やっぴらんど楽しい世界史テーマ史地名で見る世界史≫#04 アメリカ合衆国の州名(その3)

#04 アメリカ合衆国の州名(その3)─スペイン語に由来するもの

スペイン語に語源を持つ州名について見ていきます。カリフォルニア(California)、コロラド(Colorado)、フロリダ(Florida)、モンタナ(Montana)、ネバダ(Nevada)の5州です。

1492年にコロンブスがサンサルバドル島に到達して以来、スペインは中南米を中心とした植民地を築き上げていきました。米国では、フロリダ(1513年)、カリフォルニア(1524年)をはじめとし、現在のテキサス州やニューメキシコ州、アリゾナ州など南部一帯を植民地化していました。1763年にはイギリスとの間で、ミシシッピ川を境界として東西で植民地を分ける取り決めをしています。

フロリダは、元来スペイン語の形容詞で「花のような、花咲く」という意味です。スペイン人が初めてこの地に上陸したのが4月初めであり、その季節感からつけられたという優雅な地名です。

スペインの詩人G.O.モンタルボという人が書いた詩の中に「カリフォルネ(Califerne)=天国に近い島」という夢の島が出てくるそうですが、最初にカリフォルニア半島に到達したスペイン人がここを島と誤認し、くだんの詩に出てくるイメージとぴったりだったために、この名前がつけられました。なお、異説として、中世フランスの叙事詩「ローランの歌」に出てくる想像上の国の名前に由来するという説もあります。いずれにしても、「カリフォルニア」という名前自体には意味がなく、想像上の地名に由来しているようです。

コロラドは、スペイン語の「色のついた、赤い」という意味の“colorado”(英語で言うと“colored”)です。川の水が赤く濁っていることから「リオ・コロラド=赤い川」と呼ばれ、1861年にコロラド州が創設されたとき、この大河の源流が州内にあることから命名された州名です。

ネバダは、やはりスペイン語の形容詞「雪を戴いた、雪のように白い」という意味です。この地にやってきたスペイン人宣教師が目にした山並みが、故郷の「シエラ・ネバダ山脈」(万年雪を戴く山脈)に似ていたことから、同じくシエラ・ネバダ山脈と名付け、1864年、州名としても採用されたものです。ただし、シエラ・ネバダ山脈は、ネバダ州ではなく、隣のカリフォルニア州に位置しています。

以上の3州については、いずれも、もともとスペイン領だったことに因む州名を持ちますが、モンタナ州は、はるか北方、カナダと国境を接する州であり、スペイン領だったわけではありません。モンタナ(Montana)とは、スペイン語というより本来ラテン語で、「山の多い」という意味です。もともとはカンザス州の金鉱地帯の地名だったらしいのですが、ある政治家がこの地名を好み、実際には平地がほとんどのモンタナ州に、「山の多い」という州名がつけられてしまったということです。

スペイン人の植民地は、19世紀半ば頃までに「アメリカ合衆国」に編入されていきますが、この地域には、州名だけではなく都市名にもスペイン語に由来する地名が多く残されています。ロサンゼルス(Los Angels=天使)、サンフランシスコ(San Francisco=聖フランシスコ)(以上カリフォルニア州)、ラスベガス(Las Vegas=牧草地)(ネバダ州)などがそうです。

04/11/21