やっぴらんど楽しい世界史テーマ史

『レ・ミゼラブル』覚書

ヴィクトル・ユゴーの大作『レ・ミゼラブル』のストーリー覚書です。現在進行中。
※初出はいずれもやっぴBLOGです。

─もくじ─  ※文中の引用は、すべて岩波文庫版(豊島与志雄訳)によります。

#01 プロローグ

第一部 ファンティーヌ

#02 第一編 正しき人 (岩波文庫 第1巻p.25〜p.115)  05/06/07
#03 第二編 墜落 (岩波文庫第1巻p.116〜p.209)  
#04 第三編 一八一七年のこと (岩波文庫第1巻p.210〜p.259)  
#05 第四編 委託は時に放棄となる (岩波文庫第1巻p.260〜p.282)  
#06 第五編 下降 (岩波文庫第1巻p.283〜p.350)  
#07 第六編 ジャヴェル (岩波文庫第1巻p.351〜p.369)  
#08 第七編 シャンマティユー事件【1】 (岩波文庫第1巻p.370〜p.481)  
#09 第七編 シャンマティユー事件【2】
#10 第七編 シャンマティユー事件【3】
#11 第七編 シャンマティユー事件【4】
#12 第八編 反撃 (岩波文庫第1巻p.482〜p.515)  

第二部 コゼット

#13 第一編 ワーテルロー  (岩波文庫第1巻p.519〜p.608)  
#14 第二編 軍艦オリオン (岩波文庫第2巻p.13〜p.34)  
#15 第三編 死者への約束の履行【1】 (岩波文庫第2巻p.35〜p.126)   05/07/20
#16 第三編 死者への約束の履行【2】
#17 第三編 死者への約束の履行【3】
#18 第四編 ゴルボー屋敷 (岩波文庫第2巻p.127〜p.152)  
#19 第五編 暗がりの追跡に無言の一組【1】 (岩波文庫第2巻p.153〜p.203)    06/04/11
#20 第五編 暗がりの追跡に無言の一組【2】
#21 第六編 プティー・ピクプュス (岩波文庫第2巻p.204〜p.250)  
#22 第七編 余談 (岩波文庫第2巻p.251〜p.272)  
#23 第八編 墓地は与えられるものを受納す【1】 (岩波文庫第2巻p.273〜p.364)  
#24 第八編 墓地は与えられるものを受納す【2】
#25 第八編 墓地は与えられるものを受納す【3】

第三部 マリユス

#26 第一編 パリーの微分子 (岩波文庫第2巻p.367〜p.400)  07/02/06
#27 第二編 大市民 (岩波文庫第2巻p.401〜p.417)
#28 第三編 祖父と孫 (岩波文庫第2巻p.418〜p.481) 
#29 第四編 ABCの友  (岩波文庫第2巻p.482〜p.532) 07/10/14 
#30 第五編 傑出せる不幸  (岩波文庫第2巻p.533〜p.565) 
#31 第六編 両星の会交  (岩波文庫第2巻p.566〜p.595) 
#32 第七編 パトロン・ミネット  (岩波文庫第2巻p.596〜p.611) 


─覚書の覚書─

手元に3種類の『レ・ミゼラブル』があります。

まず本家本元の『レ・ミゼラブル』(ユーゴー)。岩波文庫(豊島与志雄訳)で約600頁×4冊。

次に、集英社の少年少女世界の名作シリーズの『ああ無情』(沢田賢二訳)。そうです。『レ・ミゼラブル』は子どもの頃は「ああ無情」だったのですね。なんともいい邦題ではないですか。奥付を見ると、「昭和46(1971)年第7刷」とあります。私が小学生の時に買ってもらった本です。定価260円! 2段組で本文は約140頁。ジャン・バルジャンをめぐるストーリーを中心に、セリフを多くして子ども向けに読みやすくしています。ほぼ全頁にわたって挿し絵がついています。古賀亜十夫による激しくも暖かいイメージを与えてくれるペン画です。

もう1冊は岩波少年文庫の『ジャン・バルジャン物語』(豊島与志雄訳)。こちらは上下2冊合わせて700頁程度。本家本元と同じ豊島訳(1953年)ですので、岩波文庫版と同じ格調高さです。同じ匂いがします。タイトルに表れているように、ジャン・バルジャンの生涯を追いながらも、こちらは、登場人物たちと実際の歴史との関係もしっかりとらえています(実に的確な訳注付き)。

岩波文庫版は、「1987年第3刷」とありますので、かれこれ17年前に買った本ということになります。当時、全巻そろえて読み始めたものの、それが単なる「ジャン・バルジャン物語」ではなかったことに驚き、ついには途中で挫折してしまったのでした。ユーゴーは、突然ジャン・バルジャンから目を離し、当時の激動する社会情勢について、とくとくと語り始めるのです。ユーゴー自身、上院議員も務めた政治家でしたから、書かずにおられるか!といった勢いで、何頁にもわたって「レ・ミゼラブル」が「歴史書」と化すのは致し方ないことなのでしょう。

冒頭からして本家本元は子ども向けとはワケが違います。『ああ無情』は、一切れのパンを盗んで19年間も監獄にいたジャン・バルジャンが、ミリエル神父の家に泊めてもらい、銀の燭台を盗む場面から始まります。『ジャン・バルジャン物語』もほぼ同じです。ところが、本家本元では、ジャン・バルジャンが登場するのは、最初の頁をめくってから116頁目。それまでは、「あのミリエル司教がいかに信心深く、人望のあつい人間だったか」という話がえんえんと語られるのです。ジャン・バルジャンを改心させ、一生彼の心に生き続けたミリエル司教ですから、全体の分量を考えたらそのくらいの頁数は当たり前なのかもしれません。

この超大作を再び読み始めています(ねるぼん=寝るときに読む本として)。今度こそ完読するぞぉ〜!

05/01/21