やっぴらんど楽しい世界史テーマ史「由来・起源」シリーズ

 赤いバラ、白いバラ、青いバラ

赤、白、黄色、オレンジ、ピンク…。バラの色は実に多種多様です。これらはもともと6種類の品種を掛け合わせて生み出されてきたものです。ところが、バラには「青色」という要素がありません。「青いバラ」は絶対に作れない色だったのです。だから、昔から"Blue Rose"と言えば、「不可能」とか「あり得ないこと」という意味の代名詞でした。

ところで、世界史上の戦争の名前にはいろんな名前が付けられていますが、もっとも「優雅な戦争名」は何と言っても「ばら戦争」(1455〜1485)でしょう。ランカスター家VSヨーク家という英国きっての名門とその取り巻き貴族によるイングランド王位をめぐる内戦です。ランカスター家の紋章が赤ばら、ヨーク家の紋章が白ばらだったことからこの争いをばら戦争と呼ぶことになった、と教科書には書いてありますが、どうも眉唾らしい。

というのも、この戦争を舞台として、のちにシェークスピア(1564〜1616)が書いた戯曲『ヘンリー六世』や『リチャード三世』の中での脚色ではないかと言われているのです。「ばら戦争」という呼び方もシェークスピアの作品に始まるらしい。ヨーク家の白ばらは事実としても、ランカスター家の赤ばらの紋章の方は実在しなかったとも言われています。

ただ、内乱を収めたランカスター家のヘンリ7世が、和平の象徴として赤ばらと白ばらを組み合わせた図柄を作らせて、テューダー朝の紋章としたのは事実です。そして、この紋章は現在の英王室の紋章としても受け継がれているのです。

さて、青いバラですが、近年のバイオテクノロジーの進歩により、遺伝子操作で不可能だった「青いバラ」が可能となっています。青森県グリーンバイオセンターというところでは、数年前から「青いバラ」の開発に取り組んでいます。「青森」に因んで「青」いバラを世界で初めて開発せよという、いかにも前知事の好みそうな発想ですが、莫大な研究費を注ぎ込んで開発にあたっていたものの、2004年にサントリーの開発チームに先を越されてしまいました。

同センターでは、それでも、青いバラというより、バイオテクノロジーとして、青い色素をいろいろ別のものに使える可能性は残したいということで、研究は続けられているようです。

しかし、サントリーの「青いバラ」はどう見ても「紫」にしか見えませんよね…。



おっと、これは青い! これこそ青いバラだ。

…失礼。これは青いインクを花びらに吸わせた単なるインチキなバラでした…。

それにしても、バラにこだわりさえしなければ、自然界には「青い花」をけっこう見ることはできます。たとえば、裏庭で咲いていたツユクサ。アオバナ(青花)とも言われるこの「青」、いかにも人工的な「紫のバラ」よりもずっときれいだと思いませんか?

06/09/20