適な寝床だったが、ガランゴロンと深夜二時に大騒音。コンビニゴミの収集業者と鉢合わせしてあせる

寝直すとぐっすりで朝になって肌寒くなり起きる。かすかな朝焼けで辺りがようやく見える

普通のコンビニの裏の、畑の溝だ

寝る前にローソンでトイレを借りたのでまた朝にトイレを借りて朝食を買うのは恥ずかしい

だが、一宿一飯の恩義(?)がある

恥ずかしがらず朝食もここで買うことにする

店を出てからものすごい寝癖に気がつく私

夜からいたあの若い店員はどう思っただろう?

逃げるように出立し165号線に合流

 

朝四時出発から青山峠をくだる

奈良54

桜井30

室生12

ゆるやかだが山だらけ

瓦屋根が増えた

なんでもいいが日焼けで顔が痛い

目、肩、腰、ケツその他いろんな激痛

泣きそうになりながらペダルをこぐ

奈良県に入るが山道ばかりで雅さがない

鹿、鹿、鹿

奈良マクド朝10:15、客私らだけ

鹿、鹿、鹿

奈良県の人口の80%は鹿である

地図に温泉を見つけ、少し山に分け入ってみる。少しどころではなかった。

秘湯吉野温泉(元湯)につかり汚れを落とす

タオルが真っ黄色になる本格的な硫黄泉である

男湯と女湯を定期的に交換するらしく、なぜか通された脱衣所ののれんは女湯と書かれていた

交換するならのれんも移動したほうがいいと思うんですが

効能は慢性皮膚病と書かれていた

急性皮膚炎というか私の日焼けの火傷にはまったく効きませんでした

説明: 温泉

死体のような温泉客

 

支配人に東京から来たの?すごいねといわれる

野宿とかしたりした?と聞かれ、ボクタチ野宿なんてできません、民宿に泊まりながらきましたとにこやか答える

ご承知の通り全野宿である

 

温泉でゆったり気分になり腹も減ったところでたまにはということで定食屋に入る

私はカツ丼を食べたのだが、うどんと一品ものを数点注文した友人に大盛りのご飯がだされた

麺類にはご飯をオマケするらしい

麺を頼まなかったことを死ぬほど後悔する。卵とじのカツ丼はすごく普通だった

奈良は歩道が狭く選んだ道がよくなかったのかコンビニもまったく見あたらない

だいぶ南下したはずなのに奈良は空気がつめたい

日が暮れたらくそ寒い

靴ひもが軽く凍っている

101キロ、13時間

野良犬に吠えられながら奈良の資材置き場で寝る

夜露の冷たさに半死人となる

慣れと培った技術でなんとかこなしたが一番寒い夜だった気がする

長野と違い完全な屋外で寝たためだろうか手の平全体が痛みだした

運命線の下のあたり、要するに手首が内出血で紫色になっているのが、真っ黒に汚れた手でもわかる

平地が続くとそこをずっとハンドルにのせているためだ

こめかみに触れると、皮膚が白い粉になってぼろぼろとはがれ落ちる

目のふちと頬以外はまだらに赤く焼けている

公衆トイレで自分の顔を見て、精悍さに笑いがこみあげるほどだ

 

今日を最終日にすると決め、和歌山県に入る

和歌山県は平坦だった

なぜか地元福島にも似た、田舎道が延々と続く

登りも下りもなく、観光名所らしきものもない。みかんもポンジュースも見あたらない。いやポンジュースは愛媛か

初日はたかが八王子でくじけかけていた私だが、この頃には平坦ならどこまででもいけるという感触をつかんでいた

慣れとは恐ろしいものだ

快調すぎて補給する気にもならず、ちびちびスポーツドリンクを飲みながら休まず進んだ

天候も最高でこの一週間でもっとも平穏な旅路といえた

和歌山に見るべきスポットがなにもなかったというわけではない(印象は全く残っていないが)

