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 ローマ教皇─その1─

コンクラーベつながりで、歴代ローマ教皇について、主に「名前」や在位年代の面からみていきたいと思います。

ところで、世界史の教科書では「ローマ教皇」という言い方をしていますが、新聞やテレビでは「ローマ法王」と呼びます。どっちが正しいのでしょうか?

宗教法人カトリック中央協議会のサイトを見ると、ローマ法王とローマ教皇の違いについて、こんなふうに書かれています。

教会では「ローマ教皇」を使います。以前はたしかに、日本のカトリック教会の中でも混用されていました。そこで日本の司教団は、1981年2月のヨハネ・パウロ2世の来日を機会に、「ローマ教皇」に統一することにしました。「教える」という字のほうが、教皇の職務をよく表わすからです。その時以来、たびたびマスコミ各社に「ローマ教皇という名称を使ってください」とお願いしていますが、残念ながら実現していません。

マスコミが「法王」と呼ぶのは、外務省が正式名称としてそっちを使っているからだと思います。日本のカトリック教会では、「ローマ教皇」という呼び名が正式だということにしているようですね。ただしそれも比較的最近のことのようです。

ついでに、同サイトでは、駐日ヴァチカン大使館を「ローマ法王庁大使館」と呼ぶ理由についても説明してくれています。

現在の教皇ベネディクトトゥス(ベネディクト)16世は、初代聖ペテロから数えて、第265代目の教皇に当たります。

歴代教皇の中でもっとも在位期間が長い教皇は、初代の聖ペテロです。もっとも、ペテロの場合は、「在位」という言い方が妥当なのかどうかはわかりませんし、生没年も明確ではありませんが、67年?に「逆さ十字架」で磔刑に処せられるまで、キリスト者であった期間は34年間とも37年間とも言われています。第2位は、ずっと時代が飛んで、第255代教皇福者ピウス9世で、在位期間は1846年から1878年までの32年間(11,560日)でした。厳密な意味での「在位期間」という意味では、こちらが最長なのかもしれません。第3位が昨年亡くなった第264代ヨハネス・パウルス2世です。在位期間は26年5ヶ月余(9,673日)。

教皇の在位期間が長くてせいぜい30年前後というのは、世俗の君主に比べれば短いと言えるでしょうが、教皇は即位した時点で既に相当な高齢になっていますのでこれは当然です。フランスのルイ14世(72年)、英国のヴィクトリア女王(64年)、清の康煕帝(61年)などは幼少期に即位しているから在位期間も長いのです。

逆に在位期間が一番短い教皇は、第228代教皇ウルバヌス7世(在位1590)の13日間です。彼はマラリアで死亡しています。第2位は、第112代教皇ボニファティウス6世(在位896)の15日間。彼の前の教皇(フォルモスス)がかつて破門されたこともあって、教皇位をめぐるゴタゴタの中で即位しましたが、15日でその座を追われました。ボニファティウス6世の3代あとの教皇(第115代テオドルス2世)も、たった20日間しか教皇の座にいませんでした。

なお、教皇に選出されたものの、直後に卒中で倒れそのまま還らぬ人となってしまった教皇もいます。第92代教皇ステファヌス2世です。在位期間は752年3月23日のたった1日。ナンバリングは付されてありますが、正式な教皇リストからは除かれています。ステファノス2世の死後、急遽教皇に選出されたのがステファノス3世です。彼は、当時台頭してきたフランク王国に接近し、王ピピンから土地の寄進を受けます。これが今も続く「ローマ教皇領」の始まりとなります。
 
(続く…)

2006-08-03