やっぴらんど楽しい世界史テーマ史地名で見る世界史≫#02 アメリカ合衆国の州名(その1)

#02 アメリカ合衆国の州名(その1)

メジャーリーグのチームが来日しています。今年のワールドシリーズを制したのはボストン・レッドソックスでした。ボストンは、イギリス人がアメリカ大陸に植民して建設した町の中でももっとも古い町のうちの一つです(「ボストン」という都市名は、本国イギリスの都市名から名付けられました)。そのボストンの郊外、湾を望む丘のふもとにインディアンの村があり、“mass-adchues-et”と呼ばれていました。「大きな丘のある場所」という意味です。現在の「マサチューセッツ州」は、原住民の村の名前に由来します。

アメリカ合衆国50州の州名のルーツをたどると、半数以上の27州が原住民のインディアンの部族名や彼らの言葉に由来していることがわかります。確かに、「ワイオミング」とか「アイオワ」とか「アイダホ」とか、明らかにインディアンの言葉っぽい名前がいくつか頭に浮かんできます。

「マサチューセッツ」のように、ヨーロッパ人が最初に「新大陸」アメリカにやってきたとき、彼らは、文字を持たない原住民が口にした言葉をそのままアルファベットに置き換えて地名とすることが多かったようです。それがそのまま州名となっているわけです。最初に聞き取った人の母国語によって、フランス語風だったり、スペイン語風になったりしています。

さて、ワールドシリーズで3連勝しながら4連敗してしまい、惜しくもチャンピオンフラッグを逃してしまったセントルイス・カーディナルス。本拠地のセントルイスはミズーリ州にありますが、この州名も原住民イリニウェク族の言葉から来ています。もともとの意味ははっきりしないようですが、「大きなカヌーの持ち主」あるいは「泥水の川」という言葉かに由来するようです。いずれにしても、ミシシッピ川からイメージされる地名です。

アメリカ合衆国は、1776年に東部13州が独立を宣言することからスタートしますが、このうち、「マサチューセッツ州」以外はすべて、州名が国王などイギリス人の名前や地名に由来しています。その後、19世紀にかけて西部開拓が進展するとともに、州の数も増えていきますが、中西部の州名にはインディアンの言葉によるものが多くなっていきます。白人はインディアン固有の文化を認めず、彼らと共生することを拒否しました。強制的に移住を迫ったり、もちろん武力衝突に発展することもありました。なのに、インディアンが使っていた「地名」だけが州や町の名前として残っているのもなんだか妙な感じがします。

04/11/21