2022.1.9(日)〜1.10(月) てくてく東海道Part10

 
コロナ禍で中断していたが、10カ月ぶりの復活だ。2日間で石部宿、草津宿を経て京都三条大橋までの約50kmを歩く予定で出かけた。今回でいよいよゴールとなる。見所もたくさんあって楽しんできた。

2022.1.9(日) 1日目
朝5時30分に自宅を出発して、水口宿(前回の最終地点水口石橋駅)に9時前に到着。早速水口城を目指して歩き始めた。本日は、草津宿を超えて瀬田までを予定している。
水口宿は、宿場町というよりも城下町といった雰囲気である。将軍家光が宿館として築城させたとのこと。朝早いので、資料館は開館前で、城の周りを一周してみた。


今回のスタート水口城

 
 
     横田の渡跡 常夜灯

旧東海道に戻り、次の宿石部宿を目指す。途中野洲川を越える「横田の渡し」がある。ここにある常夜灯は高さ10mを超え、街道随一の高さを誇る。廻りに建物がないのでひと際目立っていた。三雲城址を超え、お昼前に石部宿に到着。

 

横田の渡し跡(野洲川)

 
三雲城址

石部宿は、「京発ち石部泊まり」と言われたらしく、京から東へ歩く人は、ここで1泊目となったらしい。40kmほどあるが、昔の人はよく歩いているなあと感心した。街並みは整備されていて、石部宿中央と標識のある休憩所で昼食をとって休んだ。


石部宿中央

 
石部宿の街並み

本日は、草津宿を超えて瀬田までを予定している。草津まで10km、瀬田までさらに7kmはある。先を急いだ。
草津宿14時到着。草津宿は、東海道と中山道が交差する要衝で当時から栄えていたようだ。

 

草津宿

 
 
  草津宿追分 右東海道 左中山道

本陣は、今でもそのまま残っていて一般公開されている。時間を取って入ってみた。現存する本陣の中では最大級らしい。この宿には歴史上の有名な人物も泊まったらしく大福帳(帳簿)に記載されているようだ。
草津宿から約8km、本日予約していたホテルに到着。1日目を予定通り歩いた。


草津宿本陣跡

 
 
本陣内

2022.1.10(月) 2日目
ホテルを8時出発。いよいよ本日は京都三条大橋まで最後の行程となる。1時間ほど歩いて「瀬田の唐橋」にさしかかった。「もののふの 矢橋舟は早くとも 急がばまわれ 瀬田の唐橋」と歌われ、「急がば廻れ」の語源となった橋だ。琵琶湖も見えてきた。
大津の街にさしかかった。琵琶湖に近いところを取っているので、湖岸に出てみた。日本一の湖、向こうには伊吹山、腰を下ろして休憩した。


瀬田の唐橋

 
琵琶湖

街道沿いに「義仲寺」を発見。入ってみた。木曾義仲の墓所がある。今大河ドラマで放映されている源頼朝のいとこにあたるが、対立があり戦いで敗れたようだ。それほど有名ではなかったが、松尾芭蕉が義仲の生き方に惚れ込んで、有名になったとのこと。松尾芭蕉もここに墓所があり、仲良く眠っている。


義仲寺

 
義仲寺内部

最後の宿大津宿を超え、逢坂山の登りにさしかかった。国道1号線と並行していてたが、峠を示す道標・常夜灯があった。
「これやこの ゆくもかえるもわかれては 知るも知らぬも逢坂の関」と歌われている。

国道から分かれて旧東海道に入る。京都の街に入って行った。15時15分ついに京都三条大橋に到着。特別な感慨がこみあげてくるわけではないが、一つの目標を達成できたことへの嬉しさがあった。


逢坂山関址

 
京都三条大橋

【歩き終えて】

最初は、201832か月後に迫った「100kmウォーク大会」のトレーニングのために歩き始めたが、歩けるところまで歩いてみようと考え、自宅から30kmほど東へ歩いた。歩いてみるとまた続きをやってみようとの思いが湧いてきて、いつの間にか全行程を歩いてみたいと。

街道沿いには、当時のそのままに残された街並み、一里塚、松並木、道標、常夜灯など興味が絶えなかった。国道と並行しているところもあったが、道幅5060cm程度の山道もあり、もちろん風光明媚なところありと楽しみながら歩いた。また、昔の人の旅する思いがどうだったのか、今の私と同じ思いなのだろうかとか考えながら歩いた。

旧東海道を歩いて、いろいろな発見があった。それは街道沿いの当時を偲ばせる「物」を見るだけでなく、一里塚に見る距離の認識手段、高札場などにみる伝達手段、夜道を照らす常夜灯などにみる安全対策などなど時代に合った工夫と知恵に感心させられた。
天気の良い日もあり、また雨の日に強行して、心が折れそうな土砂降りの中を歩いたこともあった。今振り返って、興味のない人からみると、新幹線であれば2時間強で移動できるところを、わざわざ歩いて得になることがあるのかと思われるかもしれないが、もちろん損得の問題ではなく、本当に勉強になったと感じている。
旧東海道ありがとう。

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