説明: わかやま

わかやま〜

そしてフェリー乗り場についた

乗り物は邪道だが徳島に行くためにはここは致し方ない選択だ

自転車を廷内に預かってもらい、狭い階段を登り客室へと入る

靴をおいて船室にあるけったいな形状で硬い枕をしくと横になる

周りは野良作業風のおっさんばかりだ。間違えてマグロ漁船にでも乗ったような気分だ

エンジン音のどどどどどという音が床を小刻みに揺らして心地いい

小一時間もすると寝るのにも飽き、船内をうろつく

ゲームコーナーを発見するが脱衣麻雀と古い格闘ゲームしかない

たいして金もない

もどってふて寝を決めこむ

思い返せばあまり海を見なかったのが悔やまれる

説明: 乗船券

 

 

説明: ふぇり

フェリーで和歌山→徳島。船に縁がなかったので思っていたよりは安かった船賃

 

説明: 徳島

四国に初上陸

徳島の日本一低い山らしい

しかも嘘らしい

徳島で一番大きい本屋とやらは、都内の学生時代のアパートのすぐそばにあった本屋と同程度であった

穏やかなラストラン

ついに友人宅に辿り着くと、彼の家の飼い犬に狂ったように吠えられてゴールイン

友人宅でひとっ風呂と晩餐のあと泥のように眠る

指でなぞると日焼けのあとがざらざらして、目をつむるだけで引っ張られて肌がつっぱる

数日後のバーゲンセール的な皮の剥き放題状態を想像して怖くなる

一週間ぶりの布団のためか翌日の午後まで寝倒す

徳島観光は本当にわずかな時間になってしまった

 

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旅の終わり

こっちは高くついた

この船も寝て過ごしたため海をあまり見ていない

フェリーはなぜあんなに心地よく寝られるのだろう

 

レシート編

 

ひどい食生活というかなんで寿司とか食ってんだろう

フェリーで東京に戻って最初にいったのがいきつけの紀伊國屋書店本店

地元に戻って最初に食ったのはそぼろおにぎりとウーロン茶でした

体重が60台から一気に54キロになりコテコテの食べ物は胃がうけつけなかったんでしょう(見るのもイヤだった)

どこの土地か忘れたがなにもない山中にぽつんとある巨大なローソンは小学校の校庭のような広大な駐車場にダンプが大量に停まっていて盛況だったんだけど、お寿司食べたのはそこかなたぶん

とりあえずざっくりこんなとこで

 

宿泊のまとめ

1山梨 ブドウ畑

2長野 無人駅

3長野 バス待合所

4愛知 グラウンドわき

5三重 ローソンの裏の畑の溝

6奈良 材木置き場

7徳島 友人宅

 

日本の広さと狭さを両方体感するような旅だった気がします

体力あるほうじゃないし登り下りはきついけど、平地なら自転車でどこまでもいける感触はつかめた

自力の足で進んでいく見慣れぬ風景ってのはよいです

細かい発見は山ほどありました

(長野の山奥に点在するビニールの小屋はビニ本自販機とか畑の隙間は以外とあったかいとか)

三段階切り替えのママチャリでもどこまでだっていけるなーとか(でも長野の山奥でパンクしてたら死ぬか?)

雨で中身が濡れるんでカバンがいきなりごみ袋になったり、足の指先なんかは簡単に寒さにやられるという事実を知ったり

ものを食ってそれがエネルギーになってることを死ぬほど実感したり、額からこんなに塩が取れるんだと感動したり

尻穴がズタズタでお尻の下の皮がずるむけたり、ブレーキの効かない急な長い下りが急にアイスバーン変わって死を覚悟したり

思い出すときりがないほど濃い一週間でありました

登った山の上から見た走破してきた街の景色や、風を切って走る知らない土地土地の夜景、

野宿の奇妙な高揚感と辛さ、きつい疲労感と筋肉痛とそれを飛び越える悪魔的なランナーズハイは一生忘れないでしょう

 

一人では一生体験できない経験を(なかば強引に)与えてくれた友人に感謝しつつ