やっぴらんど地名で見る世界史≫#03 アメリカ合衆国の州名(その2)

#03 アメリカ合衆国の州名(その2)─インディアンの種族名に由来するもの

インディアンの言葉に由来する27州のうち、「種族名」等からつけられたと思われるのは、アラバマ(Alabama)、アーカンソー(Arkansas)、イリノイ(Illinois)、アイオワ(Iowa)、カンザス(Kansas)、マサチューセッツ(Massachusetts)、ノース・ダコタ(North Dakota)、オハイオ(Ohio)、オクラホマ(Oklahoma)、テキサス(Texas)、ユタ(Utah)、サウス・ダコタ(South Dakota)、テネシー(Tennessee)、アイダホ(Idaho)の14州です。

一口に「インディアン」と言っても、居住地によって様々な種族が存在します。たとえば、イリノイ州は「イリニウェク族」から、アラバマ州は「アリバム族」から転訛したものです。また、アイオワ州は、「ウアウイアトノン族」が短縮されて「ウアウイア」となり、英語風に「アイオワ」となりました。ノースダコタ州、サウスダコタ州の「ダコタ」は、スー族の言葉で「友人」という意味ですが、彼らは自分たちのことを「ダコタ」と呼んでいたことから来ています。

おもしろいのは、アイダホ州。アパッチ族がコマンチ族を「イダヒ族」と呼んでいたことから生まれた州名ですが、アイダホ州が位置するのは、コマンチ族の居住地とは遠く離れた北西部のロッキー山脈です。1890年に州に昇格して州名をつけるときに、厳しい自然風土にふさわしい名前として、勇敢尚武で知られるコマンチ族の呼び名がふさわしいとされ、州議会で承認されたのだそうです。

さて、インディアンの種族名以外の州名ですが、ほとんどが川や渓谷、湖など自然に因む地名から来ています。 たとえば、ネブラスカ州は、ここを流れる川を表現した「広く平らな水」という意味です。ミシガン湖のほとりに位置するミシガン州は文字通り「大きな湖」、ミシシッピ州は「大きな川」。

自然に因む名前と言えば、映画「ダンス・ウイズ・ウルブス」に登場する「ける鳥」、「風になびく髪」、そして「狼と踊る」といったスー族の名前が思い浮かびます。自然に対する彼らの畏敬と親しみの念が感じられる素敵な名前だと思います。

州名にインディアンの言葉をつけた白人たちは、もしかしたら自然と対峙する時の彼らの態度に、少なからぬ敬意の念を持っていたのかもしれません。

04/11/21